市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年(平成7年)5月18日に安中市土地開発公社で密かに発覚した我が国の地方自治体では空前の巨額詐欺横領事件。くしくも同じ年に発足した市民オンブズマン群馬のメンバーとして、行政の不正に敢然と立ち向かってきた活動の履歴。

大澤正明前知事の教訓を学ばない前橋市・・・なぜ小川晶市長に旧副知事公舎の利活用を進言しなかったの?



↑旧群馬県副知事公舎。現在は、群馬県との等価交換で前橋市保有

出典:社長の家~日本の豪邸写真集↑

↑同上↑

 

■2024年2月4日に投開票が行われた任期満了に伴う群馬県前橋市長選の結果、無所属新人で元県議の小川晶氏(41)が6万486票を獲得し、4選を目指した無所属現職の山本龍氏(64)に1万4099票差をつけて初当選、同市初の女性市長が誕生したことは、まだ我々県民の記憶に鮮明に残っています。あれから1年半が経過しようとしていた8月24日夕方、衝撃のニュースが飛び込んできました。そして、この激震は翌25日も衰えることなく続いています。

 

**********NHK News Web 2025年9月24日21:16

前橋 小川市長 “市幹部職員の既婚男性とホテルに”報道で陳謝

 前橋市の小川晶市長は部下の既婚男性とホテルに通っていたなどとインターネットのニュースサイトで報じられたことを受けて24日夜、緊急の記者会見を開き、「男女の関係はなかったが誤解を招く軽率な行動だった」と陳謝しました。その上で、みずからの進退は弁護士などと相談して判断する考えを明らかにしました。

 前橋市の小川市長は小学館が運営する「NEWSポストセブン」で市の幹部職員の既婚男性とラブホテルに通っていたほか男性と合流するまで公用車を使用していたことなどが報じられています。

 小川市長は24日夜、前橋市内で記者会見を開き「男性とは周囲の目を気にせずに安心して話せるホテルで相談にのってもらっていた。男女の関係はなかったが、誤解を招く軽率な行動であったと反省している」と陳謝しました。

 また、ホテルでの相談はこれまでに10回以上にのぼり、中には男性との待ち合わせ場所まで公用車を使用したこともあったということです。

 その上で、みずからの進退について「第三者と相談しながら考えていく」と述べ、弁護士や支援者などと検討し判断する考えを明らかにしました。

 

**********NHK News Web 2025年9月25日 18:23

“既婚男性とホテル”報道の前橋 小川市長 市政に影響も

 部下の既婚男性とホテルに通っていたなどとインターネットのニュースサイトで報じられた前橋市の小川晶市長は、25日に予定されていた表敬訪問などを取りやめるなど、市政に影響が出ています。

 26日、最終日を迎える市議会でどのような説明をするかが注目されています。

 前橋市の小川市長は「NEWSポストセブン」で市の幹部職員の既婚男性とラブホテルに通っていたほか、男性と合流するまで公用車を使用していたことなどが報じられ、24日夜の会見で「男女の関係はなかったが、誤解を招く軽率な行動だった」と陳謝し、みずからの進退について「第三者と相談しながら考えていく」と説明しました。

★小川市長 25日は公務取りやめ 市議会会派は対応協議★

 会見から一夜明けた25日、小川市長は表敬訪問を受ける予定でしたが、副市長を代理にたてて欠席するなど、市政に影響が出ています。

 一方、前橋市議会の最大会派となる保守系の「前橋高志会」は非公開で会合を開き、今後の対応について協議しました。

前橋市議会最大会派 小曽根英明幹事長↑

 会合後、会派の小曽根英明幹事長が取材に応じ、市長から「あすの市議会後に市議会議員全員に説明する」という連絡が来たことを明らかにしました。

(小曽根幹事長)

「市民からは本当にいろいろな意見が寄せられている。まずはあす、しっかりと市長本人の説明を聞いてから対応していく。冷静に分析し、市政が停滞することないよう対応できればと考えている」

★去年初当選 前橋初の女性市長 子ども・子育て支援に重点★

 小川晶市長は42歳。弁護士で、群馬県議会議員を経て、去年2月の市長選挙で初当選し、前橋市で初めての女性市長となりました。

 市長選挙は事実上の与野党対決の構図となり、“保守王国”と呼ばれるほど自民党の勢力が強い群馬にあって、新人だった小川氏は立憲民主党など野党側の議員の支援を受けながらクリーンな政治の実現などを訴え、自民・公明両党の推薦を受けた現職を破りました。

 初登庁の際には「33万人の市民のためにしっかりと働きたい。重い責任と覚悟を感じながら街づくりに取り組みたい」と意気込みを述べ、子ども・子育て支援に重点を置いてきました。

★「どうして…」市内では驚きや疑問★

 そうした中での今回の報道と記者会見での説明に、前橋市内では驚きや疑問の声が聞かれました。

(21歳 男子大学生)

「正直、前橋でもこのようなことが起こるのだと驚いた。市長の説明は無理があり、ちゃんと説明した方がいいと思う」

(80代 男性)

「せっかく当選したのに、どうしてそんなことをしたのかと驚いた。市長としての自覚が足りないのは問題だと思う」

(50代 女性)

「女性ということもあり、新しい市長に期待をしていただけに残念だ。より一層の公人としての自覚と今回のミスをそれ以上の結果で打ち消すことができるような市政を期待したい」

★山本知事「小川市長、どうなっちゃったの」★

 群馬県の山本知事は、25日、報道陣の取材に応じ、「小川市長、どうなっちゃったのという感じで、政治家として非常に残念に思っている」と述べました。

 小川市長が市幹部職員の既婚男性と10回以上にわたってホテルに通っていたものの、男女の関係はないと述べたことについては、「言い訳として見苦しく、信じている人は誰ひとりとしていないだろう。全部正直に事実を認めて謝罪したほうがよかったと思う」と指摘しました。

 そのうえで、小川市長の進退について「市長の判断だが、これからどういう流れが起きるか考えて判断されるといいと思う」と述べました。

 前橋市では、26日、市議会の定例会が最終日を迎えます。

 本会議で登壇する予定であるほか、閉会後に市議会議員全員に説明する意向を示している小川市長。今回の問題についてどのような説明をするか、注目されています。

**********

 

■地元紙も9月25日の朝刊社会面で報じましたが、記事を見てお分かりのとおり、ネット記事を後追いしたかたちで、書かれています。

 この記事にあるように、震源は9月24日付けのニュースサイト「NEWSポストセブン」でした。さっそく、その記事を見てみましょう。

 

**********NEWSポストセブン2025年09月24日16:58

《前橋・42歳女性市長が“連日ラブホ”》昼も夜も土曜日もお盆も…お気に入りは“ロードサイドラブホ” お相手は部下の既婚・市幹部 公用車を使って合流、男性の車に乗り換えて…

群馬県前橋市の小川晶市長(42)が部下とラブホテルに訪れていることがわかった(左・Facebookより)↑

 9月10日、群馬県内では猛烈な大雨が降っていた。県内の各所で17時までの1時間に100ミリ以上の雨が降り、気象庁が災害の危険が高まっていることを伝える「記録的短時間大雨情報」を発表。県北部では道路は浸水し、自動車が動けなくなるなど予断を許さない状況が続いていた。

 その日の18時30分頃、前橋市長・小川晶氏(42)は市幹部の男性が運転する車に乗って、前橋市内を走っていた。市内の状況を確認するかと思いきや、向かった先はラブホテルだった──。

 弁護士資格を持つ知性派でありながら、明るい笑顔で市民の支持を得た小川市長。彼女は福田赳夫氏や中曽根康弘氏ら総理大臣を多く輩出してきた保守王国・群馬の県都に“新しい風”を呼び込んだ。市関係者が語る。

「小川市長は昨年2月に初当選した1期目の市長です。もともと千葉県の出身ですが大学卒業後に群馬県で弁護士登録し、前橋市内の事務所で勤務していました。公式ホームページによると、家庭内暴力の被害者支援などに力を入れていたそうです。政界に進出し、2011年4月の県議選に28歳で初当選して以降、県議を4期つとめ、昨年2月の市長選に立候補しました。

 市長選では連合の推薦も取り付け、自民公明が推薦する現職を破る見事な勝ちっぷりでした。当選後には支援者らに『スタートラインにやっと立てた。これから皆さんと一緒に市民の力で前橋市を良くしていきたい、新しい町にしていきたい、新しい政治を作っていきたい』と訴えていました」

 当時、日経新聞でも「前橋市長に小川晶氏が就任 初の女性、戦後最年少」と報じられるほど注目された。

 そんな市長に想像もできないことが発覚したのは、今年に入ってすぐのことだった。市の関係者であるAさんが明かす。

↑自宅まで部下と共に移動していた市長(Facebookより)↑

「私の知人女性が夫であるB氏の不倫を疑い、彼女と友人たちとでご主人の尾行を始めたんです。すると彼女のご主人が会っていたのは小川市長でした。B氏は仕事関係で市長とも接点があったようです。そこで、市長の行動も合わせて追いかけてみようとなりました」

 AさんらがB氏および小川市長を追ったところ、バーの個室で食事をしているところを確認したのみで、直接的な不貞行為は認められなかったという。しかし──。

「同時期、市長は別の男性とかなりの頻度で会っていたんです。初めて目撃したのは今年2月のこと。市長は周囲を気にしながら、男性の車に乗り込んでいました」

 B氏への疑義は残ったものの、Aさんらはひとまずそこで追跡を取りやめた。しかしB氏の行動に再び不安を感じた妻は、再びAさんらに相談。B氏と小川市長の動向を確認することになったという。

「それが今年7月頃です。Bさんの行動を確認してわかったのは、小川市長は2月に会っていた男性との関係を継続しているようでした。実は、私はその男性に見覚えがありました。Xさんという方なのですが、前橋市の幹部でとてもまじめな方。ただ、彼には妻子がいます。小川市長は独身ですが、Xさんが妻帯者であるとご存じないはずはないので、問題なんじゃないかって……」

 確認したところ、小川市長とX氏のラブホテルでの密会がキャッチされたのは、7月から9月上旬までに昼や夜など、土曜日を含めて計7回。取材班が調査したところ、その証言が事実であることも確認できた。一番よく利用しているのは、郊外のロードサイドにある低層のラブホテルで、部屋ごとに駐車場がついているタイプの施設だった。

 逢瀬を重ねる際、小川氏もX氏もスーツ姿であることが多かった。平日の夜や休日に会うことが多かったが、8月のお盆時期には、2日連続でラブホを訪れていた日もあった。冒頭のように、群馬県内に「記録的短時間大雨情報」が出ていた9月10日も、午後6時すぎから午後10時前まで、2人はラブホテルにいた。大雨や雷雨、竜巻などへの注意を市の防災危機管理課が市民にLINEなどで喚起した時間帯と、2人がホテルに滞在している時間は重なっていた。

 別の市関係者が話す。

「この日、市の防災危機管理課は夜まで情報収集などにあたりました。県北部の沼田市などでは町が浸水被害に合うなど緊迫した状況にありました。市長は災害などがあった場合に、その長として指揮する立場にありますが、その日はすでに退庁していました」

 9月中旬にも2人の姿はラブホテルにあった。9月16日、NEWSポストセブン取材班は市長がX氏とラブホテルを訪れたことを確認。本人たちに話を聞くため、翌17日も市役所に向かうと、18時すぎ、市長は送迎の公用車に乗るべく庁舎外に姿を現した。笑顔で車に乗り込んだ市長。その行き先は、直線距離でわずか500メートル先の薄暗い路地だった。記者は、そこから“2日連続”となるラブホ密会を目撃した──。【後編につづく】

 

**********NEWSポストセブン2025.09.24 16:59

【ご休憩3時間5700円】前橋・42歳女性市長に部下の市幹部と“連日ラブホ”のワケを直撃取材 “ラブホ経費”約5万円は「(市長が)すべて私費で払っています」

群馬県前橋市の小川晶市長(42)が部下とラブホテルに訪れていることがわかった(左・Facebookより)↑

 保守王国・群馬県県都である前橋市の“新しい風”として昨年2月から市長を務めている小川晶氏(42)に浮上した“ラブホ密会疑惑”。彼女が、部下の市役所男性幹部・X氏と頻繁にラブホテルを訪れていたことがわかった。9月24日、小川市長は臨時の記者会見を開き、ラブホを訪れたことは認めたうえで「相談に乗ってもらっていた」「男女の関係はありませんが、誤解を招く軽率な行動で、反省しています」と釈明した(※)。群馬県に猛烈な大雨が降り注ぎ、気象庁が「記録的短時間大雨情報」を発表した9月10日にも、彼女の身はラブホテルにあった。

 9月16日、取材班が改めて現地取材をしたところ、この日も小川市長はX氏とラブホテルへ入っていった。小川市長は独身だが、部下のX氏は妻帯者である。翌日、当人に話を聞くために市役所へ向かったところ、小川市長が職員らしき人物と笑顔で談笑しながら出てきた。

 その後、公用車に乗りこみ10分弱。帰宅ラッシュに巻き込まれながら、わずか500メートル先の薄暗い路地で降車した。市長はメガネやマスクなどを身につけ、乗車時の雰囲気と変わっていた。

 公用車から降りた市長は何度も振り返っており、周囲の目を気にしているようにも見える。そうして着いた先は数十メートル先の市営の立体駐車場。市長が近づくと、男性が高級外車から降り後部座席のドアを開けた。例のX氏だ。市長は流れるように車に乗り込んだ。

 2人を乗せた車は、コンビニに立ち寄ったあと、向かった先はまたもやラブホテルだった。これで2日連続になる。

 低層階でそれぞれの部屋ごとに駐車スペースがあるタイプのホテルで、彼女らがよく利用している“定宿”だ。車は休憩3時間5700円の「203号室」前の駐車スペースに停車した。まずX氏だけが車を降り、周囲を用心深く確認。後部座席のドアを開け、その中から出てきた市長が先に部屋の中へと入っていった。

 約2時間半後──部屋から出てきたのはX氏だ。市長は後ろから隠れるように出てきて、男性がドアを開けた後部座席に滑り込むように乗り込んだ。

 午後10時前、市長の自宅についた2人。そこで記者が声をかけたところ、運転席に座るX氏が窓を開けた。後部座席では、市長は突っ伏して顔が見えないようにしていた。

「Xさんと市長ですね」と尋ねると、X氏は「はい」と返答した。記者が経緯などについて尋ねると、ホテルに複数回行っていたことは認めつつ、男女関係については明言を避けた。

 記者とX氏がやり取りをする間、小川市長は後部座席で顔を伏せ、問いかけには一切応じなかった。「一言だけでもいただけませんか」と問うたが、X氏が「ちょっとまだ(市長は)動揺しているので……」と庇う様子を見せた。

 デリケートな問題ゆえ市の広報窓口への取材ではなく、あらためて2人に7~9月の計9回について、ラブホ訪問の日付を添えたうえでメールで直接質問を送ると、小川市長とX氏からそれぞれ回答があった。

↑「ラブホテル代は私費で支払っている」と回答↑

 市長もX氏も「ホテルに行ったことは間違いありません」などと認め、また、市長はX氏が妻帯者であることについては「知っています」と回答した。

 X氏は、ホテルに行ったことは認めた上で「男女としての一線は超えてはおりません。ただ、客観的に見れば、場所が場所だけに、疑われても仕方ないと思います」と不貞行為については否定している。

 男女の関係がないなかで、なぜ頻繁にラブホテルを利用しているのか。市長はこう説明した。

「X氏にはプライベートでも仕事に関する相談や打合せにのってもらっていました。2月頃までは飲食店やカラオケボックスで話をしていましたが、周りの目があり、仕事の具体的な会話もできないことから、人目を気にせず話ができるところということで、(X氏から)ホテルはどうかと提案を受けたものです」

 X氏も「2月頃まではカラオケボックスで相談をしておりましたが、やはり人目があるということで、受付など人との対面を避けて密室となるホテルを提案いたしました。この判断が軽率であり思慮が浅かったと反省しております」と回答している。

 一般的にいえば、ラブホテルの利用は性行為があったと強く推認され、不倫をめぐる訴訟などでもホテルを2人で出入りする写真は強力な証拠になる。男女トラブルに詳しい桜井祐子弁護士はこう解説する。

「不倫をした人が自身のパートナーや相手のパートナーから不貞の法的責任を問われた際に、いわゆるラブホテルに2人で入った証拠を押さえられつつも『性的な行為はなかった』と主張することはあります。しかし、いわゆるラブホテルは、男女の逢瀬を用途とするものという社会常識からして、裁判で『性的関係はなかった』という言い逃れが認められるケースは稀です。今回のように、2か月という短期間で9回と回数を重ねている場合だと、そういった主張はより説得力に欠けると言わざるを得ません。もちろん、『性的行為ではない、そこでしかできない何かをしていた』ことを裏付ける決定的な証拠などがあれば別ですが、そのようなケースは極めて稀です」

 2人はラブホテルを利用する際「3時間の休憩」で入ることが多かった。たびたび利用しているラブホでは、1回5300〜5700円程度。7月から9月までの他のホテルでの利用分も含めた計9回で5万円程度になる計算だ。ホテル代については、市長は「すべて私が私費で支払っています」と答えた。

「仕事に関する相談や打合せ」だったから、“経費”は上司である市長が支払ったということだろうか。

 そうなると、公用車の扱いに疑問が残る。

↑なぜ頻繁にラブホテルを利用していたのか↑

 市長はX氏との待ち合わせ場所近くまで公用車で向かっていた。取材に対して市長は、「プライベートの飲み会などに参加する場合も目的地まで公用車で移動する扱いになっています」と回答している。ラブホテルで「仕事に関する相談や打合せ」をしていたなら、なぜそこまで公用車で向かわなかったのだろうか。逆にプライベートな行動だとすると、ラブホに行く男性幹部と落ち合うまでに公用車を使っていたことには市民から疑問の声が上がるだろう。

 2人がラブホ密会していた8月12日(火)は平日で、勤務時間中と考えられる時間帯での入室だったが、それについてはX氏は「私が有給休暇を取り、市長の私的な相談に応じておりました」と説明した。お盆の時期だから有休を取得していたのは不思議ではないが、市長は平日夜や土曜に加えて、男性が有休を取得した平日の日中まで2人きりの相談をしているようだ。

 群馬県内で災害級の大雨が降っていた9月10日の密会についてはどう考えているのだろうか。

「常に連絡の取れる体制をとっていました。警報が発令されると危機管理監を本部長とする災害警戒本部が設置されますが、9月10日はその段階ではなかったので、通常時と同様に常に連絡の取れる体制をとっていた次第です」(市長の回答)

 平日、週末、お盆休み……市長による「仕事の相談」をラブホテルで繰り返し受けてきたX氏。市長と、彼女の部下にあたるX氏には権力勾配がある。X氏に「市長からの誘いを断れなかったのではないか」と尋ねたが、「そのようなことはありません」と否定した。あくまで“合意の上でのラブホ相談”だったとのことだ。

 市役所に公用車の取扱いについて取材したところ、以下のように回答した。

「基本的には市役所から市長自宅、もしくは公務場所経由の自宅となり、プライベートでの途中下車は規定では認められていません。基本的には、急遽公務などで打ち合わせなどが入った際にも、途中下車の際には秘書課に伝えていると思いますが、そこは秘書課に確認頂きたいと思います。今まで、市長において規定違反はないと認識しております」

 市長交際費の支出状況を数十円単位まで細かく市の公式サイトでオープンにしている小川市長。公用車の扱いを含めて、なぜ妻帯者の部下と繰り返しラブホで打ち合わせする必要があったのか、それは果たして公務なのかプライベートなのか、説明を求められそうだ。

※9月24日、小川市長が緊急会見を開いて釈明した内容を加筆しました(9月24日 21:40)

**********

 

■上記の記事を発端に、9月25日は一日中、新聞、テレビやネット上で、群馬県内のみならず、全国規模でこのニュースでもちきりでした。いくつかの報道記事を見てみましょう。

 

**********FNNプライムオンライン2025年9月25日12:25

「男女の関係ありません…」既婚男性とのラブホテル訪問報じられた小川晶前橋市長(42)不倫否定も10回以上のホテル密会認める…公用車は使用も

 群馬県前橋市の小川晶市長(42)は24日、市職員の男性と2人で複数回にわたってホテルを訪れたとする報道を受けて臨時の記者会見を開き、「男女の関係はありませんが、誤解を招く軽率な行動で、深く反省している」と謝罪した。2人でホテルを訪れた点は認めたが、訪問目的は相談や打ち合わせと釈明した。

 小川市長は大学卒業後弁護士として活動し、2011年に群馬県議選で初当選。4期目の途中で辞職し、2024年2月の前橋市長選挙で当選した。

 WEBメディア「NEWSポストセブン」は24日、小川市長が市の幹部職員の既婚男性とラブホテルに通い、男性と合流するまでに公用車を使っていたなどと報じていた。

★ラブホテル会合認め謝罪も男女関係否定★

 小川市長は24日夜に会見し、冒頭で報道について、「市民の皆様、職員の皆様、そして、巻き込んでしまった職員とそのご家族の皆様に多大なるご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫びを申し上げます。誠に申し訳ありませんでした」と謝罪した。

 その上で、「報道にあります通り。私が特定の職員と複数回ホテルに行ったことは、間違いがありません」と、男性と2人で複数回ホテルに行ったことは認めた。

 そして、「男女の関係はありませんが、誤解を招く軽率な行動であったことを深く反省しています。当該職員には、公私にわたる相談に乗ってもらっていました」弁明した。

 職員の男性については、「特別職や他の職員には言えないような悩みもあり、一番にコミュニケーションをとっていた人物」と説明。

★なぜラブホテルで?★

 ホテルで会っていた理由について小川市長は、「日中は公務等があって話す時間もなかなか取れないので、プライベートの時間に飲食店や、カラオケボックスなどで相談をしていました。しかし、飲食店やカラオケボックスなどでは周りの目があり、具体的な会話が制限されることから、もっと安心して話ができるところはないか、ということでホテルはどうだろう?という話になりました。飲食店にいてもカラオケに行っても、コンビニや道路を歩いていても、必ず誰かしらに合うので、誰の目も気にしなくて、何でも相談ができる場所という判断でした」と話した。

 そしてホテルの中での行為については、「ホテルには食事を持ち込み、夕飯を食べながら、相談や打ち合わせをしていました」と主張した。

 その上で、「今回の件について、原因は、私の人間的な未熟さ、公人としての自覚が足りなかったことにあると考えております」と反省の弁を述べた。

 

**********週刊女性PRIME 2025年9月25日16:46

《前橋》「我々職員も詳細を知らない」秘書課・職員課は大混乱!市役所の「会議室」の数を聞いた

↑小川晶前橋市市長(前橋市公式YouTubeより)↑

 9月24日の夜、緊急会見を開いた群馬県前橋市の小川晶市長。市長は今年2月ごろから、市の男性職員とホテルで“打ち合わせ”をしていたと一部で報じられたが、これを認め、謝罪を行った。

前橋市長の既婚部下ホテル密会★

「市長はこれまで10回以上もホテル打ち合わせを行ったことを認めましたが、男女の関係は否定。この男性職員には公私に渡る相談に乗ってもらったそうです。

 会見では、男女関係がなかったという無茶苦茶な言い分を突っ込まれましたが、市長は“なんかその通りとしか言いようがない”としつつ、“本当に考えが足らない判断だった”と反省の弁を述べていました。自身は未婚の身ですが、お相手の男性職員は既婚者。信頼を取り戻すのは難しいでしょうし、辞任は免れないと思います」(全国紙社会部記者、以下同)

 ホテルの滞在時間は平日、休日ともに2〜3時間程度だったという。この報道に対し、ネット上では、

《どんな相談やねん》

《私費か・・・・・でも原資は税金》

《いやいや男女の関係は無いって無理あるでしょ 相手の奥さん絶対信じて無いって》

 という意見が上がる一方で、

前橋市の会議室でもいいでしょ。コレで乗り切れるはずない》

《市長室で打ち合わせできる気がする…》

《あの…前橋市って会議室とかないんですか?》

《何のために市長室が役所内にあるのかね 仕事の部屋はちゃんとあるのに》

 などのコメントが散見された。

「市長は“安心して話ができる場所”としてホテルを選んだと釈明していました。会見中、会議室でよかったのではという質問が飛んだ際は、特定の職員と長時間いることをどう思われるかを気にしていたとし、自身が泣いてしまったり、感情的になることもあり、そうした姿を見られたくなかったと説明。ただ、この苦しすぎる弁明を信じる人はいないでしょうね」(前出・全国紙社会部記者)

 前橋市に会議室はいくつあるのだろうか。市に問い合わせてみると、

「市長のいる秘書課には8人が在籍しており、市長室のほかに、市長専用の打ち合わせスペースが1つ、ほかにも応接室のような部屋が2つあります。この会議室は秘書課以外は使用できないことになっています」(前橋市職員課担当者)

 秘書課には問い合わせが殺到しているが、「転送しないでくれ」と言われており、職員課はバタバタだという。

「昨日の記者会見を行う前に、“報道に出るので対応してください”とアナウンスがありましたが、我々職員も詳細を知らない状況です。報道が出たのが昨日の夕方。業務時間外でしたが、午前中までですでに50件〜100件程度のお問い合わせをいただいております」(前出・前橋市職員課担当者)

 市民や市の職員を混乱に陥れた市長と該当職員。厳しい処罰が待っていることだろう。

**********

 

■上記の報道記事を読むと、今回の小川市長と部下の幹部職員の会議場所について「なぜ、ラブホテルでなければならないのか?」「なぜ、市役所内にたくさんある会議室での相対での打ち合わせでは都合が悪かったのか?」というポイントが浮き彫りになります。

 

 ここで当会が思い出したのが、前橋市役所のすぐ目の前にある群馬県庁で起きた、13~14年前の出来事です。それは、当時の群馬県知事が、愛人の元群銀の行員(その後、県議会事務局に転職したあと、最終的に大澤知事が理事長を務める社会福祉法人明光会特養ホーム清和荘の経理部門に転職)と、当時の副知事公舎を舞台に、毎週末逢瀬を重ねていた不倫事件です。

 

 この時の当会の活動は、このブログの過去ログで詳しく紹介しておりますので、時間があったら閲覧いただけると幸いです。

○2011年07月13日:首長に再選されたばかりなのに週刊誌のカモにされた我らが大沢群馬県知事の全国的スキャンダルの波紋

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/e6184a5d7b6f46c872fee7082ac4ac84

○2011年07月14日:注目の大沢不倫知事の釈明記者会見・・・「愛人関係」の「意味が分からない」で親族の心中やいかに

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/bb3e41aae47360ee3adaedcdcb92a63c

○2011年07月21日:ホテル代をケチって知事公舎に愛人を泊めていた「慶応ボーイ」知事に女性をはじめ県民から非難轟々

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/6e4e8a9b2d112c57851451c916ec3d98

○2011年07月23日:大沢知事が週末に彼女と業務打合せをしていた知事公舎の内部の使われ方と外部からの見られ方

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/734a07bfe40e6b7574539e307c80b2d7

○2011年07月26日:7月30日(土)と31日(日)の朝9時~11時まで知事公舎の特別見学会開催を大沢知事に依頼

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/0b230ca03d4c759a17d6e617a8777f38

○2011年07月30日:週に1、2回しか使わない知事公舎の県民視察会を拒否した大沢知事【30・31日の知事公舎見学会は中止】↓

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/4b4d5f45e4bd7f3a27a2af49ae4b07c5

○2011年08月04日:群馬県知事公舎を舞台にした女性宿泊問題について大澤正明知事がオンブズマンの公開質問状へ回答

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/56e8a95988c8b75ac51589a2bd83d11c

○2011年10月21日:大澤知事の公舎不正使用について、本日午後2時に請求資料が情報開示されます

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/0884454e4fa3f0b8f1f88ad1ab1efdde

○2011年11月01日:知事公舎のあり方検討委員会による報告書で、いよいよ知事公舎の県民公開への道がひらかれる?

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/fefecaa05f2bedff747ee48f6fb05821

○2011年11月05日:知事公舎の見学会を11月24日と25日に開催するよう大澤正明知事に申し入れた市民オンブズマン群馬

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/7d85c1f4eee21712468e1fe84c0880d4

○2011年11月07日:群馬県知事公舎に関する2840枚の開示資料を鋭意分析中(その1)

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/f93de3d37258c4f46dfa2ee1236048e1

○2011年11月07日:群馬県知事公舎に関する2840枚の開示資料を鋭意分析中(その2)

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/2907b8d99238676fccb3098dda0721d1

○2011年11月07日:群馬県知事公舎に関する2840枚の開示資料を鋭意分析中(その3)

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/0034c16b2ce59f81073c575a955661b9

○2011年11月07日:群馬県知事公舎に関する2840枚の開示資料を鋭意分析中(その4)

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/a1cdb31f1576cc89a27936b5392b4e66

○2011年11月11日:3度に亘る知事公舎見学会依頼に対し、またもや警備上の問題を理由に拒否した大澤知事と管財課

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/a39909a19163d132bba152cf19ef65b0

○2012年03月01日:知事公舎目的外使用問題で、公開質問状と県民特別見学会開催依頼に対する大澤知事からの回答書

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/7e2dabd76fa6f0acb2425eebdc489da7

○2012年03月17日:第2、第3の大澤知事女性宿泊事件を防ぎ全国の公舎ラブホテル化を抑止すべく住民監査請求補正書を提出

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/caa9857398e8d23eba2e37d2ba8959ca

○2012年05月03日:知事がホテル代をケチり知事公舎に愛人を泊めても税金のムダ遣いではないと認めた群馬県監査委員

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/bd27647e05793b0dc5ebf987128c525b

○2012年06月02日:知事公舎をラブホテル代わりにした群馬県大澤知事に利用料等返還を求め住民訴訟を提起(その1)

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/fd9e42ec518c49fbb348679dc5d1b826

○2012年06月03日:知事公舎をラブホテル代わりにした群馬県大澤知事に利用料等返還を求め住民訴訟を提起(その2)

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/d09ed7eabd2fba4af94f466357840f3c

○2012年06月07日:大澤知事の知事公舎ラブホ化事件の第1回口頭弁論が7月11日(水)午前11時に前橋地裁で予定

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/43f81eced928c596ae8ba9a6582bcbdd

○2012年06月27日:知事公舎ラブホテル化損害賠償裁判の第1回口頭弁論まで、あと2週間!

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/4918d1d46e6fbde081556eae9a9d422d

○2012年07月07日:知事公舎の愛人宿泊と違法改修等無断支出問題の住民訴訟で、争う姿勢を見せた群馬県知事からの答弁書

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/ac36a77b1e9d9118e8516310821db2d5

○2012年07月11日:知事公舎がラブホテルとして利用されていたと裁判所も認識していた大澤知事愛人公舎宿泊事件の第1回弁論

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/fc96269fee631356288bc5fcce5a2ba0

○2012年07月20日最近の週刊文春の不倫スクープ記事と、1年前の群馬県知事の不倫スクープの比較と分析

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/39703f4d36f580c73abfb3ea3ff72331

○2012年09月14日:【速報】来週の9月19日の第2回口頭弁論直前に、被告大澤知事から準備書面と大量の乙号証が届く!

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/7d0eac44f94859f32aa706d82c69d55f

○2012年09月19日:ラブホテル化というより妾宅化…語彙の豊富さに感嘆の声が上がった大澤知事公舎女性宿泊住民訴訟第2回弁論

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/206375a149e50d226097e29cf28299b7

○2012年09月20日住民訴訟を受けて一刻も早く知事公舎を解体し更地化して前橋市に売りつけたい群馬県管財課の思惑と焦り

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/119226660f3d49ba7cf88a1a34cb2fd1

○2012年09月21日:大澤知事の知事公舎目的外使用に深刻な影響を被りかねない前橋カトリック教会の倫理と桃井小学校の道徳

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/0d0e7e1209e4599bde55511137fc1e23

○2012年10月28日:大澤知事が知事公舎に愛人をお泊まりさせていた事件の第3回口頭弁論まであと3日

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/1e04209dca8e7c49b2c3a7d4ae93f230

○2012年10月29日:知事の不倫現場の証拠隠滅を前橋市に押し付けた群馬県知事と管財課が住民訴訟の場でも駆使する二枚舌

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/96c31764a8126e15a372d76017187116

○2012年10月30日:大澤知事が愛人を知事公舎に宿泊させた公舎妾宅化事件の第3回口頭弁論に向けた原告住民らの準備書面(4)

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/570ab16e50aa41df659bc7ad73f776be

○2012年10月31日:大澤知事が愛人を知事公舎に宿泊させた公舎妾宅化事件の第3回口頭弁論に向けた被告群馬県準備書面(2)

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/b958c46a161722f93482e9c39d6f883f

○2012年11月01日:次回12月26日の第4回弁論で結審か・・・大澤知事の公舎愛人宿泊による知事公舎妾宅化事件

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/f092014504102424bb0fe525f12e1fdb

○2012年11月13日:大澤知事の知事公舎女性宿泊問題に関する昨年7月13日以降の記者会見の内容を検証する(その1)

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/58d56feb6d504e4bb24ca069da238944

○2012年11月14日:大澤知事の知事公舎女性宿泊問題に関する昨年7月13日以降の記者会見の内容を検証する(その2)↓

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/79a954830e0e4d77598d2df870e53baf

○2012年11月16日:公舎ラブホテル裁判が12月26日結審?なのに県民への情報開示を更に1週間も遅らせた県管財課の思惑

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/76b39a6aa42f2d079fe1e5ac3f9c0212

○2012年11月23日:公舎に愛人を連れ込んで妾宅化したのが県総務部とグルだったことを確認すべく大澤知事宛てに公開質問状提出

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/f97e2f9319f6da422b6e5955d28b622a

○2012年11月27日:不倫騒動に見る日米の違い

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/2a945ef6e1a218904e944ffc74580630

○2012年12月07日:知事・大澤に妾宅化公舎(=公営ラブホテル)を提供した群馬県知事が公開質問状に対して回答拒否

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/f7e93aebdf4159779633e93f4ff5bec6

○2012年12月18日:妾宅化公舎(=公営ラブホテル)を自らに提供した群馬県知事がオンブズマンの公開質問状にまたもや回答拒否

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/9aa2589b7a7cbe195e61e60eb6338d7f

○2012年12月28日:群馬県知事が不倫相手と公舎で同居し妾宅化していた事件の住民訴訟が12月26日結審!(その1)

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/da97c9022e77af1bec16d67616806a12

○2012年12月29日:群馬県知事が不倫相手と公舎で同居し妾宅化していた事件の住民訴訟が12月26日結審!(その2)

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/590c4d302d63e92dc38459a7a7bc50ee

○2012年12月29日:群馬県知事が不倫相手と公舎で同居し妾宅化していた事件の住民訴訟が結審!判決は2月27日!(その3)

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/21f9d678130eb3a97fcf56ef9686e41f

○2013年03月12日:大澤知事の副知事公舎妾宅化損害賠償請求の裁判の一審敗訴を受けて、本日東京高裁へ控訴状を提出

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/9293d8ed72dc9f159e8e7ed090348ca7

○2013年03月18日:ハレンチ知事・大澤の公舎目的外使用問題で控訴理由書の策定作業を進める市民オンブズマン群馬

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/825b34a33f5b12ffcd45ac4bf0abd96a

○2013年05月28日:公舎を妾宅化して愛人と宿泊していた知事大澤が6月4日の東京高裁控訴審を前に答弁書を提出

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/6209b713cd837840e0403ba805014ee6

○2013年05月30日:公舎を妾宅化して愛人と宿泊していた知事大澤の答弁書に対しオンブズマンが反論の準備書面提出

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/40077135e3d82d6e2f65e7e6254ec83a

○2013年06月04日:知事公舎不倫事件の控訴審で、証人尋問の必要性について裁判長に「無し」と答えた知事・大澤の反省度

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/a541369dffef0cbc3eda76134fcdc28a

○2013年08月11日:首長である知事・大澤におもねるあまり愛人との公舎での同居を推進した群馬県総務部の呆れた体質

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/b6394fe795ff6ebd9345f124b9c792b8

○2013年08月07日:2年前に知事公舎での不倫がバレてオンブズマンが提訴した二審判決を2日後に控え知事が広報にノー天気記事

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/968901e9a1a42c9acddf5e9d1afbdbc7

○2013年08月10日:公舎に単身入居し年間30回愛人とお泊まりしても不正ではないと公務員福祉厚生に画期的判断を示した東京高裁

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/75257379cc60fcbaf8e39d2fcff39660

○2013年09月30日:群馬県知事・大澤正明が知事公舎を妾宅化していた事件でオンブズマンが上告理由書等を最高裁に提出

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/645229ee8d89f825ec60768bddc706ce

○2013年11月16日:群馬県知事公舎妾宅化損害賠償事件の上告で、最高裁から記録到着通知がオンブズマンに届く

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/c02c11a647a934b69ba12c91ef653adc

○2013年12月23日:大澤知事の知事公舎愛人連れ込みによる目的外使用事件で最高裁第一小法廷から棄却通知

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/34690c4b7e0474deb16355913d2856f5

○2014年03月21日:知事公舎への愛人お泊りは同居ではないから目的外使用ではなく規則訂正も不要と明言した群馬県のモラル

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/2014/03/21/092800

 

■大澤前知事の一連の不倫騒動の顛末のうち、副知事公舎の取扱いについて、群馬県前橋市に相談していた経緯が、次のブログ記事で紹介してあります。

 

○2012年09月20日住民訴訟を受けて一刻も早く知事公舎を解体し更地化して前橋市に売りつけたい群馬県管財課の思惑と焦り

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/119226660f3d49ba7cf88a1a34cb2fd1

 

 当時からすでに、群馬県知事は、この生々しい不倫現場である副知事公舎を早期に解体して、「忌まわしい」痕跡を消し去り、前橋市に売り払ほうと画策していたことが分かります。

 

 事実、いつの時期だった確認できていませんが、この旧副知事公舎を、群馬県前橋市と等価交換の形で、前橋市に譲渡していることを、先日、当会は群馬県資産活用課との雑談で知りました。

 

 すなわち、前橋市は、大澤正明前知事が愛人と宿泊を伴う場所として使用していた実績のある施設を、かなり以前から取得していたわけです。

 

 そして、この施設を、ラブホテル代わりに使用することは、群馬県公舎管理規則に違反していないことを、最高裁も認め、お墨付きが与えられており、前橋市の一般公務員も特別職も、ここをラブホテル代わりに使用しても、何ら法的な制限を受けなくて済むわけです。

 

 であれば、なぜ前橋市はこの旧副知事公舎を、小川晶市長が就任した2024年2月の時点で、既に群馬県から等価交換で譲渡されていたのであれば、直ちに「市長公邸」として整備しなかったのでしょうか。

 

 仮に、ここを前橋市長の公邸として使っていれば、小川晶市長が、部下の男性幹部職員と、宿泊を伴う滞在をしても、それは公務として世間も容易に理解することでしょう。

 

■このように、役人にとって、福利厚生に役立つ施設を群馬県から入手したにもかかわらず、これまで全く活用してきませんでした。それどころか、今月9月5日に、この旧副知事公舎の解体工事の入札を執行した可能性すらあります。

 

 今からでも遅くありません。今回の騒動で深く心を痛めた小川晶市長の為に、速やかに解体工事の計画を凍結し、その予算で旧副知事公舎を整備し、今後、小川市長に安心して公務に励んでもらえるようにすることが、前橋市民、ひいては県都前橋を抱く我々オンブズマンを含め群馬県民にとっても、あるべき方向なのではないでしょうか。

 

■最後に、これも当会のブログ記事からの引用です。

 

○2012年11月27日:不倫騒動に見る日米の違い

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/2a945ef6e1a218904e944ffc74580630

 

 この記事の中で、英BBCは性的スキャンダルで受けるダメージを少しでも軽減させる方法として次の心得を挙げています。

(1)否定するより、できるだけ早く非を認めて謝る

(2)政治と私生活は別という昔の不文律は適用されない

(3)スキャンダルが発覚する時期次第では生き残れる

 

 小川市長を守るべき立場の側近の市職員が、今回の騒動では、足を引っ張ってしまう結果を招いてしまいました。上記のBBCの提唱する心得を参考に、前橋市として、公務員の不倫行為という永遠の命題ともいうべき課題への対応策として、旧副知事公舎を大切に利活用することを、当会として強く推奨いたします。

 

【9/29追記】

 当会は本日、以下の内容の上申書を前橋市長(担当部署:資産経営課)宛にFAXで提出しました。

**********

                         令和7年9月29日

前橋市長 小川 晶 様

(写し 総務部秘書広報課・財務部資産経営課)

 

            〒371-0801 群馬県前橋市文京町 1 丁目 15 番 10 号

            市民オンブズマン群馬 代表 小川 賢

            TEL: 090-5302-8312(代表・小川)

            FAX: 027-224-6624(事務局)

 

旧副知事公舎の解体工事契約即時撤回及び

市長公舎としての利活用について(上申書)

 

拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 この度の一連の騒動について、報道等から浮き彫りになったこととして、

 ① 周囲を気にせずに安心して相談ができる場所が庁内にはない。

 ② かといって、カラオケや居酒屋などでは、周りの目が気になる。

 ③ 防災危機管理の対応で、いつでも連絡が取れる態勢整備の必要がある。

などが課題として挙げられています。

 このため、再発防止の観点から、市長公舎の整備が緊急に必要と考えます。幸い、前橋市は、昨年から群馬県との間で、土地の有効活用の観点から固定資産の等価交換について協議を続けてきております。その結果、今年7月に旧副知事公舎を前橋市が県から取得したことを、担当部局からお聞きしました。この旧副知事公舎は、いまから13年前まで、群馬県知事や副知事が使用してきたもので、樹木や芝生に囲まれ、周辺にはブロック塀やかさ上げした板塀がはりめぐらされており、SECOM 経由警察とのホットラインも敷かれており治安体制も万全でした。

 13年前に、旧副知事公舎を巡る当時の群馬県知事の不祥事件の発覚が起き、知事はここを退去しましたが、群馬県はその後も、東京の霞ケ関から赴任した副知事にここを官舎として提供していましたが、ここ10年余りはまったく手入れが為されないまま、つい先日、前橋市の所有に至りました。

 担当部署によると、旧副知事公舎の現況は、雨漏りなどで内部は黒カビが発生し、老朽化が著しいとのことで、9月5日に解体工事の入札を行い、はやければ10月中に解体工事に着手するとのことです。

 当会としては、解体工事に要する費用と、改修工事に必要な費用を比較衡量すれば、更地にして公用車の駐車場にするよりも、改修工事を施し市長公舎として利活用することが、市長の公務が円滑に執行できる体制づくりの為にも、最適な方策であると確信するものであります。

 ちなみに、市長公舎を整備している自治体として、横浜市大阪市広島市四万十市周南市などがあります。

 そして何よりも、最高裁は「公社管理規則において、配偶者以外の異性(ママ:正しくは「家族以外」)と宿泊をともなう滞在をしても、それは同居とはみなされない」とする東京高裁の判決を支持しており、前橋市にとって市長公舎を整備することは、市政の円滑化・安定化にとっても最重要な施策であると思料します。

 よって、直ちに解体工事契約を撤回し、その費用を復旧工事に回すことにより、今回の騒動の再発防止が担保していただきたく、この上申書をもって、ご英断を仰ぐ次第です。

 なお、この上申書に記した確認事項に関して、公務ご多忙のところ恐縮ですが、10月3日(金)午後5時までに貴殿の見解を FAX にて弊団体事務局あてにご通知賜れれば幸いです。

 また、当会として、旧副知事公舎の現在の状態を把握すべく、10月6日以降、内部の視察の機会の提供を関係部署に申し入れており、こちらについて も、ご承諾賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 

                                 敬具

**********

 

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

【安中市と台南市が友好交流関係に!】市長台南訪問で今後問われる安中市側の本気度

■これまで、台湾からのインバウンド客の誘致に、観光コンサルタント業者などを起用してあの手この手で知恵を絞って来た感のある安中市ですが、青天の霹靂とも言うべき出来事が起きました。

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/a09d20ac683981624bd483c27c4eb7eb

 

 令和7年8月20日に突然次の記者発表を行ったからです。

 

*****安中市HP*****

www.city.annaka.lg.jp/uploaded/attachment/17874.pdf

市長の台湾訪問について

 

 本市における都市交流の推進を図るため、安中市長が台湾台南市を訪問します。訪問先では、台南市の黄 偉哲(こう       いてつ)市長と懇談するほか、市内の視察、関係者との意見交換も予定しております。日程等の詳細は、下記のとおりです。

 

                記

 

1.目 的 都市間交流の推進を図るため、安中市台南市の相互連携が可能な分野についての意見交換、協議を行います。併せて、市内の視察も行い、本市の施策の推進に繋げます。

 

2.日 程 8月28日(木)から30日(土)

      8月28日(木)日本出国。「台湾台南市」到着。

      8月29日(金)台湾台南市役所訪問。黄 偉哲市長と懇談。台南市内視察。

      8月30日(土)台南市内視察。「台南市出発」。日本到着。

 

3.訪問者  安中市長 岩井 均

       企画政策部長(随行

 

                       以 上

         【問い併せせ】

         企画政策部 政策・デジタル推進課政策・デジタル推進係

           TEL027-382-1111(ない左縁1022)

**********

 

 この記者発表を受けて、マスコミ各紙も早速紙面で報じました。

 

**********群馬テレビ2025年8月22日

友好交流協定の締結へ 群馬・安中市 岩井市長が台南市を訪問

 

友好交流協定の締結へ 群馬・安中市 岩井市長が台南市を訪問© 群馬テレビ

YouTubeで動画を見る↓

https://www.youtube.com/watch?v=s2GisM9DCcg&feature=youtu.be

 安中市岩井市長は、今月28日から台湾の台南市を訪問すると発表しました。友好交流協定の締結に向けた覚書を交わします。

 安中市と台湾の台南市はこれまで民間団体の交流があり、観光振興や経済活性化を目的に、行政としての連携が新たに検討されていました。

 岩井市長は今月28日から30日まで台南市を訪問し、29日に台南市の黄偉哲市長と懇談し、観光や農作物などを通した交流の促進などの覚書を交わすということです。安中市では、来年度以降の友好交流協定の締結を目指していて、締結されれば、みなかみ町に次いで、県内2例目となります。

**********

 

 上記の記事によると、今回の岩井市長の台南市訪問の背景には民間団体の存在がうかがえます。その団体とは、地元のライオンズクラブであることがわかります。

 

**********安中市HP 025年3月29日

【市長の部屋】

令和7年3月29日(土曜日)碓氷安中ライオンズクラブ(LC)結成55周年記念式典及び祝賀会

 岩井市長は「碓氷安中ライオンズクラブ(LC)結成55周年記念式典および祝賀会」に出席しました。碓氷安中LCの皆様は、55周年記念事業として、碓氷峠の旧国道18号熊ノ平駐車場に唱歌「紅葉」の歌碑を寄贈していただきました。また、碓氷安中Lcと50年来の交流がある台湾の台南市府城LCの皆さんも多数参加されました。府城LC来市の歓迎会も行われ、非常に和やかな会合となりました。

 

**********FB 2025年3月29日

ライオンズクラブ国際協会 333-D地区キャビネット

↑3月29日(土)、碓氷安中ライオンズクラブの55周年記念式典がホテル磯部ガーデンにおいて開催されました。↑

海外の姉妹提携クラブである台湾市府城LCから30名ほどのメンバーも参加され、特に祝宴は結構盛り上がっていました!^_^

台南市府城ライオンズクラブ 謝漢章会長 挨拶>

 大会委員長の大山謹司会長、ライオンズクラブの会員、そして、ご出席の皆様、こんばんは。

 親愛なるブラザークラブである碓氷安中ライオンズクラブの55周年記念式典にあたり、台南市府城ライオンズクラブの代表として、心よりお慶び申し上げます。碓氷安中ライオンズクラブは1974年に台南市府城ライオンズクラブとブラザークラブの関係を結んで以来、今季で50年になりました。両会の結び付きは、兄弟のように固いもので、それは貴会の氷見実元会長及び松本廣幸元会長のご尽力の賜物であります。

 碓氷安中ライオンズクラブは、歴代の会長及び現在の大山遠司会長の元、毎年333-D地区におかれましては、素晴らしい功績を挙げておられます。今年も大山会長のリーダーシップの下、必ずや輝かしい足跡を残してくれると信じております。

 我々は、社会奉仕活動に向けて、ライオンズクラブ国際協会の「We-Serve(我々は奉仕する)」を理念に行動し続け、国際交流の促進、ブラザークラブの交流についてもいっそうの発展を望んでいるところであります。今後も変わらぬご交流を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 むすびにかえまして、私は台南市府城ライオンズクラブを代表して、本日の記念式典が盛大に開催されますことを心からお慶び申し上げます。碓氷安中ライオンズクラブにおかれましては、ますますのご発展をお祈り申し上げます。ライオンズクラブの会員、そして、ご出席の皆様のご健康とご多幸を祈念しまして、私のお祝いの言葉をさせていだきます。本日は誠におめでとうございます。

**********

 

 また、碓氷安中ライオンズクラブでは、この5日前に、55周年記念として、碓氷峠に歌碑を設置したことが報じられています。

 

**********上毛新聞2025年3月24日06:00

唱歌『紅葉』の誕生地と知って」 群馬・安中市の旧熊ノ平駅近くに歌碑設置 周辺の紅葉の美しさが作詞家を魅了

 唱歌「紅葉(もみじ)」の舞台として知られる群馬県安中市松井田町の旧熊ノ平駅近くの熊ノ平駐車場に歌詞を刻んだ歌碑が設置され、23日に除幕式が行われた=写真。結成55周年記念事業として碑を建てた碓氷安中ライオンズクラブのメンバーや関係者ら25人が完成を祝った。

 「紅葉」は長野県出身の作詞家、高野辰之が碓氷峠の旧信越線熊ノ平駅周辺の紅葉の美しさに感動して作詞したとされる。

 同駅周辺は新緑や紅葉のシーズンを中心に多くの観光客が訪れる。歌碑を通して唱歌の“誕生地”を周知し、観光振興につなげようと設置を決めた。碑は横160センチ、縦88センチの御影石製。

 式典で大山謹司会長は「安中の文化交流や、世界遺産登録を目指す碓氷峠鉄道施設群の周辺整備の一助となることを願う」とあいさつ。岩井均市長は「紅葉の歌詞がここで作られたことを多くの人に知ってほしい。市としても市内外にしっかりとPRしていきたい」と感謝した。

 同クラブは1970年12月に結成。近くの碓氷湖畔にも2009年11月に結成40周年記念事業として「紅葉」の歌碑を設けた。

**********

 

台南市は、かつては、台北、高雄、台中について4番目に大きな都市で、人口は40万人規模だったように記憶していますが、その後、行政区分の再編が繰り返され、近隣地区を次々に併合して、現在は185万人規模となりましたが、台湾の他の市も同様に再編の結果、台南市は現在、新北市台中市高雄市台北市桃園市に次いで人口の順で6位となっています。

 

 台南は、台湾で最初に首都として機能した都市で、歴史的なモニュメントも多数あり、観光地としても、人気の高い場所です。

 

 今や、群馬県の人口に匹敵するくらいに膨張した台南市ですが、人口5万5千人の安中市では、交流相手としてあまりにも格差があることは、一目瞭然です。ちなみに、群馬県は、平成24年(2012年)12月17日に、当時の大澤正明知事が、台湾の彰化縣を、同じく18日に台中市を訪問し、それぞれ経済分野に関する友好協力協定を締結しました。しかし、現在の一太知事になってからは、一度も台湾訪問が実現しておらず、今ではもっぱらベトナム通いが目立っています。

 

 両縣・市とは、2月に大澤知事が訪問して以降、交流が続いてきましたが、その中で培われた信頼関係に基づき互いの地域の発展を目指そうと、観光や農畜産物輸出などの経済分野において、相互に宣伝などに協力しあうことを内容とするものです。

 

群馬県内で、台南市と姉妹(友好)提携を締結しているのはみなかみ町で、2013年12月13日から友好提携関係にあり、安中市はそれに次ぐ2番目の県内自治体となります。

 

 前述のとおり、台湾南部に位置する台南市は人口約185万人で古都として知られており、日本人の人気が高い海外渡航先の台湾の中でも、特に注目を集める都市です。人口約1万8000人のみなかみ町は、人口規模で約100倍の都市と友好都市協定を結んだわけですが、その背景には、みなかみ町が、2013年6月から行ってきた台湾・台南市への町職員の常駐派遣があります。9年間台南市で勤務していた町職員の阿部真行氏は、台湾の行政機関で働く唯一の日本人地方公務員として現地でも注目されており、人口バランスが極端であっても、台南市への町職員派遣という大胆な提案と実効が実を結んだとも言えます。

 

 みなかみ町職員派遣は、阿部真行氏の帰国と共に、2021年度で終了しましたが、今回、安中市が、台南市との友好提携に向けた第一歩が成功した背景には、地元の市民団体のラ碓氷安中ライオンズクラブの功績があったことは既述のとおりです。

 

■一方、安中市は2005年12月16日からカナダ西部のブリティッシュ・コロンビア州のキンバリー市と友好都市提携を結び、その後、少なくとも2014年までは毎年交互に中学生の派遣・受け入れ事業をしてきました。しかし現在、安中市教育委員会事務局のHPには、公立中学校の海外派遣事業に関する記載は見当たりません。実際にどのような交流がなされているのか、調べてみたいと思います。

 

 したがって、みなかみ町が職員を長期間派遣したような、友好提携の絆を維持する方法が安中市台南市との間で、今後、どのような形で進められるのかどうか、がカギとなるわけで、当会としても注視してまいります。

 

岩井市長の台南市訪問については、さっそく現地メディアで報道されました。

 

**********自由時報電子版2025年08月29日18:56

日本安中市長岩井均首訪台南 深化兩市觀光、體育交流

安中市岩井均市長(前排左)拜會台南市長黃偉哲。(台南市政府提供)

〔記者王姝琇/台南報導〕日本群馬縣安中市市長岩井均於今日蒞府拜會台南市長黃偉哲,雙方就兩市觀光、體育、教育等議題深入討論。黃偉哲邀請安中市學生前來台南修學旅行,或進行體育交流等,盼藉此促進兩市間的交流與友誼。

岩井均市長首次到訪台南,代台南市友誼市、群馬縣水上町町長阿部賢一,向黃偉哲市長致意。他介紹,安中市為溫泉符號及日本馬拉松發源地,期望在碓氷安中獅子會及台南府城獅子會50年的民間交流基礎上,兩市展開更深度的交流合作。

黃偉哲向訪賓介紹,台南為台灣第一個城市,去年剛剛度過台南400,擁有豐富的歷史文化底蘊,尤其保有許多保存良好的日式古蹟。他也説,台南有世界三大泥漿溫泉之一的關子嶺溫泉,以及龜丹碳酸溫泉;台南也有台南古都國際半程馬拉松及曾文水庫馬拉松。他十分歡迎未來兩市可以在溫泉、馬拉松等觀光及體育方面,尋求更多交流與合作。

安中市位於日本關東地方、群馬縣西南部,人口約5萬5千人,緊鄰長野縣觀光勝地「輕井澤」。安中市以磯部溫泉、碓冰峠、秋間梅林安政遠足聞名。1974年碓冰安中獅子會與台南市府城獅子會締結為姐妹會,開放兩市間的民間交流。

台南市長黃偉哲向岩井均市長(左4)介紹台南教育旅行。(台南市政府提供)

台南市長黃偉哲致贈劍獅給岩井均市長。(台南市政府提供)

兩市就觀光、體育、教育等議題深入討論。(台南市政府提供)

 

<和訳>

岩井均・安中市長は、両市の観光・スポーツ交流を深めるため、台南市を初めて訪問しました。

・岩井均・安中市長(前列左)は、黄偉哲・台南市長と会談しました。(写真提供:台南市政府)

[王樹秀記者/台南レポート] 岩井均・群馬県安中市長は本日、台南市政府を訪問し、黄偉哲・台南市長と会談しました。両者は、両市の観光、スポーツ、教育について綿密な協議を行いました。黄偉哲市長は、安中市の学生に対し、修学旅行やスポーツ交流のために台南市を訪問するよう招待し、両市の交流と友好関係の促進に期待を示しました。

岩井均市長は初めて台南を訪問し、台南友誼市の群馬県みなかみ町阿部賢一町長にかわり黄維哲市長に挨拶を行いました。岩井市長は、安中市は温泉の象徴であり、日本のマラソン発祥の地であると紹介しました。また、碓氷安中ライオンズクラブと台南府城ライオンズクラブの50年にわたる草の根交流を礎に、両市の交流と協力がさらに深まることを期待すると述べました。黄維哲市長は、昨年400周年を迎えた台湾初の都市である台南は、歴史と文化が豊かで、特に多くの日本の史跡がよく保存されている都市であると紹介しました。さらに、台南には世界三大泥温泉の一つである関子嶺温泉や桂丹炭酸温泉などの見どころがあるとも述べました。また、台南市は台南古都国際ハーフマラソンと曽文ダムマラソンの開催地でもあることに言及し、温泉やマラソンを含む観光・スポーツ分野における両市の今後の交流・協力を心から歓迎すると述べました。

群馬県南西部、関東地方に位置する安中市は、人口約5万5千人で、長野県の人気観光地である軽井沢に隣接しています。安中市磯部温泉碓氷峠秋間梅林、安正登山道などで有名です。1974年、碓氷安中ライオンズクラブ台南市府城ライオンズクラブ姉妹都市提携を結び、両市の地域交流が始まりました。

・黄維哲台南市長が岩井均市長(左から4人目)に台南市の教育観光の取り組みについて説明している。 (写真提供:台南市政府)

・黄偉哲台南市長が岩井均市長に剣獅子を贈呈。(写真提供:台南市政府)

両市は観光、スポーツ、教育について綿密な協議を行った。(写真提供:台南市政府)

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【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

【安中市副市長公用車車検切れ事件】違法運転の副市長らを前橋地検が不起訴処分としたため検察審査会に審査申立中

出典:2023/05/13付読売新聞記事

安中市企画政策部秘書課で管理する副市長用の公用車1台が、車検・保険切れにも関わらず使用していたことが令和6年4月17日に判明しました。しかし、安中市では、車検・保険切れの公用車を運転していた副市長らを処分することなく、現在に至っております。また、安中警察署は、令和6年4月17日に安中市役所から車検・保険切れで公用車を運用していた事実について報告を受けた際、当初、「以後気を付けるように」と口頭で注意しただけでした。

 このため、車検・保険切れの車を運転しても、われわれ一般国民の場合、免許停止など重大な処罰が科せられるのに、役所の職員はいわゆる「上級国民」なのか、という疑問が生じたため、当会では県警本部長あてに2件の告発状を令和6年5月13日に提出しました。1件は、口頭注意しただけの安中署を、もう1件は車検・保険切れ公用車を運転した安中市職員らを被疑者にしました。

 このため、安中署はその後、市役所を訪れて関係者から聴取し、公用車を違法運転した職員らを、令和6年7月26日に前橋地検に送致しました。その際、安中署から当会宛てに、送致した旨の連絡が同年8月6日にありました。

 その後、全く動きもなく、3カ月半が経過しようとした11月20日午前9時54分に当会代表の携帯電話に着信があったことを午前11時に知りました。電話番号にこころあたりがないため、さっそく11時6分に折り返し電話をしてみると、前橋地方検察庁であることが分かりました。

 すると電話に出たのは、ちょうど電話をした本人の検察官のかたでした。そして、「5月13日付で警察に告発された小川さんですね。安中署から7月26日に送致を受けた安中市役所の車検切れ公用車の件で、間もなく通知を出す予定ですが、封筒は前橋地方検察庁のロゴの入ったもので、宛先は告発状の住所でよろしいでしょうか。また、通知文の宛先は市民オンブズマン群馬代表小川賢さんでよろしいでしょうか」と確認を求められました。

 当会代表は「はい、それでかまいません」と答えました。

■ここまでは、当会の次のブログで報告済みです。

○2024年11月20日安中市公用車の車検・保険切れ使用にかかる当会の告発状に関し前橋地検から「数日後に通知」と連絡あり
https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/6d384fbb81ce7be28483a90092403fc6

 

 なお、安中市の車検切れ公用車の違法運行事件については、次のブログ記事を参照ください。

○2024年5月17日:車検切れ公用車を乗り回していた安中市幹部が体現する行政ガバナンス欠如無責任体質の証左
https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/79435ebcb4de5730528a1071d69c659d

 

前橋地検からの封筒は、令和6年12月2日に届きました。

 早速開封すると5枚の文書が入っていました。いずれも、不起訴処分通知書です。

 

 

 

 

 

■当会が証拠を添えて提出した告発状に基づき、安中署がわざわざ捜査をしたのに、なぜ副市長以下、車検・保険切れの車を運転した公務員が不起訴処分となったのでしょうか。不起訴処分の理由を確認するために、当会は、刑事訴訟法第261条に基づき、令和6年12月16日付で、不起訴処分理由告知請求申立書を前橋地検の清田周祐検事宛に提出しました。

 この清田周祐検事は、司法修習期57期で、千葉地検を振り出しに、東京、熊本、新潟、広島、長崎、東京地検立川支部、横浜、そして2024年4月1日に前橋地検に赴任した人物です。

 

 

 

 

 

■すると、令和6年12月25日付で次の文書が前橋地検から送られてきました。

 

 

 

 

 

 

 

前橋地検の清田周祐検事から届いた書面によると、不起訴処分の理由は「嫌疑不十分」ということが分かりました。そうすると、安中署が送致したのに、地検は、なぜ嫌疑不十分という判断をしたのでしょうか。

 「嫌疑不十分」とは、警察や検察が集めた証拠から、犯罪の疑いはあると認められるものの、裁判で有罪とするには証拠が足りないと判断された場合に該当します。検察官が不起訴処分をする際の理由として用いる「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」の一つです。

 なお、「嫌疑なし」は、犯罪の疑いそのものが認められない場合、「起訴猶予」は、証拠や事情はそろっていても情状などを考慮して起訴しない場合です。

■「嫌疑不十分」で不起訴になる可能性がある事例として、たとえば、以下のようなケースがあります。
  ・被害者が加害者を特定できていない
  ・防犯カメラ映像が不鮮明で、顔が確認できない
  ・供述に食い違いが多く、客観的証拠が乏しい

 安中市公用車車検・保険切れ事件では、いずれも当事者は事実関係を認めており、安中市は記者発表で公表もしています。ところが、処分は何も行われていません。そのため当会は、きちんと処分するように安中市に申し入れたのですが、職員課長が「市長にも伝え、口頭で注意すればよい、というので、そのようにした」というだけで、戒告すらしていないことが判明しました。

 公務員の懲戒処分とは、公務員の義務違反や服務規律違反に対して科せられる処分のことで、処分の程度が軽い順に、「戒告」「減給」「停職」「免職」の4つの種類があります。国家公務員の場合は国家公務員法第82条1項、地方公務員の場合は地方公務員法第29条1項で、懲戒処分の対象となる行為が定められています。

 欠勤を繰り返したり、セクハラ・パワハラといった問題のある行動をしたりする職員を処分することは、公務員の職場秩序を維持するために欠かせません。また、全体の奉仕者である公務員の立場からして、不適切な行為をした職員を放置することは、住民の不信を招くことにもつながりかねないからです。

 不起訴になると、被疑者は刑事裁判を受けることなく、手続きから解放されます。

■ここで、嫌疑不十分と証拠不十分の違いについて見てみましょう。同じ意味として使われることもありますが、厳密には異なります。

 嫌疑不十分は「嫌疑そのものが十分でない」ことを強調し、証拠不十分は「証拠が足りない」ことを強調する用語です。実務上は、嫌疑不十分という不起訴理由の根拠として、証拠不十分が挙げられることが多いようです。

 しかし、安中市の公用車車検・保険切れ事件では、証拠不十分というのは当てはまらないはずです。なにしろ、犯罪の証明に必要な証拠が揃っているからです。だから、起訴しても、裁判所が「犯罪を立証できなかった」と判断することはありえません。

 そうすると、前橋地検の清田周祐検事は、なぜ嫌疑不十分と判断したのでしょうか。起訴に至るだけの証拠が揃っておらず、そもそも裁判にすら進められないとして、すなわち「白」とも「黒」とも断定されないグレーな処分が妥当と考えたようです。同じ公務員として、何らかの配慮があったのかもしれません。

 あるいは、もしかしたら、最近話題の「司法取引」かもしれません。ただし、この場合の司法取引は、通常の司法取引のように、刑事手続において検察官の訴訟裁量を背景に、被告人と検察官の間で処分上の利益と引換えに捜査あるいは公判手続における協力を得ることではなく、同じ公務員の仲間同士であることから、法律を歪めて刑事免責を図る目的で行われる超法規的取引のことなのかもしれません。

■公用車の車検・保険切れ運転事件は、現在でも各地で頻発しています。なぜ、根絶できないのでしょうか。それは、検察がきちんと処罰しないからではないのでしょうか。

 そう考えた当会は、令和7年3月31日に、前橋検察審査会に審査申立書を提出しました。

*****3/31審査申立書*****
       審 査 申 立 書
                    前橋検察審査会 御中
受付印
申立年月日 令和 7年 3月31日

申 立 人    (資格) □ 告訴人 ■ 告発人 □ 請求をした者 □ 被害者 □ 遺族
(住居) 〒379-0114
     群馬県安中市野殿980番地
(電話)090-5302-8312
(職業)会社員(市民オンブズマン群馬 代表)
ふりがな   おがわ まさる
(氏名)     小川  賢    印
(生年月日)■ 昭和 □ 平成    27年 3月 5日生
□ その他の申立人は( □ 備考欄, □ 別紙)のとおり

罪 名
道路運送車両法違反、自動車損害賠償保障法違反

不起訴処分年月日 令和6年11月27日 令和6年検第1447号
不起訴処分をした検察官 前橋地方検察庁 ■検事
(氏名)    清 田 周 祐

被 疑 者
(住居)〒371-0826
    群馬県前橋市青葉町22-16
(職業)公務員特別職(安中市副市長)
(氏名)清 水 昭 芳
(生年月日)  不明 64歳
□ その他の被疑者は( ■ 備考欄, □ 別紙) のとおり
※申立人又は被疑者が複数の場合は,備考欄又は別紙を利用して作成してください。
※記載事項で不明なものがある場合は,「不明」と記載してください。
 
被疑事実の要旨
 令和6年4月18日に、安中市は、公用車の車検切れ及び自賠責保険切れの事案を公表し、当該車両が清水昭芳副市長も利用する車両であることを含め、マスコミ各社によって報道され事件を把握し、情報開示請求を行ない、5月8日に開示を受け、公表された事案が事実であり、安中警察署が責務の放棄、任務の違背の結果、犯人の放置に加担する行為を行なっていることを掌握した。
 当該車両の運行記録は公文書であり、違反行為の証拠能力を有することは、群馬県警察本部に確認をしており、安中警察署への報告などの記録については、群馬県警察本部より、安中警察署が隠蔽などを行わないように、安中警察署内、安中市役所内において、至急、証拠の押収・確保を希望する。

不起訴処分を不当とする理由
1.安中警察署が被疑者による車検・保険切れの公用車の運行記録を証拠として確認し、前橋地検に送致したにもかかわらず、地検は「嫌疑不十分」として不起訴処分としたこと。
2.安中市は本事件発生を受けて、職員課の田島課長が、安中市職員の懲戒処分の基準に関する要綱第2条に規定する「標準例」に照らして、対応を岩井市長・清水副市長らに相談したが、「本事件は標準例に該当しない」として、「口頭での注意にとどめた」としている。なお、田島職員課長によれば、「口頭での注意のため、公文書としては一切不存在だ」としている。
3.しかも、他の自治体における類似事件では、監督責任が問われている事例が多々あるが、安中市では被疑者が監督責任を有する立場にありながら何ら処分が為されない。
4.本事件では、安中警察署が、安中市から事後報告を受けた際、「今後、気を付けるように」と言う趣旨のコメントを口頭で発しただけで、被疑者らの免許停止などの措置をとらなかった。このため、一般住民に対する対応と全く異なる警察の対応について、県警本部や公安委員会に苦情を申し立てた結果、ようやく安中署交通課による捜査が行われ、本事件を地検に送致した。
5.ところが、地検では、あろうことか「不起訴処分」としたため、その理由告知を求めたところ、なんと「嫌疑不十分」との回答が為された。
6.このことについて、令和7年3月19日に、県警捜査二課のK補佐に話をしたところ、「嫌疑不十分では、証拠に記された事実そのものが無かったことになってしまう」との趣旨の感想を得た。
7.仮に、公務員の違法行為に対して、検察が公務への影響を忖度して不起訴処分の裁量を下すにしても、明らかな違法行為の証拠が示されているのだから、「起訴猶予」の判断をすべきところ、「嫌疑不十分」としたことは、役所の無謬性を一般住民に誤信させかねず、とりわけ30年前に51億円もの巨額詐欺横領事件を起こした安中市においては、無責任体質に回帰してしまう懸念と不安を住民に与えかねない。
8.よって、不起訴処分(嫌疑不十分)を取消し、起訴処分とするべきであり、検察審査会におかれては「起訴相当」の審査結果をお願いしたい。

備   考
その他の不起訴処分番号及び被疑者(いずれも安中市公務員)
令和6年検第1448号 高見澤達也
令和6年検第1449号 廣上 陽彦
令和6年検第1450号 伊丹 香子
令和6年検第1551号 佐藤  祥
※被疑事実の要旨欄,不起訴処分を不当とする理由欄が不足する場合は,備考欄又は別紙を利用して作成してください。
**********

■すると、令和7年4月4日付で、前橋検察審査会から審査申立受理通知書が当会に届きました。

 

 

■さらにその後、前橋検察審査会から「不起訴処分を不当とする理由の補足および審査に必要と考える資料について」と題する文書の提出が可能である旨の連絡がありました。そこで、次の内容の不起訴処分不当理由の補足資料を令和7年5月2日付で前橋検察審査会に提出しました。

*****5/2不起訴処分不当理由補足資料*****
                           令和7年5月2日
                   事件番号:令和7年(申立)第4号

前橋検察審査会 御中

                        審査申立人 小川 賢

 不起訴処分を不当とする理由の補足および審査に必要と考える資料について

第1 理由の補足
 1 そもそも、今回の車検・保険切れ公用車の使用事件(以下「本事件」という)は、地方公務員法の次の条項に抵触する事案である。
     <地方公務員法
     (服務の根本基準)
     第三十条 すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。
     (服務の宣誓)
     第三十一条 職員は、条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。
     (法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)
     第三十二条 職員は、その職務を遂行するに当って、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
     (信用失墜行為の禁止)
     第三十三条 職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
 2 これらの条項に照らして、安中市地方公務員法の次の条項に則り、厳正に対処すべきであった。
     <地方公務員法
     (懲戒)
     第二十九条 職員が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該職員に対し、懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
       一 この法律若しくは第五十七条に規定する特例を定めた法律又はこれらに基づく条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
       二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合
       三 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
 3 しかし、安中市は、本事件について「安中市職員の懲戒処分の基準に関する要綱第2条に規定する『標準例』」(添付1)に該当しないとして、関係職員らに対する処分を一切しなかった。さらに、審査申立人が「戒告でもよいから、何らかのかたちで処分したことを市民に公表する必要がある」と何度も要請したにもかかわらず、安中市の田島職員課長は「処分しなかったから公表の必要もない。市長にも『運転した職員らには口頭で注意する』ことで了解を得た」として、頑として文書による処分事実の公表に応じようとしなかった。
 4 この原因として、安中市が車検・保険切れを知ったあと、速やかに安中署に電話で報告したが、安中警察署交通課から「車検を受けるまでは乗らないように指導を受けた」として(告発状証拠資料1:「R・C・Cレポート」令和6年4月17日安中市秘書課中曽根考高報告)、安中警察署から、これ以外に、何ら具体的処分や対応についての指導がなかったことが挙げられる。
 5 このため、審査申立人は、令和6年5月13日に群馬県警本部長あてに告発状を提出し、本来法令に基づき罰則を適用しなければならないところ、「車検を受けるまで乗らないように」などと、およそ司法警察とは思えない指導を行い、本事件を放置していた安中警察署長と担当の交通課職員を被告発人として、しかるべき処罰を県警本部長に求めた。(添付2)
   さらに、群馬県公安委員会に対して、安中警察署長らの職務怠慢について苦情申出も行った。
 6 この結果、告発状(添付2)は正式受理してもらえず県警から返戻された。だが、この告発に加えて、苦情申出による効果なのかどうか判然としないものの、令和6年8月6日に、安中警察署交通課の高橋担当から審査申立人の携帯電話に「いただいた告発事件について、7月26日付で前橋地検に送致しました」と口頭での連絡があった。
 7 せっかく、安中警察署が、自らの不手際を反省して、本事件について捜査をし、検察に送致したにもかかわらず、検察が「嫌疑不十分」と判断したことは、全国の自治体で公用車を巡る車検・保険切れ事件が多発する現実を看過しているにほかならず、再発防止とは真逆の対応である。
 8 安中市の場合、職員の非違行為に対する懲戒基準として「安中市職員の懲戒処分の基準に関する要綱第2条に規定する『標準例』」(添付1)に基づき、本事件について、該当する項目がないため、口頭注意にとどめたと、職員課の田島課長が説明している。
 9 しかし、「交通事故・交通規則違反」の項目で、「その他帆交通法規違反」として「著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした場合」が挙げられており、本事件がなぜこの項目に該当しないと安中市が判断したのか、極めて不可解である。
 10 さらに言えば、安中市は、「職員の懲戒の手続き及び効果に関する条例」(添付3)を定めているが、この条例に基づき、職員の非違行為に対する懲戒基準の拠り所としている筈の「安中市職員の懲戒処分の基準に関する要綱」を、公表している気配がない。なぜなら、安中市のホームページを検索しても、要綱が全く見当たらないからだ。安中市がかかえる情報秘匿体質がここにも垣間見える。
 11 本事件に関連して、全国の自治体で多発する類似事案で、「警察に報告した」ことをもって、関係者や監督責任者を処分しないまま、幕引きをしてしまうケースが非常に多くなっている。(添付5~8、10)
 12 群馬県でも、令和3年6月30日に西部農業事務所職員が車検切れの公用車を使用した事件が発生したが、運転した職員や監督者に対する処分は何ら行われなかった。(添付9)
 13 一方、さいたま市の場合、類似事案に対して令和5年7月4日付で法令違反を行った当該職員に対して、しかるべき懲戒処分が行われている。(添付4)
 14 このように、全国で多発する類似事案に対する自治体の対応は、ほとんど法令を骨抜きにした状況にある。よって、本事件に対する前橋地検の不起訴処分は、責任の明確化、再発防止の観点からも不当であり、取り消したうえ、しかるべき懲戒処分を促すためにも、起訴処分とすべきである。
 15 なお、前橋地検が本事件について、嫌疑不十分で不起訴とした根拠は不詳であるが、仮に、地検が「実際に、安中市職員らが車検・保険切れの公用車を走行した事実を客観的に確認できたわけではない」として、「嫌疑不十分」としたのであれば、それは失当である。なぜなら、車検切れの公用車を公道で乗り回せば、ナンバー自動読取装置(Nシステム)で判別されるからである(添付11)。安中警察署では、本事件の地検への送致に際して、当然、そういった事実関係の物的および人的証拠を添えていると考えられる。
 16 あるいは、前橋地検自ら、県警本部に照会してNシステムによる本事件の事実証拠を確認し得る立場にあることから、「嫌疑不十分」を根拠に、地検が本事件について、不起訴処分とすることは到底有り得ない。

第2 審査に必要と考える資料(添付)
 1 安中市職員の懲戒処分の基準に関する要綱第2条に規定する「標準例」
 2 令和6年5月13日県警本部長あて「告発状」
 3 職員の懲戒の手続き及び効果に関する条例(安中市条例第31号)
 4 【処分有り】さいたま市(令和5年7月4日発表)職員の懲戒処分等について
 5 【処分無し】愛媛県西条市/プレスリリース:車検切れ公用車の公務私用について(お詫び)
 6 【処分無し】愛媛県四国中央市/公用車の車検切れ公務使用について
 7 【処分無し】千葉県富津市/車検切れ公用車の公務使用について
 8 【処分無し】千葉県袖ケ浦市/公用車の車検切れ運行について
 9 【処分無し】群馬県/車検切れ公用車の運行について
 10 【処分無し】徳島県吉野川市/公用車の車検切れ運行の判明について
 11 車検切れで運転した時の罰則は?知らなかったでは済まされないリスク「ナンバー自動読み取り装置で判別される」

                                 以上
**********

 

■上記の「第2 審査に必要と考える資料(添付)」の「1 安中市職員の懲戒処分の基準に関する要綱第2条に規定する『標準例』について、次に示してみます。

*****安中市職員の懲戒処分基準要綱・標準例******
安中市職員の懲戒処分の基準に関する要綱第2条に規定する「標準例」
                               平成21年7月23日
                    (施行日:決裁の日:平成21年7月23日)
事由/懲戒処分の区分(免職・停職・減給・戒告)
●一般服務関係●
・欠勤【対象職員の責めに帰さない事由がある場合を除く】  10日以内     減給・戒告
                         11日以上20日以内     停職・減給
                             21日以上     免職・停職
・遅刻・早退【勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた場合】     戒告
・休暇の虚偽申請【病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした場合】    減給・戒告
      【度重なる虚偽の申請を行った場合(基準は欠勤の例による)】    免職・停職
・勤務態度不良【勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、業務の運営に重大な支障を生じさせた場合】
                                      減給・戒告
・職場内秩序を乱す行為
      【他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱した場合】      停職・減給
      【他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱した場合】      減給・戒告
・虚偽報告【事実をねつ造して虚偽の報告を行った場合】            減給・戒告
・違法な職員団体活動【違法な職員団体活動により公務の正常な運営を著しく阻害した場合】
                       争議行為・怠業的行為     減給・戒告
                  企画、共謀、そそのかし、あおり     免職・停職
・秘密漏えい【職務上知り得た秘密を漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合】
                                      免職・停職
・個人の秘密情報の目的外収集【専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した場合】
                                      減給・戒告
・個人の秘密情報の不当利用【職務上知り得た個人情報を自己又は第三者の利益に供するために個人的に使用する等不当な目的に使用した場合】
                                      免職・停職・減給
・個人情報の盗難、紛失又は流出【過失により個人情報を盗まれ、紛失し、又は流出させ、公務の運営に支障を生じさせた場合】
                                      減給・戒告
・政治的目的を有する文書の配布                       戒告
・兼業の承認等を得る手続きのけ怠【営利企業の役員等の職を兼ね、若しくは自ら営利企業を営むことの承認を得る手続又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等を兼ね、その他事業若しくは事務に従事することの許可を得る手続を怠り、これらの兼業をした場合】
                                      減給・戒告
・セクシュアル・ハラスメント(他の者を不快にさせる 職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動)【暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いで性的関係を結び、若しくはわいせつな行為をした場合】
                                      免職・停職
           【相手の意に反するわいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した場合】
                                      停職・減給
           【わいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより、相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患した場合】
                                      免職・停職
           【わいせつな言辞等の性的な言動を行った場合】     減給・戒告
・パワー・ハラスメント(職務に関する優越的な関係を背景として行われる、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動であって、職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、職員の人格若しくは尊厳を害し、又は職員の勤務環境を害することとなるようなもの)【パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手に著しい精神的又は身体的な苦痛を与えた場合】
                                      停職・減給・戒告
               【パワー・ハラスメントを行ったことについて指導、注意等を受けたにもかかわらず、パワー・ハラスメントを繰り返した場合】
                                      停職・減給
               【パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患させた場合】
                                      免職・停職・減給
汚職収賄汚職の罪を犯した場合】                    免職・停職
・入札談合等に関与する行為【入札等により行う契約の締結に関し、その職務に違反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他に予定価格等の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行った職員】
                                      免職・停職
公文書偽造【不正に偽りの文書を作成した場合】               免職・停職・減給
・公印偽造・不正使用【不正に公印を偽造又は不正に使用した場合】       停職・減給・戒告
●公金公物の取扱い●
・横領【公金又は公物を横領した場合】                    免職
・窃取【公金又は公物を窃取した場合】                    免職
・詐取【人を欺いて公金又は公物を交付させた場合】              免職
・紛失【公金又は公物を紛失した場合】                    戒告
・盗難【重大な過失により公金又は公物の盗難に遭った場合】          戒告
・公物損壊【故意に職場において公物を損壊した場合】             減給・戒告
・失火【過失により職場において公物の出火、爆発を引き起こした場合】     戒告
・給与の違法支払・不適正受給【故意に条例、規則その他の規程に違反して給与を不正に支給した場合又は故意に届出を怠り、若しくは虚偽の届出をするなどして給与を不正に受給した場合】
                                      減給・戒告
・公金・公物処理不適正【自己保管中の公金の流用等公金又は公物の不適正な処理をした場合】
                                      減給・戒告
・コンピュータの不適正使用【職場のコンピュータをその職務に関連しない不適正な目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた場合】
                                      減給・戒告
●公務外非行
・放火【放火をした場合】                          免職
・殺人【人を殺した場合】                          免職
・傷害【人の身体を傷害した場合】                      停職・減給
・暴行・けんか【暴行を加え、又はけんかをした職員が人を傷害するに至らなかった場合】
                                      減給・戒告
・脅迫・強要【人を脅迫し、又は人に強要した場合】              停職・減給
・器物損壊【故意に他人の物を損壊した場合】                 減給・戒告
・横領【自己の占有する他人の物(公金及び公物を除く。)を横領した場合】   免職・停職
・窃盗・強盗【他人の財物を窃取した場合】                  免職・停職
      【暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した場合】        免職
・詐欺・恐喝【人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた場合】
                                      免職・停職
・賭博【賭博をした場合】                          減給・戒告
   【常習として賭博をした場合】                     停職
・麻薬・覚せい剤等の所持又は使用【麻薬、覚せい剤等を所持又は使用した場合】 免職
・酩酊による粗野な言動等【酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした場合】
                                      減給・戒告
・強制わいせつ【暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした場合】       免職
・淫行【18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした場合】
                                      免職・停職
・痴漢行為【公共の乗物等において痴漢行為をした場合】            停職・減給
・ストーカー行為【つきまとい等をして不安を覚えさせた場合】         停職・減給
・その他わいせつな行為【盗撮、のぞきその他のわいせつな行為をした場合】   停職・減給
・住居侵入【住居侵入した場合】                       停職・減給
●交通事故・交通規則違反
・飲酒運転で人身事故を伴うもの【酒酔い運転をして酒酔い運転をして人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた場合】
                                      免職
               【酒酔い運転をして人に傷害を負わせ、かつ、事故後の救護を怠る等の措置義務違反(以下「救護等の措置義務違反」という。)をした場合】
                                      免職
               【酒酔い運転をして人に傷害を負わせた場合】  免職
               【酒気帯び運転をして人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた場合】
                                      免職・停職
               【酒気帯び運転をして人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせ、かつ、救護等の措置義務違反をした場合】
                                      免職
               【酒気帯び運転をして人に傷害を負わせた場合】 免職・停職
               【酒気帯び運転をして人に傷害を負わせ、かつ、救護等の措置義務違反をした場合】
                                      免職
               【飲酒運転をした職員に対し、車両若しくは酒類を提供し、若しくは飲酒をすすめ、又は職員の飲酒を知りながら当該職員が運転する車両に同乗した場合】
                                      免職・停職・減給・戒告
                                      ※関与の程度を考慮
・飲酒運転以外で人身事故を伴うもの【重大な交通事故により人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた場合】
                                      免職・停職・減給
                 【重大な交通事故により人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせ、かつ、救護等の措置義務違反をした場合】
                                      免職・停職
                 【重大な交通事故により人に傷害を負わせた場合】
                                      減給・戒告
                 【重大な交通事故により人に障害を負わせ、かつ、救護等藤の措置義務違反をした場合】
                                      免職・停職・減給
・その他の交通法規違反【酒酔い運転をした場合】               免職・停職
           【酒酔い運転をし、かつ、物の損壊をした場合において、その後の危険防止を怠る等の措置義務違反(以下「険防止等の措置義務違反」という。)をした場合】
                                      免職
           【酒気帯び運転をした場合】              免職・停職・減給
           【著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした場合】  停職・減給・戒告
           【酒気帯び運転をし、かつ、物の損壊をした場合において、危険防止等の措置義務違反をした場合】
                                      免職・停職
           【著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をし、かつ物の損壊をした場合において、危険防止等の措置義務違反をした場合】
                                      免職・停職・減給
●ネットワーク利用
不正アクセス【他人のパスワードを使用し、又はコンピュータ・システムにおける安全上の不備を利用して不正にネットワークにアクセスし、システム又は情報資産等の破壊若しくは改ざんを行い又は情報を漏洩させた場合】
                                      免職・停職
       【他人のパスワードを使用し、又はコンピュータ・システムにおける安全上の不備を利用して不正にネットワークにアクセスした場合】
                                      停職・減給
不正アクセス等のほう助【ネットワーク管理者又はパスワードを付与されている利用権者のパスワードを第三者に提供した場合】
                                      停職・減給
・ウイルス・不正プログラム等の利用【故意にウイルス又は不正なプログラム等を利用してシステム又は情報資産等を損壊させた場合】
                                      免職・停職
                 【故意にウイルス又は不正なプログラム等を利用してネットワークの適正な運用を妨げた場合】                             停職・減給
●関係職員
・管理・監督者【対象職員の非違行為を了知していたにもかかわらず、その事実を隠蔽し、又は黙認した場合】
                                      停職・減給
       【対象職員が懲戒処分を受けることに関し、指揮監督に適正を欠いていた場合】
                                      減給・戒告
・その他関係職員【非違行為をした対象職員に対し、当該非違行為に係る事項を教唆し、又は当該非違行為を幣助したと認められる場合】
                                      停職・減給・戒告
        【対象職員の非違行為を了知していたにも関わらず、これを黙認した場合】
                                      減給・戒告

 加重減軽の項目は、大きく分けて、(1)再犯加重、(2)法律上の減軽、(3)併合罪の加重、(4)酌量減軽の4種類があり、
  加重することが考えられる場合
   (1) 非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は結果が極めて重大であるとき
   (2) 非違行為を行った職員が管理又は藍督の地位にあるなど職責が特に高いとき
   (3) 非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき
   (4) 過去に類似の非違行為を行ったことを理由として懲戒処分を受けたことがあるとき(再犯加重)
   (5) 処分の対象となり得る複数の異なる非違行為を行っていたとき(併合罪の加重)
  軽減することが考えられる場合
   (1) 職員自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出たとき
   (2) 非違行為を行うに至った経緯その他の情状に特に酌量すべきものがあると認められるとき
 ※ 標準例を参考に「安中市職員の懲戒処分の基準に関する要綱」第2条各号に掲げる内容及び次に掲げる内容を加味し、加重、軽減することができる。
   職員の交通違反に対する懲戒処分の細基準
   (処分の基準)
  1 職員の消路交涌法の違反又は交通事故に対する懲戒処分(以下「処分」という。)は、違反行為の内容、交通事故の原因、死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、その他の事情を考慮して行うものとする。
   (処分の加重)
  2 再々にわたり、又は同時に2以上の種別若しくは公有車輌の無断使用その他悪質な事例による違反行為又は交通事故については、処分を加重することができる。
   (処分の減軽又は免除)
  3 交通事故において、過失相殺のある場合は、その事情に応じて、処分を減軽し、又は免除することができる。
   (共同責任)
  4 運転者の違反行為又は、交通事故を黙認した同乗者、運転者と共同して違反行為をし、又は交通事故を起こした者及び、運転者に要求し、又は運転者をほう助し教唆し、せん動して違反行為をさせ、又は交通事故を起こさせた者については、同様に処分するものとする。
  5 違反行為をし、又は交通事故を起こした車輌が公有のものである場合において、善良な管理者としての注意義務を怠っていたと認められる場合には、当該車輌を管理し、又は当該職員を指揮監督する立場にある職員に対しても、その責任を問うものとする。
   (他の違反行為の取扱)
  6 懲戒処分基準表に定める種別の違反行為以外の違反行為及び当該違反行為による交通事故については、違反行為の内容、交通事故の原因及び程度、故意又は過失の有無、その他の事情を考慮して必要がある場合に限り処分するものとする。
   (報告)
  7 職員は、別に事故発生の報告の定めがある場合を除き、違反行為をし、又は交通事故を起こしたとき(当該違反行為をし、又は交通事故を起こした車輌に同乗していた場合を含み、一方的に損害を受けた場合を除く。)はすみやかにその概要を別紙様式により、所属長及び人事所管課を経て任命権者に報告するものとする。この場合において、職員が傷ついたこと等により、自ら報告できないときは、当該職員の直近上司の所属の長がかわって報告するものとする。
   附 則(令和3年10月1日決裁)
 改正規定は、決裁の日(令和3年10月1日)から施行する。
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■車検・保険切れの公用車を乗り回せば、一般市民であれば、有無をいわさず直ちにアウトですが、公務員はいわゆる「一級国民」なのでしょうか。なにしろ、安中市役所での事件の場合、安中警察署が前橋地検に被疑者を送致したにもかかわらず、前橋地裁の清田周祐検事は、「嫌疑不十分」を理由に不起訴処分にしてしまったのです。

 となると、全国各地で頻発する同様の車検・保険切れ公用車運転事件がいつまでたっても、亡くならないわけです。なぜなら、警察に「車検・保険切れ公用車を運転してしまいました」と後だしで報告すれば、お咎めが無く、したがって、免許停止処分なども心配無用だからです。まさに犯罪天国と言っても過言ではありません。

■この観点から、当会は、前橋検察審査会からの審査申立結果通知を心待ちにしています。

 

 

 仮に検察審査会議で「不起訴相当」の議決が出た場合、車検・保険切れの車を運転しても、安中市役所の事例を示せば、検察に起訴される心配はありません。完全に、道路運送車両法自動車損害賠償保障法が骨抜きになるからです。

 当会は、この事件を徹底追及し、無責任行政の撲滅に向けて尽力する所存です。他方で、仮に、検察審査会から「不起訴相当」の議決が出た場合、国民はだれでも、公務員と同様に、車検・保険切れの車を運転してもお咎めなしになることを、広く宣言したいと思う次第です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「あいも変わらぬ役所の無車検・無保険公用車運転事件」
*********福島中央テレビ2025年7月17日
自賠責保険と車検が切れた状態で公用車を使用 福島・南会津町
 

FCT福島中央テレビ© FCT福島中央テレビ
 南会津町役場で、車検と自動車損害賠償責任保険自賠責保険)が切れた状態で、公用車を使用していたことがわかりました。
 町によりますと、建設課に配置されている公用車5台のうち1台が6月16日に車検と自賠責保険の有効期限が切れていたのにも関わらず、職員が11日間にわたって運転し公務で使用していました。
 町が実施した車の調査で車検と自賠責保険が切れていたことがわかり、有効期間が切れていた間の事故や違反はありませんでした。
 町は、公用車に車検満了日を記したシールを貼り、車の鍵にも車検満了日を記載したタグを取り付けるなどして再発の防止をはかることにしています。

**********名古屋テレビ2025年7月17日
車検切れの公用車を21日間で139キロ走行 職員が車検時期知らせるはがき放置 名古屋・中川区役所
 名古屋市中川区役所の公用車1台が、車検切れの状態で21日間走行していたことがわかりました。
 

車検切れの公用車を21日間で139キロ走行 職員が車検時期知らせるはがき放置 名古屋・中川区役所© メ〜テレニュース(メーテレ/名古屋テレビ
 車検切れの状態で使用されていたのは、区役所の職員が荷物の運搬などで使う公用車です。
 中川区によりますと、車検が切れたあと、職員が業務のため21日間で約139キロ走行しました。
 担当職員が車検の時期を知らせるはがきを放置したことが原因で、車検切れは自動車整備工場からの連絡でわかりました。
 今回の件は警察に報告したということです。
 中川区役所は再発防止策として、毎月公用車の車検の時期を複数の職員で確認するなどしていくとしています。
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【一太県政】橋爪和夫元県議の告別式で弔辞を読んだ一太知事の胸に去来するものは?

インタビュー動画で生い立ち等を語る在りし日の橋爪和夫氏。出典:第41回高崎わたしばなし〜橋爪和夫さん〜(元群馬県議会議員)/上州テレビ

https://www.youtube.com/watch?v=kFWBOoFfsOA

 

桐生市新庁舎建設工事をめぐる入札妨害事件が初めて報じられた6月28日の夜、一太知事がブログで、高崎市内の斎場「下之城プリエッセ」で執り行われた故・橋爪和夫元県議の葬儀に参列したことを綴りました。

 

**********山本一太の「心はいつでも直滑降」2025年6月28日12:00

本日の地元紙(上毛新聞)が桐生市の入札妨害事件を大きく報道!!〜やはり異常だったことを再認識!!

2025年6月28日

 午前11時過ぎ。高崎市内のカフェで、ホットのミルクティーを注文した。「ええ、シロップは入れないでください!!」

 ここで短いブログを1本、書いてから、知事車で高崎市内の斎場に向かう。

 昼12時30分から、橋爪和夫 元県議の葬儀に参列する。

 先週、ご子息である橋爪洋介県議から、地元秘書を通じて「弔辞の依頼」があった。もちろん快諾した。橋爪家の皆さんとは、亡父の時代からのお付き合いだ

 昨晩遅く、弔辞の中身を考えた。齢94歳。迷いのない、堂々たる人生だ。和夫先生のご性格も考えて、あまり湿っぽくない、かつ長過ぎない文章にした。

 あれ?当初の予定より弔辞の数が増えているようだ?!が、それでも知事を含む3本のみ。ここらへんにも、橋爪イズムを感じる。

 (後略)

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 橋爪和夫氏は、2025年6月20日高崎市内の病院で亡くなりました。行年94歳。同氏は、大正大卒、高崎市議を経て1975年の県議選で初当選し、県議会議長や自民党県連副会長などを歴任しました。

 

*********上毛新聞2025年6月23日06:00

群馬県議会元議長 橋爪和夫さん死去 94歳、自民党県連副会長など歴任

◎元県議会議長・橋爪和夫さん死去

 元群馬県議会議長の橋爪和夫(はしづめ・かずお)さんが20日、病気のため高崎市内の病院で死去した。94歳。自宅は同市片岡町。通夜は27日午後6時から、告別式は28日午後0時半から、ともに同市下之城町650の下之城プリエッセで行われる。喪主は次男で県議の洋介(ようすけ)さん。

 橋爪さんは大正大卒。高崎市議を経て1975年の県議選で初当選し、県議会議長や自民党県連副会長などを歴任した。

 県カヌー協会長も務めて競技の普及に尽力した。

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 一太知事が、ブログで「先週、ご子息である橋爪洋介県議から、地元秘書を通じて『弔辞の依頼』があった。もちろん快諾した。橋爪家の皆さんとは、亡父の時代からのお付き合いだ。」と綴り、橋爪和夫氏の葬儀で弔辞を読んだ三人のうちの一人になった背景に、一太知事の父親である山本富雄氏がかつて手掛けたホワイトタウン事業があることは、一太知事も当然分かっていたことでしょう。

 

■当会が、山本一太事務所をネット検索した際に、住所が「群馬県吾妻郡草津町大字草津464-11」とあり、同住所あてに公開質問書を一旦郵送し、写しを一太知事に提出すべく、県庁秘書課を訪れた際に、秘書課長から「住所が間違っている」として厳しく指摘を受けたことは、当会の次のブログ記事の中で紹介した通りです。

 

○2025年06月30日:【一太県政】私設秘書をクビにし、一太知事が全幅の信頼を置く首席補佐官を「特別秘書」になぜ抜擢しないのか?

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/2025/06/30/103338

 

 上記住所へのアクセスとして、「バス停天狗山スキー場/JRバス関東から徒歩約12分」とあり、天狗山スキー場の東側に位置していることが分かります。

 

■実は、かつて天狗山ゲレンデの前のこのあたりに「ホテルホワイトタウン」がありました。この「ホワイトタウン」とは、山本富雄参議院議員山本一太群馬県知事の父)が経営する山田屋によるものですが、1957年から続いてきた高度経済成長期が1973年10月のオイルショックをきっかけに終焉を迎える1974年に、それまでの湯畑エリアから高原に移って建設した大規模リゾートホテルの名称です。

 

 この「ホワイトタウン」の情報を検索してみましたが、すでに半世紀が経過しているため、なかなか情報が見つかりませんでしたが、幸い、1997年筑波大人文地理学研究「上州草津温泉の文化景観の変貌」(佐々木博著:筑波大学人文地理学研究 / 筑波大学地球科学系 編 (21),39-67,1997-03)に関連情報がありましたので、以下に部分的に引用してみます。

 

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I はじめ

 群馬県吾妻郡草津町の中心にある草津温泉バスターミナルの前に,石の台座の上にステンレスでできた3体の等身大の彫刻が立ち,一人はバイオリンを,一人はスキーのストックを,一人は湯もみの板を持っている(巻末写真2).これは草津町の三つの産業基盤を象徴している.

 本報文は,草津の高度経済成長期以降の文化景観の変貌を明らかにし,その要因を探ろうとするものである.

 1985年の比較文化学類,1991・92・94・95年の地域研究科の, 5回もの野外調査を草津で行ないながら, まとまった成果は,まだなかった.さらに1989年9月はハイデルベルク大学モイスブルガー教授一行,1995年は国際地理学連合,「持続的農村システムに関する筑波国際会議」の一環として,全世界からの地理学者らと,草津の大学セミナーハウスでゼミナールの後,日本の湯の町情緒と温泉を楽しんでもらった.草津町へのお礼の意味も込めて,作成した.

 

Ⅱ 温泉地草津の形成

 (中略)

  1. 高原の開発

 伝統的な草津温泉は湯畑を中心とする盆地の狭い谷間に65軒もの旅館が密集していた.1960年代の高度経済成長にともなう鉄道・道路・スキー場・ゴルフ場,旅館の大型化などにともなって,盆地内での収容力に限界がみえ始め,広い周辺の高原地に目が向けられ始めた.

 高原開発に当っての問題点には二つあった.一つは強酸性の湯をポンプアップする耐酸資材がなかったこと,二つは大部分が国有地であったことであった.1960年,群馬県土木部は草津高原都市構想を発表し,市街南隣地,本白根開拓地153ha(入植者16戸)の農地を買収し,温泉を引き,高原別荘地を作ろうというものであった.

<地元資本>

 地元でも二人の高原開発者がおり,一人は萩原亮町長と,他は大阪屋旅館のオーナー中沢清元町長一族であった.技術問題は荏原製作所積水化学などの努力で塩化ビニルパイプができ,近年は耐酸性のチタン合金によるポンプなどが使用されるようになった.萩原は1960年頃旅館を廃業し,自分の源泉閣の揚湯に成功し,1963年に温泉配湯会社を設立,市街北側の保養所地区に配湯したり,自己所有の南部高台一帯の土地を,東京の不動産業者千代田興業や小田急不動産へ売却して,温泉付別荘地開発に大きな役割をはたした.萩原の草津温泉配湯株式会社設立趣旨(1963)によると,「草津市街地周辺の民有地は,スキー場下の折目原台地14万坪,西の河原南の迷ヶ原台地4万坪,市街地南東の舟の尻台地10万坪,合計30万坪しかありません.」と記されている.

 1974年に万代鉱から出た温泉は毎分6,200リットル(町全体の1/6),146の旅館・町営浴場・その他へ給湯され,その中で大きなものは草津東急ホテル197リットル,ナウリゾート80リットル,その他高原地区のペンション・民宿・保養所などである.

 江戸中期,大阪屋の祖中沢もくえもんは破産して江戸へ出,大阪屋孫八で修業した.そこは穀物・ミソ・ショウ油などを扱う問屋で,ここでの奉公の後,幕末に帰草し,その後草津町の中核となり,現大阪屋社長は8代目に当る.中沢一族は1968年,自ら先代から引き継いだ市街北東部の20haの高原に,ドイツのBad·Nauheim(Frankfurt a.M.北30km)をモデルに,温泉保養公園ヴィレッジを開業した.高原北部を取り囲む環状道路(通称ベルツ通)の外側に,ホテル・貸別荘・リゾートマンション(34~69㎡,950~2,300万円)・室内プール・ボーリング場・大浴場・テニスコート・ミニゴルフ場・アーチェリー・サイクリングコースなど,近年はテルメテルメという各種のスポーツ性湿泉を内包した一大ヴィレッジで,オレンジ色の屋根で統一されている(写真1).朝食はバイキング方式で,部屋数167(草津最大),収容力600人をようし,オープン直後は国鉄列車内にヴィレッジの全望の写真入りで広告を出していた.その雇用力も大きく,130人に及び,全国から求人し,従業員用の宿舎も別棟にある.

 中沢ヴィレッジに続いて,オールド草津から高原へ規模拡大を求めて進出するものが続出した.天狗山スキー場東側に奈良屋がナウリゾート,山田屋がホワイトタウン,ー田屋がハイランドホテル,吉田屋がスカイランドホテル,南の高台には丸万がグランドホテルをオープンさせた.

 ベルツ通り内側,町営住宅団地北側に,1970年2月,日本最初の綿貰ペンションがオープンした.オーナーは中之条町の自己所有地を売却,白根硫黄鉱山の退職金を加えてペンションを始め,300坪のうち200坪は中沢ヴィレッジの土地を借地し,ヴィレッジと一体となって集客・宣伝し,開設初年度から黒字経営であったという.綿貰ペンション西側はペンション街となっている.

<外来資本>

 1960年頃,長野原の酒造業者が光泉寺西側の高台に草津白根観光ホテル桜井を,河原湯の旅館業者が西の河原源泉を揚湯して,西の河原を見下ろす高台にホテルサンバレー(現在は倒産してサラ地)をオープンした.地元民は反対であったが,これを契機に地元の旅館も高原に発展的移転をしていった.草津東急ホテルは旧草軽電鉄草津温泉入口駅跡地に,1969年12月,建設された.1926年全通した草軽電鉄は,1945年には東急電鉄の系列下に入り,1962年軌道は撒去された.6haの土地に,南から草津盆地を見下ろすように102室(収容力450人)の白亜のビルがそびえ,西の河原を東急が町と権利関係をめぐって訴訟したこともあって,70年1月10日まで草津温泉旅館組合には加盟できなかった(写真1).

 前述の萩原亮は,東急ホテル東側の土地9haを千代田興業へ,7.7haを1971年に小田急不動産へ売却し,それぞれ別荘開発を進めた.千代田興業は軽井沢で小規模な別荘分譲をしていたが,それまで池尻のこの地を山林のまま分譲していた東京の鳩和会社が資金難に陥った時これを買収し,三菱地所の手で別荘地を造成して1968年秋から別荘分譲を始めた.社長は日本信託銀行退職者で,その後埼玉県農協の土地,草軽電鉄の土地,福住旅館の土地を買収して開発し,総面積15.8ha,1971年の第5次分譲時には250区画が販売され,1区画200~790㎡で,価格は300~500万円,坪単価4~7万円と高かった.東京の法人の保養所として購入されたものも多く,1区画に付,1口毎分2リットルの温泉が供給され,引湯協力金は1口25万円,使用料は1口月3,000円であった.1978年には430区画ある.千代田興業に東隣する小田急別荘地でも170区画が開発された.

 東京の第一ホテル不動産株式会社は万座硫黄KKの子会社白根温泉開発会社が所有していた土地を 1974年に買収,横浜の太洋不動産会社は天狗山に近いl.3haの土地を嬬恋村民から買収した.中沢ヴィレッジはホテル建設を請負った竹中工務店の子会社朝日土地に,ヴィレジ西方の8.7haの土地の開発を委ね,会社の保養所用の土地開発が行なわれた.ヴィレッジ東方の15haの土地は日本信和会に開発が委ねられた.

 

Ⅲ 多角的リゾート地の形成

 (中略)

  1. リゾートマンション

 草津町には現在(1992)19のリゾートマンションがあり,その戸数は5278戸,町の世帯数3652 (1995)の1.4倍にも達している(図6・表3).建設年代をみると,リゾート法制定(1987)以後のものが84%を占め,盆地の温泉街を取り巻いた高台に,高層な大規模マンションが林立する景観は,古い伝統的な草津の文化景観を一変させた(写真3).

 リゾート法に基づく税制・資金面での優遇措置,国有林野活用によるリゾート施設の整備ができる「ヒューマン=グリーンプラン」(林野庁)にのっとり,草津町でも2884haの「草津町リゾート整備計画を作定した.通常の町政担当助役の外に,公益事業(温泉)と観光事業(スキー場)を担当する事業助役を1979年から設けている.整備計画のコンセプトは,「温泉情緒の残る既存温泉街を“クラシック草津”,その外周の高原地帯を“ニュー・KUSATSU"と位置づけ,観光とリゾートが調和した新しい町づくりを展開する」ものであった.新規大規模開発事業としては,①音楽の森リゾート(国有林活用),②静可山スキー場(国有林活用),③白根,天狗山スキー場(国有林活用),⑤本白根観光レクリエーション広場(民間借地)がある.

 計画では音楽の森の中に分譲リゾートマンション11棟・1100戸,1戸建分譲別荘(100戸)が計画されていた.

 草津町にある19棟のリゾートマンションの嚆矢は中沢ヴィレッジのビラI    (80戸,1977)・ビラⅡ(148戸,1980)・ビラⅢ(149戸,1981)・ビラⅤ(282戸,1984)であったことは前に述べた.これらは湯沢町白浜町と比べても割合に早い方であった(佐々木 1990・1992).リゾート法以後,どこでもマンション建設が急増した.1991年度,リゾートマンション13棟2900戸の固定資産税・都市計画税・町民税の合計は3.6億円,一般会計予算35.7億円の10.1%であった.歳入43億円(1995)のうち町税は47.6%に過ぎない中では,10%は大きい.

 草津のリゾートマンションのアイデアは,1878年来草のベルツに由来する.ベルツは高原地帯に 3.3万㎡の土地を購入してドイツ式温泉保養地(KurortまたはBadeort)を建設しようとしたが,地元民が温泉の供給を拒んだため実現しなかった.ベルツの考えを実現したのが中沢一族で,老舗の大阪屋旅館の経営者であり,町北東部の高台に曽祖父や祖父が手に入れた20万㎡の山林にヴィレッジを作り,外環道路(ベルツ通)も1967年に完成させた.当時主流であった一泊団体宴会型から,ドイツ流の娯楽・憩い・治療の3機能を兼ねた長期滞在型(10日間位)へ客を誘導しようという意図もあり,景観調和を考えて18階建てから12階建てにした.全ての建物は白壁にオレンジ色の屋根とした.中沢一族のビッグプロジェクトを冷ややかに見ていた湯畑周辺の有力旅館が,その成功例を見て,高原に進出していった.1974年奈良屋(小林貴)が天狗山スキー場東にナウリゾートホテルを,山田屋(山本富雄)がホテルホワイトタウンをオープンし,3大ホテルとなった.ベルツ通の小さなホテル群,ファミリーイン(収容力100人)・スカイランドホテル(150人)・ホテルベルツ(100人)はいずれもクラシック草津に旅館をもつ土着の人々が建てたものであった.

 草津中学校西の高台に,亀山社が3棟のマンションを林立させた.1980年バーデンハイム(137戸)・83年バーデンパレス(139戸)・86年バーデンメモリアル(215戸)といずれもドイツ名を付けている点が草津である.亀山社は渋川市の「さとり屋呉服店」から出発した「さとり山田電気」で,現在は「さとり百貨店」(Juscoと提携)が本業で,社長篠満夫の先代が北群馬信用金庫理事長時代に,この土地を購入していたという.外来資本も三菱マテリアル(万座硫黄鉱山)とか,草津と何らかの関係があるか,土着資本との合併でマンションの建設・販売・管理にあたっている.

 リゾートの地元に対するメリット・デメリットはすでに言い古されているが,デメリットとしては,交通渋滞・景観不調和・ゴミ投棄・ゴミ処理・上下水道難・インフラ不足・温泉不足などである.そんな事情で1992年9月14日,草津町は「リゾートマンション凍結宣言」を発表した.草津町は1989年 に「指導要綱」を作り,軒高を37m以下,温泉給湯停止,地元業者の参画などをもり込んだが,1991年にはマンション建築計画を持ち込む業者が絶えなかった.

 1992年に入ると,景気低迷によって事前協議を終了した10棟のうち9棟が1年以上も着工されないままである.

 草津町商工会がKKブレーン(東京都新宿区)に委記した報告書は,この種のものにありがちな手法・時期についての記述の厳密性はないが,1990年に行なった調査によるリゾートマンションの実態は次のようである.

 マンション所有者526人の住所は,東京50.0%・埼玉19.8%・神奈川11.8%・群馬10.1%.

〔年令別〕 50代32.1%・60代25.1%・40代24.0%で湯沢よりは高令者が多い.

〔職業〕 会社団体役員27.6%・自営業21.9・会社員16.3.

〔法人〕 所有率は37.7%と湯沢町(29.5%)よりは高い.

〔法人の所在地〕 東京50.9%・群馬25.2・埼玉14.5と個人と同じ傾向ではあるが,県内が1/4を占めている点に特色がある.

〔法人の従業員数〕 ~50人52.5%・50~100人17.0・100~300人17.0・300人以上11.3%と零細・小企業が保養施設として購入したらしい.

 法人・個人合せて,

〔購入時期〕 ~85年41.6%・86年6.4・87年9.2・88年15.8・89年17.3・90年2.8・91年6.9.バブルがはじける直前の89年まで購入意欲は旺盛であった.

〔購入動機〕(multiple choice) 温泉浴60.7%・スキー52.4・避暑43.6・自然環境35.0・従業員福祉32.3.

〔1989年7月~90年6月の1年間の月別利用回数〕 年平均8.3回で,8月12.6回,1月12.2,3月10.3.2月10.2.5月9.5で冬季の利用頻度が高い.

〔1回の延べ日数〕 平均2.1日で,8月2.5,1月2.3,5月2.2,2・3月2.1と,あまり月による差はない.

〔延べ利用人員の月別構成比〕 8月14.1%・1月13.6・2月10.6・3月10.3・5月9.8.

〔滞在者の年令〕 30代21.5%・40代18.7・50代18.2,20代は16.7%と,割合若い年代が多い.

〔所有者と滞在者の関係〕 所有者本人47%・家族36%・従業員12%・親戚11%.

〔朝食をとる場所〕 自室調理75%・マンション食堂13%.

〔昼食をとる場所〕 外食61%・自室調理23%.

〔夕食をとる場所〕 自室調理39%・外食32%・マンション食堂18%.

〔食材調達先〕 町内店71%・居住地13%.

〔外食先〕 草津町内65%・旅館ホテル21%.

〔飲食感想〕 普通60%・よい14%・悪い14%.

〔土産品買う場所〕 町内75%.

〔日用雑貨買う場所〕 町内70%・マンション14%・買わない10%

〔衣料品を買う場所〕 町内22%,買わない63%.

 〔滞在目的〕(multiple choice) 避暑62%・温泉浴55%・保養49%・レジャー35%・音楽アカデミー7%,でアカデミー参加者が395名中27名もいたことは,むべなるかなの感じである.

〔1人当り予算〕 2万円台23%・1万円台21%・3万円台19%・1万円未満12%と,設備投資が大きいため,滞在予算は納得できる額である.

〔交通手段〕 自家用車74%・電車バス22%.

 フリーに書く欄には,マンション乱立傾向への不安,町内の交通渋滞と歩行の危険性,食品購入の不便さ,町内飲食店・小売店の味・サービスの悪さなどが記されている.定住者でなく,特定期(夏と冬)のみ来て,ゴミを出し,自分も交通渋滞加害者であることを棚上げした,勝手な要望が多い.1991年4月,11.4億円かけて市街南部本白根農場の南東端に「草津町クリーンセンター」の新しいゴミ焼却場が完成した.処理能力は40t/日で,それまでの16tの2.5倍である.人口8300人の人が1日1kgのゴミを出すとして8.3tにしかならない.179のホテル・旅館・ペンションの収容人数13,400人のゴミ13.4tを加えても21.7tにしかならない.5300戸のリゾートマンションが問題で,1901年の実績では,8月に40tの能力を越える日が3日あった.あるマンションは月150~180円/kgでゴミ運搬を業者と契約し,さらに焼却の手数料が1 kg 5~13円かかる.商店とリゾートマンションは共生関係にあり,寝具販売店などは「おこぼれ」で,掛け布団・敷布団・まくらなど,セットで1軒約20万円.羽毛のセットなら50~60万円もし,マンション入居日など1日に20人の客があったという.電気製品なども地元の方が「アフタケアがいい」との理由で,「特需」はあった.

 「マンション族はお金を落さず,食べ物は持ち込みで,後に残るのはゴミだけ」と語られているが,それ以上に,マンションが高原上に林立したため,クラシック草津の旅館の窓から以前見えた白根山などの眺望が阻害されることになった影響が大きい.それに地元資本との競合関係もあって「1,OOO㎡以上の開発事業を行うに際しての事前協議について,1992年9月14日から当分の間これを受理しないこととする.」企画開発課の回覧が出された.西ノ河原公園北の急崖を登った平坦地に,かつてはサンヴァレーホテルとホワイトタウンホテルがあった.これをパシフィックアトラス社が前者を1987年に,後者を1988年に買収した.この会社は石打や熟海でリゾートマンションを手掛けた会社で,熊谷組の100%出資の会社ともいわれ,草津高原開発リゾート株式会社を作り,サンヴァレーやホワイトタウンの元職員を採用している.当初28階建て(76m),1600戸の超大型マンションを申請したが却下された.町では指導要綱で12階37mの高度制限を設けている.妥協案として20階1600戸で申請したが,町民の2400票の反対署名で受け入れてもらえないままである.反対の理由は①自然環境破壊,②飲料水不足,③景観破壊である.12階建て1600戸の第3次案を再々申請しているところである.草津の現地事務所は元サンバレー経営者が所有する貸別荘を間借りして,2名が交渉に当っている程度である.

 (中略)

 

Ⅳ おわり――社会構造と文化景観変貌の要因

 人口8300の草津町の町長は,過去6代にわたって,「八社会」から輩出している.「八社会」の構成メンバーは,大東館・大阪屋〔ホテル   ヴィレッジ〕・ホテル一井・ホテル高松・ナウリゾート〔奈良屋〕・旧ホワイトタウンの明治以来の老舗に,新参者の草津白根観光ホテル桜井と草津東急ホテルの大手である.旧ホワイトタウンとは,山田屋が高原に作った大規模リゾートホテルの名称であったが,1988年熊谷組系の草津高原開発リゾート株式会社に買収され,現況は更地となっている.八社会のオーナーはそれぞれはほとんどが町会議員となっている.大東館・ホテル東急・旧ホワイトタウンが前町長派,大阪屋・ホテルビレッジ・ホテルー井・ホテル源泉(現ホテル スパックス草津)が現町長派,奈良屋・ホテル桜井がキャスティングボードを握っているらしい.中沢派は12年間政権を維持し,中沢兄弟の母の実家はホテル一井で,一井の市川善三郎は4代前の町長であり,市川絋一郎が現町長である.前町長時代, リゾート法によってリゾートマンションブームとなったが,中沢派が山本前町長の高度制限20階改正案を廃案に追い込み,1992年9月14日の町議会でのリゾートマンション凍結宣言をさせることになり,1994年1月より中沢派の市川町長の政治的勝利となっている.

 リゾートマンション建設も,このように,外来資本を阻止し,自分たち地元の人間は「湯守り」であり,ベルツ博士の夢を実現しようとする中沢派で代表される地元有力者の意向によって左右される.利潤追及が第一の外来資本に対しては,「歩み入る者にはやすらぎを」とはいかないようである.

 クラシック草津の外側には,観光とは直接関係ない人々の生活がある.中心部の陽の当たる文化景観を支える一般住民がいる.女性を100とした男の比〔女性比〕は1950年以前は128~102と男の方が多かったが,以後100を割り,1995年は91で全国の96に比べて男性が少ない社会である.これは人口ピラミッドを見ると24~34オの若者層が少ないひょうたん型になっている(図7).若者に魅力的な職場が少なく,高卒後他所で仕事につき,晩年草津へ帰る人が多い.青年人口の少なさと逆に,高令者率は19.2%(1,590人)(1995年)と県(15.6%)・国(14.1%)に比べても非常に高く,明日の日本の姿がすでに草津で実現している.65オ以上人口の1割は独居老人で,その半分が町内に身寄りがない.

 その一つの理由は,役場東方2.5km,六合村との境に国立療養所栗生楽泉園があり,382人(1997)のハンセン病(らい)患者がおり,その平均年令は74オ1ヵ月と高令であるためである.入所期間30年以上の人が9割を占め,外国人も20名いる.この園は1932年に作られ,73万㎡の敷地に271棟,延39万㎡の建物があり,307名の職員が働いている.これが設立される以前は湯の沢部落に,らい患者が集住しており,草津町のお荷物となっていた.

 温泉観光地の特色として,人の出入りがはげしく,高令者率が闇いのに若い労働力が少ない.そのため文化活動・スポーツ活動・消防団・商工会.PTA・婦人会なども老人主体のものになってしまい,低調である. しかし,公民館活動には少年教室として竹工作・ゲートボール・小運動会・町内文化財巡り,プラネタリウム見学・もちつきなどが行なわれ,共働き家庭が多く,日曜日でも両親と一緒に過すことのできない児童にとって,学校外教育の機能を担っている.婦人学級でも,講演会・施設見学・社交ダンスなどが行なわれ,細々とながら文化活動が続いている.

 地域社会の構造をみた時,「華やかな観光事業活動」と「つましやかな住民活動」の表裏構造が認められる.入湯税2.4億円(1993)を含む43億の町の財政,民間の収入を含めると113億円といわれる大きな観光収入は,江戸時代から一貰して草津経済と文化景観形成の柱であった.

 しかし,隔絶した盆地,火山斜面の平坦地と白根火山などの美しい自然景観,日本第2の湧出量を誇る温泉,高度経済成長による余暇の発生にともなうスキー・リゾートマンション・音楽祭,などは,明治11年(1878)ベルツ来草によるドイツ文化への開眼に負うところが大きい.市庁舎の屋根,湯畑広場の民家,ベルツ通り,ロマンティッシェ・シュトラーセの碑,リゾートマンションとホテルの名称にドイツ語の多いこと,などドイツ文化をほうふつとさせるものが多い.那須・諏訪・箱根・白浜・道後など似たような条件をもつ温泉地は他にありながら,ドイツ風,音楽までも内包した温泉地に発達したのは,自然のみならず,ベルツ・群馬交響楽団の存在と,それを開花させた中沢一族で代表される文化景観形成者としての人間集団のハーモニーによって,草津の文化景観が形成されてきた.

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国鉄ダイヤ改正時刻表(1978年10月号)P614より

 

■このように、山本一太知事の父親の富雄氏が経営する山田屋が手掛けたホテルホワイトタウンは1974年から1988年まで存続していたことが分かります。結局、事業に行き詰まり、一時、国土計画(コクド、プリンスホテル、西武リアルティソリューションズ、2025年4月1日から西武不動産)が購入する話も浮上しましたが、1988年、熊谷組系の草津高原開発リゾート株式会社に買収され,その後、解体されて更地となりました。

 

 ちなみに、国が国民の健康と余暇を全国で手軽に得られる施設を作り易くするためのリゾート法の施行により、1992年に天狗山スキー場の下(ホテルホワイトタウン跡地)に大規模リゾートマンション群が計画されたことがありました。

ホテルホワイトタウン跡地に約5.000戸のリゾートマンションが計画された時の完成図

 

 その後、草津町では町の条例で新規のマンションは建てられなくなりましたが、もし、この計画が実行されたら、その後の草津の風景は、越後湯沢町のようになっていたかもしれません。

 

■さて、この山田屋のホテルホワイトタウン事業の撤退を巡り、30億円を超える融資が焦げ付く結果となりました。

 

 草津で有力なこの温泉旅館「山田屋」は、一太知事の実家で、祖父の山本泰太郎氏は草津出身者ではなく下仁田出身でしたが、山田屋の婿養子となり、草津町長もつとめました。一太知事の母親は大東館の山本家ですが、その兄弟である伯父の山本譲と叔父の山本巌氏も草津町長をつとめていました。

 

 一太知事の父親は、国会議員だった山本富雄氏で1928年11月5日、泰太郎氏の次男として生まれ、実家の旅館を手伝いながら政治を志し、1955年に26歳で草津町議会議員に当選し、1966年に群馬県議会議員に当選しました。1977年に参議院議員として国政に進出して、農水大臣や参院幹事長などを歴任しました。

 

 その一方で、富雄氏はスキー選手として活躍し、一太知事のブログによれば、国民体育祭(国体)の常連で、全日本選手権の滑降競技で2位に入賞したこともあり、現役引退後は、全日本チームのコーチも務めました。このように、富雄氏はスキーに造詣が深く、群馬県スキー連盟会長を長年務めるなど、日本スキー界の発展に尽力しましたが、1995年3月16日、肝不全のため、66歳で亡くなりました。筆者も生前の富雄氏に、地元安中で会って言葉を交わしたことがあります。

 

■話をホワイトタウンの負債に戻しましょう。群馬県内の税理士業界ではつとに有名ですが、山田屋旅館のホテルホワイトタウン事業で、群馬銀行から融資した35億円とも言われる巨額債務を、県議団からの圧力によって、群馬銀行が棒引きしたという話があります。

 

 群馬県議団からの圧力に抗することができなかった群馬銀行側の人物は、75歳まで群銀の顧問をしていた五十嵐元頭取でした。

 

 五十嵐哲夫氏は1931年4月6日生まれ、昭和25年高崎高校卒で、群馬銀行相談役、元副頭取、会長を歴任しました。卒業名簿を見ると、2002年は代表取締役会長、2007年は相談役となっています。そして、2008年10月29日に77歳で亡くなりました。ちなみに、昨年の2024年10月29日が同氏の十七回忌でした。

 

 群馬銀行に圧力をかけた当時の県議団のボスは松沢睦氏(昭和23年高崎高校卒)と言われており、松沢氏が県議会議長を務めた平成2年の翌年、副議長を務めた橋爪和夫氏(平成6年に議長)は昭和25年高崎高校卒でした。その橋爪和夫氏と高校の同級生だった五十嵐哲夫氏は、高校時代ラグビーをしていたこともあり、交渉役として適任だったのかもしれません。群馬銀行は、こうした裏側も交渉役は副頭取の役目で、その論功行賞として、副頭取を務めた人物が、頭取を飛び越えて会長に就任するのが習わしとなっています。

議員一同(平成11年~平成14年)。最前列右から5人目が橋爪和夫氏、6人目が松沢睦氏。出典:群馬県議会史(第11巻)

 

 平成初頭当時の自民党群馬県連の歩みから、当時の出来事を振り返ってみましょう。

 

平成2年(1990)

 

平成3年(1991)

 

平成4年(1992)

 

平成5年(1993)

  • 自民党県連幹事長に山口清氏就任(6月1日)
  • 県議会議長に柳沢本次氏、副議長に浜名敏白氏を選任(6月2日)
  • 第四十回衆議院議員選挙(7月18日)
  • 「ニュー自民党」決起集会開催(9月6日)

 

平成6年(1994)

 

平成7年(1995)

 

平成8年(1996)

  • 自民党県連幹事長に大林喬任氏就任(5月30日)
  • 県議会副議長に岩井賢太郎氏を選任(6月3日)
  • 第二十六回自民党県連定期大会並びに小選挙区比例代表選挙総決起大集会(7月28日)
  • 県議会議長に青木秋夫氏を選任(10月16日)
  • 第四十一回衆議院議員選挙(10月20日

 

平成9年(1997)

 

平成10年(1998)

 

平成11年(1999)

 

平成12年(2000)

 

平成13年(2001)

  • 福田・谷津・笹川三大臣就任祝賀会(2月10日)
  • 総裁予備選挙投票(4月23日)
  • 尾身幸次国務大臣(沖縄北方科学技術担当)に就任(4月26日)
  • 笹川堯氏第五代県連会長に就任(5月21日)
  • 県議会議長に山口清氏、副議長に中村紀雄氏を選任(5月29日)
  • 第19回参議院議員選挙(7月29日)

 

平成14年(2002)

  • 自民党県連幹事長に矢口昇氏就任(4月1日)
  • 県議会議長に岩井賢太郎氏、副議長に時吉敏郎氏選任(5月31日)
  • 自由民主党政経セミナー開催(9月21日)

 

平成15年(2003)

  • 県議会議員選挙(4月13日)
  • 自民党県連幹事長に大澤正明氏就任(5月19日)
  • 県議会議長に高木政夫氏、副議長に秋山一男氏就任(5月20日
  • 知事選挙に小寺弘之氏四選(7月6日)
  • 総裁選挙党員投票(9月20日
  • 第43回衆議院議員選挙(11月9日)
  • 県議会議長に矢口昇氏就任(12月15日)

 

平成16年(2004)

 

平成17年(2005)

  • 県議会議長に中村紀雄氏、副議長に中沢丈一氏を選任(5月31日)
  • 第44回衆議院議員選挙(9月11日)

 

■松沢睦氏は、五十嵐哲夫氏の死去の翌年、2009年9月9日に亡くなりました。そして先月末、ホワイトタウンの債務棒引きの最後とも言える生き証人だった橋爪和夫氏もとうとう他界してしまわれました。告別式の参列者は実に大勢だったそうです。

 

 父親の富雄氏が世話になった群馬県議団の重鎮の訃報に接し、橋爪和夫氏の葬儀で弔辞を読んだ一太知事の胸にどのような想いが去来したことでしょうか。

 

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

 

※参考情報「慈眼院(じげんいん)」

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中曽根康弘句碑

 橋爪和夫氏の兄の橋爪良恒氏が住職だった高崎観音のある真言宗慈眼院(現在は息子の良真氏が住職)にある、群馬県出身の元総理・中曽根康弘氏の国会議員在職50年と、その大勲位授章を記念して平成10年(1998)に後援会によって建立された句碑。

 『ほほえみは 碧空にあり 初観音  康弘』

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【一太県政】「李下に冠を正さず」がよほど身に沁みたのか?・・・関東建設工業とグンエイの社長からの個人献金等86万円の返還を一太知事が宣言!

一太知事が疑惑献金の返還宣言を決断した端緒のひとつとなった政治家のカネのデータベースの整備を目指す「(一社)政策推進機構」が展開中のクラウドファンディング。出典:政策推進機構HP

 

■当会が、6月29日にブログ記事(次のURL参照)で指摘していた一太知事と桐生市新庁舎建設を巡り逮捕者を出した2社との癒着を示す献金について、一太知事が7月10日の会見で、「総額86万円を返還する」と公言しました。さっそく、報道記事を見てみましょう。

○2025年06月29日:【一太県政】桐生市新庁舎入札妨害事件から見えてくる政治家の秘書についての考察

https://ogawakenpg.hatenablog.com/entry/2025/06/29/215111

 

**********FM群馬2025年07月10日

群馬県の山本知事 桐生市入札妨害で役員等起訴された2社代表からの個人献金等 総額86万円を返還へ

 桐生市役所の新庁舎建設工事をめぐる入札妨害事件をめぐり、群馬県山本一太知事は自身の政治団体が、営業部長や役員が起訴された関東建設工業とグンエイの代表から過去に個人献金などを受けたことが判明したとして、総額86万円を返金する考えを示しました。10日の定例記者会見で明らかにしたものです。

 自身の政治団体政治資金収支報告書を確認したところ、2022年度から2024度にかけて関東建設工業とグンエイの代表者からそれぞれ年10万円=あわせて60万円の個人献金があったほか、グンエイが政治資金パーティ券をあわせて26万円分購入していたということです。山本知事は「収入に違法性はないが、道義的観点から返還するのが適切と判断した」として、総額86万円を返金する考えを示しました。

 この事件で県議の相沢崇文容疑者と関東建設工業の営業部長、グンエイの役員のあわせて3人が、公契約関係競売入札妨害の罪で起訴されています。山本知事は3人の起訴について「あってはならないことだ。改めて県としても重く受けとめたい」と話しました。

 

**********上毛新聞2025年7月10日16:38

【速報】群馬・桐生市の入札妨害事件を受けて山本一太知事 関東建設工業、グンエイからの個人献金など計86万円返還 「道義的に判断」

 群馬県桐生市の入札妨害事件を受け、山本一太知事は10日の定例会見で、幹部が逮捕された関東建設工業、グンエイ(ともに太田市)の代表者らから過去に受けていた個人献金政治資金パーティー券の収入計86万円を返還すると発表した。返還対象は桐生市役所新庁舎建設の入札が行われた2022年度以降の収入。これらの収入に違法性は一切ないとした上で「道義的な観点から返還するのが適切と判断した」と説明した。

 自身が代表を務める政治資金管理団体政治資金収支報告書を確認したところ、個人献金は、関東建設とグンエイの両社長から24年度までの3年間にそれぞれ年10万円を受けていたと説明した。このほかグンエイからは3年間で計26万円分のパーティー券を購入してもらっていたとした。

 山本知事は「企業献金を悪だとは考えていない。しかし政治家は疑念を持たれること自体を避けなければならない」と述べた。群馬県として7月1日から2026年6月末までの12カ月間、関東建設工業とグンエイを指名停止措置にしており、「かなり重い措置をしている企業のトップから献金をもらうことは適切ではないと判断した」と説明した。

 事件を巡っては、相沢崇文県議のほか関東建設工業の営業部長とグンエイ役員の計3人が起訴された。

 

**********毎日新聞2025年7月11日

桐生市入札妨害 知事「個人献金受けた」 2社から86万円 /群馬

 桐生市役所の建て替え工事を巡り、公契約関係競売入札妨害罪で県議と建設会社の幹部ら3人が起訴された事件を受け、山本一太知事は10日の記者会見で、幹部が起訴された関東建設工業(太田市)とグンエイ(同)の社長から個人献金を受けていたと明らかにした。グンエイからはパーティー券収入もあったといい、計86万円を返還するという。

 山本知事の説明によると、返還するのは、桐生市の新庁舎建設工事の入札が行われた2022~24年度に受けた個人献金とパーティー券収入の計86万円。個人献金は2社の社長から年10万円を受け、3年間で計60万円。グンエイからのパーティー券収入は22、23年度に各10万円、24年度は6万円で計26万円あったという。山本知事は「違法性はないが、道義的な観点から返還するのが適切と判断した。できるだけ早く返した…

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■この報道記事の元となったのは、7月10日の一太知事による定例記者会見です。

 

**********群馬県HP 2025年7月10日

令和7年度第13回定例記者会見要旨(7月10日)

■日時 令和7年7月10日(木曜日)14時01分~15時04分

■会場 記者会見室

■出席者 県:知事、副知事ほか

     記者:記者クラブ所属記者等14人

■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

20250710山本一太群馬県知事定例記者会見<外部リンク>

https://www.youtube.com/watch?v=QKE3o0wBXFU

■知事冒頭発言

 (前略)

5.知事からの報告

 最後に私から、会見の冒頭ですが、県民の皆さんにご報告があります。昨日の9日、桐生市役所の新庁舎建設工事をめぐって、公正な入札手続きを妨害したとして、桐生市選出の相沢県議、それから関東建設工業株式会社の営業部長、それから株式会社グンエイの役員の3名が起訴されました。なお、グンエイの社長については不起訴処分となりました。この事件に関連して、私が代表を務める資金管理団体「一伸会」のですね、政治資金収支報告書をあらためて確認させていただきました。その結果、関東建設工業株式会社と株式会社グンエイの代表者からですね、個人献金を受けていたこと。それから、株式会社グンエイからは、政治資金パーティー券の購入があったことが判明いたしました。このため、いま申し上げた収入については返還することといたしました。返還対象はですね、桐生市役所新庁舎の入札が行われた令和4年度以降の個人献金と、それからパーティー券収入ということになります。

 詳細を申し上げます。まず個人献金については、関東建設工業の高橋社長とグンエイの蓮沼社長からですね、令和4年度から令和6年度までの3年間、それぞれ年10万円の個人献金をいただいておりました。このため60万円を返還いたします。これらについては、群馬県選挙管理委員会に提出した政治資金収支報告書に記載してあるとおりの金額となります。また、株式会社グンエイにはですね、パーティー券を購入していただいておりました。令和4年度、令和5年度が各10万円、令和6年度が6万円でした。このため26万円を返還いたします。個人献金とパーティー券収入を合わせた合計の返還金額は86万円ということになります。なお、これらの個人献金とパーティー券購入による収入については、いずれも違法性は一切ございません。しかしながら、道義的な観点から返還するのが適切だというふうに判断をいたしました。この会見で何度も申し上げているとおりですね、私は企業献金あるいは献金そのものが悪だとは考えておりません。しかしながら、何度も言っているように「李下に冠を正さず」という言葉があるようにですね、政治家は疑念を持たれること自体を避けなければならないと思っています。県民の皆さんから寄せられた信頼というものを、決して裏切らないようにですね、常に襟を正して、知事としてもですね、お天道様の下でできないことはやらないと。この政治信条はこれからも貫いてまいりたいと考えています。

 それから最後に、もう1点、この度、7月31日の木曜日の16時からホテル1-2-3前橋マーキュリーで、知事としての今後の方針を表明する、後援会の全体戦略会議を開催することといたしました。この点、ご報告をさせていただきます。ここで、次の知事選挙に3選を目指して、出馬するかどうかということを発表したいというふうに思っています。何度も申し上げているとおりですね、現在で言うと6対4ぐらいということなので、ぎりぎりまで考えますから、ぜひメディアの皆さん、先走りするようなことがないように、ぎりぎりまで考えて決めたいということだけ申し上げておきたいと思います。ということで、今日は比較的最初のプレゼンの項目が少なかったんですが、私からは以上です。皆さんから何かご質問があればお受けしたいと思います。

 

■質疑応答

  • 桐生市の新庁舎建設を巡る入札妨害事件について

(記者)

 案件外からになりますが、まず桐生市発注の新庁舎工事を巡る事件で、埼玉地検は昨日、知事もおっしゃったとおり、公契約関係競売入札妨害の容疑で逮捕された3人を起訴しました。まず、受け止めを教えてください。

 

(知事)

 最初にこの事件が発生したときから申し上げているとおりですね、あってはならないことだと思っています。これで改めてこの問題に関して、グンエイの社長は不起訴ということですけど、残りの方々が起訴された。これは改めて県としても、県庁の事件でありませんけれども、これ改めて県としても重く受け止めたいと思っています。

 いい機会なんで一言申し上げておくとですね、今回、現職県議をはじめとする企業の役員4人が逮捕されたと。でね、今、このうち3人が起訴されたということなんですけれども、起訴されてもね、実質的にというか、一応まず推定無罪じゃないですか、判決が出るまでは。だけど、何かね、推定無罪だから、対応が必要ないみたいな話というのはもちろん通用しないということなんですよね。そもそも、今回起訴されたということで、重く受け止めなければいけないんですが、現職の県議とか、やっぱり企業関係者が逮捕されるということ自体がですね、これは非常に大きなインパクトを社会に与えるということだと思うんですよね。私は何度でも言うように、県民は今回のことについて、口には出さなくても、本当に怒っていますので、だからこういうときは、やはりしっかりこういう事実を受け止めて、もちろん自民党県議団の方でも、リーダーである金井幹事長が、まずはお詫びをし、また井下議長もお詫びの声明を出しているということなんですけれども、やっぱりですね、これも県議会とか県議団とか皆さんがお決めになることなんですけれども、人は言葉だけでは信用しませんから、今日さっきの話じゃないんですけれども、やっぱり本当に襟を正そうとしている、本当に反省して、対策を打ち出そうとしているという行動で示さないとですね、実は有権者の不信というのは、私は拭えないだろうと思っています。後でまたご質問もあるような、一応事前通告を受けているんですが、いろいろ不注意の発言もあったりして、今、参議院選挙の最中ですよね。私は何度も言いますが、この群馬県を巻き込んだ事件は、今度の参議院選挙にですね、大きな影響を与えると思っています。清水候補が頑張っておられるんで、その点本当に気の毒だと思いますけど、これはもう無党派層に対しては非常にマイナスを与えていると思っているので、ここはちゃんと受け止めてですね、やはりいろんな対応を考えられたらいいんじゃないかなと私は感じております。

 最後に言いますが、こういうことが群馬県では絶対起こらないように、庁議でも言ったし、あるいはその少し前に総務部長の名前で、各部局に綱紀粛正っていいますかね、促すみたいな文書も出していますけれども、くれぐれもこういう構図ができないように、県庁職員を守っていかなければいけないし、間違っても県庁の幹部がこういうことをしないように、もちろん100%信頼していますが、これからもこの知事の透明性を貫くという姿勢を強調していきたいなと思っています。

 

  • 山本知事への個人献金の返金について

(記者)

 関連で、知事、先ほどご説明いただいたとおり、パーティー券収入と個人献金の合計で86万円返金されるということですけど、手続き的には、どういうふうに返金されるのでしょうか。

 

(知事)

 手続きは、これはいろいろまた相手もあることなので、いろいろあるかもしれませんけれども、少なくとも現段階で、我々としては、私としては、ちゃんと返金するというところをはっきり決めましたので、行動に移していきたいと。その後の手続きは皆さんの方がご存じかもしれませんが、どうやって返金するかというのはそこから考えればいいんであって、相手方の一応了解も得てやるのかどうか分かりませんけど、少なくとも政治家としてこれは返すということを決めました。それだけ今日発表させていただきたいと思います。

 

(記者)

 となると、まだその返金の目処などは、特に立っていない・・・

 

(知事)

 目処というか、できるだけ早く返したいと思います。それに対して必要な手続きもあると思うんで、それもできる限りやらせていただきたいと思っています。

 

 (中略)

 

  • 桐生市の新庁舎建設を巡る入札妨害事件について

(記者)

 まず、先ほどもありました桐生の事件の関係なんですけれども、86万円の返金をこのタイミングで決められた理由を教えていただきたいのと、企業献金に関してはですね、関東建設工業、グンエイから、主に自民党の政党支部を中心となって、多額の額が寄附されているわけですけれども、これは知事ではありませんが、今後の対応をどうしたらいいと思いますか。

 

(知事)

 まずですね、今、返金しようと決めたこの方針いろいろと考えてみたんですけれども、基本的に、この額を返金しようと決めたのは2つ理由があって、1つは、やっぱりどこまでもさかのぼるということはできないですよね。この事件がいつ発生したのかということを考えたのと、あとね、選管(※総務省所管団体のため正しくは総務省)から確認できるのが3年までなんです。だからたぶん保管義務が3年なので、それより先は選管に確認できないので、正確な数字が分からない。だからそれはやっぱり無理だろうということで、今分かっている、選管に一応その数字を確認して分かる範囲で、今言ったのが最もおそらく理屈が合うんじゃないかということで、この額を返還させていただくということを決めました。それで、また記者さんから前回も少し(質問が)あったんですけど、言っておくとですね、これは政治家としての判断なので、他の方々でも例えば、関東建設工業とかグンエイから献金をいただいている方もいると思うんですが、それは別にその方々が判断すればいいことであって、これを何か自分が返金して他の人もやるべきだということはもう全く思っていません。それはもう政治家としてのそれぞれの判断で、私はやっぱりけじめが必要だと思っています。何で決めたのかということで言えばですね、まず今回のことは、社会的にも大きなインパクトがあって、県として、関東建設工業とグンエイに対して、1年間の指名停止を決めているわけですよね。県として1年間の指名停止というかなり重い措置をしている企業に対して、その企業のトップからやはり献金をもらうということは、これは適切ではないということで判断をいたしました。今言った金額になった理由は、先ほど申し上げたとおりです。それから、この間「ReHacQ(リハック)」を見ていてすごく驚いたんですけど、友達から連絡が来て、もう「ReHacQ」で、記者さんが「ReHacQ」の西田さんに取材して、結構他の新聞に先駆けて、結構踏み込んだ記事を書かれていたのを覚えているんですけど、これ「ReHacQ」の番組見たときに前のね、もう300万回ぐらい行っていると思いますが、西田さんは、もう地方までやるっておっしゃってもう宣言していたから、間違いなく地方の首長とか議会にも来るってことは分かっていたんですが、正直言ってまず群馬県が最初だったということは驚きました。こういうのってやっぱり話題性のあるところからやるじゃないですか。分からないですよ。例えば北海道とか、沖縄とか、あるいは兵庫とか、こういうところから行くのかと思ったけど、群馬県からになったと。これは、やっぱりどう考えても今回の事件が起きて、ある意味でいうと企業献金と、受け取る議員の関係を考える上で最もタイムリーで象徴的だったということなんだと思うんですよね。あの番組、結構20万回ぐらい、あんなマニアックな話ですけど今20万回ぐらい回っているんで、結局30万回ぐらい最後行くと思うんですけどね、やっぱり初めて地方議会の議員の実態、政治資金の実態が表に出たということでいうと、かなり私にとってはですよ、衝撃的でした。それで、ここでもちょっと言ったかどうか分からないんですけど、企業献金は悪だとは思っていません。例えば、あの番組の中で、献金をもらっている県議の人たちのランキングじゃないけど、こういう何かこうランキングみたいなものが出ていたんですけど、例えば献金をどっちかというと多くもらっている県議の中でも、本当に真面目にバランスを持った政治活動をやっている人っているので、別に企業から献金を集めるということはルールに従ってみんな県議の人たちはやっているので、それ自体は別に私は批判するつもりもないし、あのランキングを見て、上の方にあるから不透明なことをしているということでは決してないということは申し上げた上でですね、でもねやっぱりバランスってあると思うんですよ、何度も言うように。今回の相沢県議の話もそうだけど、やっぱりね、もうここで言いますけど関東建設工業からの献金がものすごく、ずば抜けて大きいわけじゃないですか。こういうのは、やっぱり本当に何か「ReHacQ」で出てきたものを生かしてね、気をつけられた方がいいんじゃないかと。むしろ私はこうやって県議会もちゃんと政治資金を透明化することによって、真面目に活動してる人たちをね、守るということになると思うんですよね。だからそれは、もちろんいろいろ県議会全体でお考えになればいいということだと思いますが、私はそう思います。それからもう1つ、きっと記者さんもあの番組を観たと思うんですけどね、都議会議員が出てきたじゃないですか。この間の選挙では落選されて、今はまだ都議会議員という方でおそらくこの方は改革派なんだと思うんですよね。何か知らないけどこの番組の中で、都議会の今の幹事長か何かに相談して、これはもうびっくりしましたけど地方議員って、5万円以下出さなくていいわけでしょう、領収書も。これ結構びっくりしましたよね。普通の企業だったら考えられない。だから例えば20万だって4つに分ければ出さなくていいわけじゃないですか。だから、こういうのはやっぱりね、ちゃんと実は領収書も取ってあるってこの人が言っていたので、聞いていたんだけど、じゃあ何で自分で出さないのかなと。まず最初に出せばいいじゃないですか、この都議が。前都議にもうすぐなるんですかね。この人だから申し訳ないけど、まずは自分で領収書もあるというならば、全部ぜひ率先してですね、オープンにするべきだと思います。じゃなかったら全然説得力ないなと思って聞いていました。私一応西田さんの仕組みを聞いて、ずっと私が政治資金収支報告書のデータベースをつく作るべきだと。つまり、実質的には情報公開とか言いながら、一般の人は分からない政治資金規正法の仕組みなんだから、直した方がいいって言っていたので、こういうヒーローが出てきたんで、バーンと公開しましたよね。うちの担当秘書にも聞いて大丈夫ですということで、思っていたら、住所変更2回ぐらいしている人が追いかけられなくて、全部フォローできなかったから、ちゃんとFAXには書いているんですけど、共同通信かなんかがあちこち調べる中で、私よりもずっと多い人もいたらしいんですけど、ああこんなことがあったのかと思って、ちゃんとお詫びをして、理由を説明して訂正したんですけど、やっぱりね、こうやって山本一太の政治資金を全部西田システムで公開するということにはね、当然リスクがあるわけですよ、政敵だっているし。だからそういうことをちゃんと自らやらないと、まさにこの都議会議員の方が象徴的なんですけど、やっぱり説得力ない。だから、じゃあこれから政治資金の仕組みを良くして、分かりやすくしていきましょうとか、こんなことがあったから申し訳ありませんって言ってもね、人は信じないんですよ。だからそれに対して、ここまで踏み込んでちゃんと情報公開していきますみたいなものがないといけないんじゃないかなと思いながら、本当典型的な、なんかね、この人がこれからそうすれば、ちょっと今のを訂正して「ご立派だった」って言うつもりですけど、私は領収書持っていますと、何か知らないけど偉い人に話し合ってみんなでできるんじゃないかとか、何言っているんだこの人という感じですよね。ぜひこの人には率先してですね、5万円以下全部領収書もいらない支出取ってあるとおっしゃっているんだから、ぜひ公開してもらいたいなと思います。それから、非常にこの番組で、ある意味恐ろしいなと思ったのは、全部やるって言っていたからね。これから群馬県を皮切りにもう定期的に各都道府県やっていくって言っているから、県議、それからあとね首長、おそらく知事とか市長でしょう。それからあと大きな市については市議会もやると。普通できないですよね。普通の人はとても時間がかかって。天才だから。それでたぶん、だからこれをどんどんどんどんやっていくということをよく頭に置いて、何度も言っているように、今まではほとんど有権者の関心が低かった地方議会にも、これから厳しい目が注がれるということを考えてですね、これ群馬県だけじゃないと思うんですけれども、知事もそうですし、地方の議会もそうですし、そこを頭に置いて、新しいやっぱり政治文化というものをつくっていく必要があるなということを、この番組を見て強く感じました。すみません余分なコメントもいっぱい入っていたんですけど、そういうことです。

 

(記者)

 また事件に関係してなんですけど、桐生市の森山副市長が辞任をされました。一方で、相沢さんはですね、起訴されて刑事被告人となったわけですけれども、まだ県議の職に就かれています。その判断についてそれぞれご感想があれば。

 

(知事)

 それはいつも言うように、政治家の出処進退っていうのはご本人が決めることで、相沢県議はそういう選択をしたということだと思うんですよね。これをまたどういう形で、いろんな対応を求めていくかっていうのは、これはもう自民党県議団のご判断なので、私がとやかく言うつもりはありません。それぞれの方々がやっぱり判断すればいいと。もう1つだけ言っておきますが、有権者はとても今回のことに怒っています。それが参議院選挙に大きな影響を、これから2週間の間に及ぼすという政治家の直感があることだけは、ここで皆さんに申し上げておきたいと思います。

 

 (中略)

 

(記者)

 先ほど県の建設業協会の青柳さんと懇談をなさっていらっしゃったんでしょうか、午前中。

 

(知事)

 あの懇談じゃなくて、「群馬パーセントフォーアート」推進会議の委員になっていただいているんで。

 

(記者)

 そうですか。その時に、桐生の事件ですとか、返金の話もなさったんでしょうか。

 

(知事)

 そんな話はしてません。今、記者さんいいこと言っていただいたんですけどね。今度の事件が何で罪深いかっていうと、1つは群馬県議会のイメージを徹底的に悪くしたっていうことと、県民の政治不信をすごく増幅させたっていうのがあるんですよ。もう1つは、公共事業が悪いわけじゃないんで、公共事業を真面目にちゃんとルールを守って担っている人たちは、本当に大勢いるわけじゃないですか。このことによって、また何か公共事業のイメージが悪くなるっていうのは、とっても罪深いと思っているんで。そのことはだから、いつもいろんなところでこの話はずっと言及しているんですね。必ずどこに行ってもまずこの話で、こういう政治文化から抜け出さなきゃって話をするときに言っているのは、公共事業が悪いわけじゃないと。ほとんどの人たちは、ちゃんと真面目にルールを守って頑張ってくれているんだっていう話をしているので​。

 

■知事メッセージ

 ということで今日はですね、やはり参議院選挙の展望みたいな、他の知事会見ではあまり出てこない質問、いつものとおりなんですけれども、それからやはり今回の事件、桐生の新庁舎の建設をめぐって、公正な入札を妨害したっていうことで、現職の県議を含む4人の方が逮捕されたと。とにかくそのうちの3人が起訴されたっていうことで、そういう質問が一番多かったんですけれども。あらためて皆さんに申し上げますが、私は知事としてこの事件を非常に深刻に捉えております。これは前の会見でも言ったんですけれども、今回、相沢県議っていうですね、個人的には非常に買っていたっていうか、これから群馬県を支えていくんじゃないかと思っていた県議が、こういうことに巻き込まれたということについては個人的には非常に残念なんですが。こういうことは必ず起こると思っていたんですね。知事になってから、やっぱり群馬県の、この地方に残っている利権構造みたいなもの、この危うさっていうのはあちこちで警鐘を鳴らしていたんで、ある意味これは必然だったというふうに思っています。こういうことは、この根本の政治文化を変えないとですね、皆さん何度も起こるんですよ。群馬県庁では起こってないんですけど、3年間でね、ここでも言いましたが、県都前橋の副市長が逮捕されて、藤岡の現職副市長が逮捕されて、桐生の副市長がどうなるか分かりませんけど、ずっと事情聴取でしょ。現職の県議でしょ。でね、こういうところないですよ、他には。でもこれは群馬県だけじゃなくて、やっぱり地方に残るね、ある意味でいうと、古い政治文化、利権構造なんですよね。これはやっぱり知事としても今度の事件は、他人事ではないと思っていますので、しっかり受け止めて、襟を正していきたいと思いますが。まだ、この7月31日の後援会、合同戦略会議まで、3選を目指して出馬するかっていうことは最終的な判断はしませんし、まだ決まっていないんで、メディアの皆さんに何度も言いますが、絶対先走らないでいただきたいと思います。万が一、ここから考えてね、本当にやるってことになったら、これは古い政治文化の払拭みたいなものも、県のトップとしては掲げなきゃいけないかなと思うぐらい、実は危機感を持っているということは皆さんに申し上げたいと思います。それからここで記者の皆さんからいろいろご質問があったときにも言ったんですけれども、これで終わればいいですよ、皆さん。この事件でおしまいみたいになればいいですよ。私はここで終わるとは思っていません。例えば、西田さんグループが、群馬県県議会議員の政治資金の流れを初めて、これを法的に得られる情報をうまく整理することによって発表したわけですよね、誰でも見られる形で。これずっとたぶん広がっていくってことを考えると、他にも例えばこれは政治活動費だけじゃなくて、いわゆるいろんな県議会に提供されている資金の流れも調べるとか言っていましたから。まだ、こういう余波っていうの私は続くと思います。この事件が広がらなかったとしてもですね、これだけメディアから注目されて、いろんなところから、いろんな人が入ってきて調べているっていうことは、選挙が終わるとですね、相当群馬県のこの体制、体質が攻撃される恐れがあるということは、ちょっと県民の皆さんに申し上げておきたい。6歳児の直感なんで、杞憂に終わればいいですよ、杞憂に終われば。だけど、やっぱりどう考えても、この時代の流れ、ネットの時代に今までほとんどみんなが関心を示さなかった地方議会にスポットが当たって、これ石丸さんの功績かもしれませんが、こういう時代の流れの中で、やっぱり乗り遅れていく自治体、議会っていうものに対する、やっぱり世間の厳しい評価がなされるような、こういうたぶん時代、状況になってきていると思うので、これからどういう展開で何が起こるのか全く分かりませんけれども、何があろうとですね、県の方はしっかりとこの透明な姿勢を貫いて、県民の皆さんの政治に対する不信感が増幅するようなことがないようにですね、努めていきたいと思います。もう一度言いますが、決して他人事ではありません。我々も本当に襟を正して、税金が正しく使われるように、そのために本当に真面目に議論してですね、予算を決めるような、この山本県政の常識っていうか、それまで常識じゃなかったんでね、細かいことは言わないけど、これをしっかり貫いてまいりたいと思っております。ということで、ちょっとまた大演説になっちゃいましたが、記者の皆さんには今日も1時間、最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。ということで今週の定例会見は終わりたいと思います。

 

( 以上で終了 )

文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。

**********

 

■一太知事は、これでもまだ物足りずに、自身のブログでも、個人献金の返還について記しています。

 

**********山本一太の「気分はいつも直滑降!」2025年7月10日

https://ameblo.jp/ichita-y/entry-12915789572.html

桐生市の新庁舎建設をめぐる事件で逮捕者を出した2つの企業の経営者からの個人献金は返還する!!

2025-07-10 23:50:18

2025年7月10日:パート2

 

 23時。高崎の自宅からのブログ。

 

 20時30分から1時間、ジムで無理のない筋トレをやった。(ふう)行く前は辛いが、終わった後はスゴく気持ちがいい!!

 

 さて、本日の会見では、冒頭、幾つかの新事業やイベントについて発表した。最後に次の方針を説明した。

 

 「昨日9日、桐生市役所の新庁舎建設工事をめぐり、公正な入札手続きを妨害したとして、桐生市選出の相沢県議、関東建設工業株式会社の営業部長、株式会社グンエイの役員の3名が起訴された。なお、グンエイの社長については、不起訴処分となっている。」

 

 「この事件に関連して、私が代表を務める政治資金管理団体「一伸会」の政治資金収支報告書を改めて確認してみた。」

 

 「その結果、関東建設工業株式会社と株式会社グンエイの代表者から個人献金を受けていたこと。そして、株式会社グンエイからは政治資金パーティー券の購入があったことが判明した。」

 

 「このため、当該収入については、返還することを決めた。返還対象は、桐生市役所新庁舎の入札が行われた、令和4年度以降の個人献金とパーティー券収入となる。」

 

 「詳細を述べる。まず、個人献金については、関東建設工業の高橋社長とグンエイの蓮沼社長から、令和4年度から令和6年度までの3年間、それぞれ年10万円の個人献金を受け取っている。このため、60万円を返還する!!」

 

 「これらは、群馬県選挙管理委員会に提出した政治資金収支報告書に記載してあるとおりの金額だ。」

 

 「加えて、株式会社グンエイには、パーティー券を購入してもらっていた。令和4年度と令和5年度が各10万円、令和6年度が6万円。このため、26万円を返還する。」

 

 「個人献金とパーティー券収入をあわせた、合計の返還金額は、86万円となる。」

 

 「なお、これらの個人献金とパーティー券購入による収入については、いずれも違法性は一切ない。しかしながら、道義的な観点から返還するのが適切であると判断した。」

 

 「この会見でも何度も申し上げているとおり、献金そのものが悪であるとは考えていない。しかしながら、「李下に冠を正さず」という言葉がある。政治家は疑念を持たれること自体を避けなければならない!!」

 

 「県庁で発生した事件ではないものの、他人事ではない!!重く受け止めている。今後も、県民の方々から寄せられた信頼を決して裏切ることのないよう、常に襟を正し、『お天道様の下でできないことは、やらない』という政治信条を貫いていく!!」

 

 さて、と。youtubeで最新のニュースをチェックし、幾つかの資料を読む。何とか午前零時までに、布団に入れるよう努力する!!

**********

 

■このように、奇しくも当会のブログ記事の指摘が端緒となったかのような絶妙なタイミングで、「総額86万円(関東建設工業とグンエイの社長(個人)にそれぞれ30万円、グンエイ(法人)に26万円)を返還する」と宣言した一太知事ですが、一体どのような形で返金するのか、そして、一太知事の政治団体「一伸会」の収支報告書は、いつどのように修正するのか、しないのか、が注目されます。

 

 一太知事も7月10日の会見で発言しているように、疑惑企業のトップから献金を受けていたことに対する返還の決断は、一太知事の動画関係で繋がりのある元テレビ東京プロデューサー高橋弘樹氏が主宰する「リハック」で、桐生市の入札妨害事件に関連した政治資金について取り上げられていたことが、最終的な後押しになったことが覗えます。

 

 この動画は、全部視聴すると89分かかる長いコンテンツですが、群馬の政治家と地元土建業の繋がりが数字でも示されており、分かりやすく説明されています。

 

 ぜひ皆さんも、よろしければ、お時間のある時にご視聴ください。

自民党議員が緊急出演】なぜ逮捕?群馬で大激震!巨額献金と地方政治の闇【高橋弘樹vs西田尚史vs川松真一朗

https://www.youtube.com/watch?v=UzD_RLFyYaY&t=3708s

 

 一太知事の企業後援会である「一伸会」の献金者は、大なり小なり、群馬県における行政権限を握る人物とのつながりで、見返りを期待しているからこそ、寄付をしているわけですが、今回の事件で、一太知事が自ら、事件に関連して起訴された企業のトップからの寄付金を一部返還すると、公言したことは、今後の推移を見守る必要があるにせよ、評価に値すると言えるのではないでしょうか。

 

 ぜひ、一太知事のこの画期的な判断を一過性のものとせず、条例化するなどして、他の自治体にも波及させ、公選法政治資金規正法などのルールに沿ってきちんと判断をしてこなかった選挙管理委員会に対して、もっと仕事をするように刺激を与えるきっかけにしてもらいたいものです。

 

 なお、冒頭の一般社団法人政策推進機構「政治資金収支報告書データベースについて」のURLは次のとおりです。 ちなみに、筆者は早速102人目の支援登録を済ませました。

https://political-finance-database.com/

 

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

市長・副市長の公務日程を市民に教えない安中市・・・その理由を聞いてみると?



岩井均市長の市内企業訪問。出典:https://www.instagram.com/p/CvebZnsPunV/

 

■市長の公務に関する情報は、公正で、より開かれた市政の実現と発展のために広く公開することが必要不可欠です。

 

 30年前、全国の自治体で史上最大の詐欺横領事件が発覚した安中市にとっては、まさに、他のどの自治体にもまして、市政の透明性が欠かせません。ところが、市民のひとりとして、安中市に市長・副市長の公務日程のスケジュール情報を確認しようとしたところ、「セキュリティ上の観点から、一切市民には公表しないことになっている」との返事がありました。

 

 実は7月1日に、筆者の居住する安中市岩野谷地区に隣接する富岡市藤木にあるIHIエアロスペース社が事業拡大の為、第4工場を新設するにあたり、基礎工事にともなう掘削、土壌改良、コンクリート打設作業や、建屋建設工事に伴う鉄鋼構造物など資機材の搬出入のための各種車両が周辺の地元の交通に影響を及ぼすことから、桑原地区の自治会の組長会議の席で、IHIエアロスペース社と工事請負業者の大林組による地元説明会が開催されました。

 

 筆者は桑原地区自治会のアドバイザーを仰せつかっていることから、説明会への同席要請を受け、この地元説明会に参加した次第です。

 

■一方、当会に、7月の第2週に、安中市長が、市外とはいえ、安中市に隣接する富岡市に昨年4月に本社を移転したIHIエアロスペース社を訪問するという情報提供がありました。そのため、この機会に、地元岩野谷地区が抱えるいくつかの課題について、安中市長がIHIエアロスペース社を訪問時に、話題として取り上げてもらいたいと考えて、7月2日付で次の上申書を安中市役所の秘書課に提出しました。

 

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                           令和7年7月2日

安中市長 岩井 均 様

写し:みりょく創出部農林課

               〒379-0114 安中市野殿980

               公特事業推進委員会  会長  小川 賢

               TEL: 090-5302-8312

               Email: ogawakenpg@gmail.com

 

IHIエアロスペース社企業訪問時の留意事項(上申書)

拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 さて、来週、貴殿が富岡市藤木900番地のIHIエアロスペース(IA)社を訪問されるにあたり、現在、当委員会と同社との関わり合いについて、情報を共有申し上げます。

 当委員会は同社に対して、令和6年11月11日付で、同社が今後3年以内をめどに工場を拡張する計画に伴う山林の掘削(資料2・3)で生じる残土を、東邦亜鉛安中製錬所周辺の地元野殿地区の公害防除特別土地改良事業(公特事業)の客土用に提供できるよう、特段の便宜をお願いする書面を提出し(資料1)、令和6年12月3日に同社関係者(資料4)と面談しました。その結果、「山林買収後の掘削工事に先立ち、行政側との協議後、土質検査結果に問題なければ、掘削土の提供について前向きに検討する」との見解をいただきました。

 また、昨日地元の桑原地区で開催された組長会議で、IA側から、「7月から構内で第4工場の建設工事を開始し、令和8年12月の竣工を目指すので、多数の工事車両等の出入りで周辺地区の交通環境に支障が出ないように配慮する」との説明がありました(資料5)。とりわけ、生コンの搬入や掘削土(約2万㎥)の搬出ルートについて、地元側から多数の質問が出ました。

 IA側によると、「第4工場建設工事について、富岡市には都度説明しているが、安中市にはこれまで全く説明していない」とのことです。

 とりわけ、現在でも渋滞の酷い県道10号線の交通緩和のため、富岡市藤木地区の同社正門前の交差点の安中市側に左折専用レーンを新設すべく、藤木・桑原地区では、岩野谷地区を交えた署名活動をしたいと考えています。

 以上、まとめますと、来週のIA社への企業訪問時には次の事項について話題に加えていただけると幸いです。

  • 早ければ来年夏ごろから始まる同社本社工場南側の山林掘削工事から生ずる残土を、公特事業に活用するための全面的な協力
  • 7月から開始予定の第4工場の建設に伴う残土の搬出ルートとして、県道10号線から国道18号に至るルートとして、野殿地内の市道を使用しないよう配慮の要請
  • 県道10号線の朝晩の岩井交差点からIA社正門前の交差点に至る交通渋滞の解消に向けて、専用左折レーン設置など対策推進に向けた県に対する申入れについての協働

                                 敬具

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 上記の上申書を安中市秘書課長と秘書係長に提出する際、岩井市長がIHIエアロスペース社を訪問する日時や市側の訪問予定者が誰で何人なのかなどについて、質問しました。すると、秘書課から「(秘書課を所管する企画政策)部長が不在なので、教えてよいかどうか判断できない」との返事がありました。理由を訊ねたところ、はっきりした回答がないため、筆者が「セキュリティ上の問題が理由ですか?」とお聞きしたところ、「そうです」と答えていただきました。

 

 そのため、7月3日朝09:04に企画政策部長に電話をして、「昨日、上申書を秘書課の課長と係長に手渡して説明しましたが、この件お聞きになっていますでしょうか?」と質問したところ、まだ始業直後だったためか「いや、まだ聞いていない」とのことでした。

 

 そこで、上申書に記載した事項と、上申書を提出した事情等を部長に説明し、「来週予定されているIHIエアロスペース社への市長による企業訪問について、日時などを教えてもらえませんか?」とお願いしました。すると、部長から「教えることができない。なぜなら、市長に面談を強要する不貞のやからがけっこうたくさんおり、市長の入退庁時を狙って、市庁舎の出入り口で待機している不審な人物もおり、実際に過去にトラブルになったケースもあるからだ」とする説明をいただきました。

 

■筆者は、市長や副市長らに対して、そうしたストーカー行為をするつもりは全くなく、日時が分かれば、都合をつけて、この市長による企業訪問の機会にIHIエアロスペース社と安中市が関係する諸課題について、地元住民として説明役を買って出てもよいと考えていました。

 

 しかし、市側幹部から「不審者から市長らを守るため」という趣旨の理由を聞いて、大きな違和感を禁じ得ませんでした。なぜなら、市側の説明によれば、筆者のことを、ストーカーや不審者と同列に見なしているに等しいからです。この点について、部長に確認したところ「決して、小川さんのことをそのような類の人物と認識してなどいません」と明言していただきましたが、実質的には、そうした人物と同じ対応なので、納得できるはずもありません。

 

 そのため、部長に「市長らの面会を強要する目的などで、市役所の内外をうろつく不審者や、実際に発生したトラブルの事例について、情報公開をしたら開示してもらえますか」とお願いをしたところ、「個人情報なので、開示になじまない」との返事をもらいました。

 

■市長や副市長の行動予定について、全国の自治体ではどのようになっているのか、ネットで検索してみました。すると、ざっと調べたところでも、次の自治体で、市長らの行動予定をホームページで公表している自治体が見つかりました。

 

https://www.city.tachikawa.lg.jp/shisei/gaiyo/1005929/1005937.html

 

https://www.city.otsu.lg.jp/soshiki/001/1002/g/otsumayor/30444.html

 

https://www.city.moriyama.lg.jp/shichoushitsu/shichouyotei/index.html

 

https://www.city.sakata.lg.jp/shisei/shicyou/koumunittei07.html

 

https://www.city.nabari.lg.jp/s078/050/1020/20201127135250.html

 

https://www.city.owase.lg.jp/0000011291.html

 

https://www.city.takahashi.lg.jp/uploaded/life/63742_214200_misc.pdf

 

  • 愛知県豊川市/市長行事予定【毎週更新】

https://www.city.toyokawa.lg.jp/soshiki/kikaku/hisho/2/7/3/6579.html

 

  • 愛知県一宮市/ようこそ市長室へ 主な日程

https://www.city.ichinomiya.aichi.jp/mayor/1010183/1067288.html

 

https://www.city.gamagori.lg.jp/site/shicho/dosei-week.html

 

https://www.city.nishio.aichi.jp/shisei/mayor/1001509/index.html

 

https://www.city.nagano.nagano.jp/mayor/menu/1/index.html

 

https://www.city.iida.lg.jp/site/mayor/list366-444.html

 

  • 長野県茅野市/市長・副市長公務日程

https://www.city.chino.lg.jp/site/mayorroom/list79-198.html

 

https://www.city.suzaka.nagano.jp/soshiki/1020/1/4541.html

 

https://www.inacity.jp/shichoshitsu/komuyotei/index.html

 

https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000329708.html

 

https://www.city.kawanishi.hyogo.jp/mayor/1007888.html

 

https://www.city.hiroshima.lg.jp/mayor/daily/1026977/1041652.html

 

https://www.city.onomichi.hiroshima.jp/site/shicho/10575.html

 

https://www.city.miyoshi.hiroshima.jp/site/mayor/2561.html

 

https://www.city.otake.hiroshima.jp/mayor/1453512338301.html

 

https://www.city.takasago.lg.jp/soshikikarasagasu/hishoshitsu/shichonoheya/6340.html

 

https://www.city.wakayama.wakayama.jp/1009555/1001173/index.html

 

https://www.city.setouchi.lg.jp/site/shichonoheya/list31.html

 

https://www.city.myoko.niigata.jp/city-info/mayor/schedule/

 

https://www.city.uonuma.lg.jp/site/mayor/list91-282.html

 

https://www.city.hitoyoshi.lg.jp/shisei/yokoso_hitoyoshi/shichoshitsu/

 

 このほかにも大阪府吹田市、埼玉県丹生市、広島県廿日市市福山市三原市岩手県釜石市富山県小矢部市山形県鶴岡市、福岡県行橋市田川市、長野県上田市島根県益田市三重県志摩市など、市長などの公務日程をホームページで公表している自治体は枚挙にいとまがありません。

 

 そのため、市幹部を不審者や暴漢から守るためという理由で市長らの公務の行動予定を明らかにしないという安中市の対応は、極めて遺憾であり、直ちに是正していただかねばなりません。さもないと、第二のタゴ事件(安中市土地開発公社巨額詐欺横領事件)がいつ再発しても不思議はないからです。

 

【7月15日追記】

 今朝、安中市HPをチェックしたところ市長のインスタグラムに、先週7月9日(水)午後にIHIエアロスペース社を企業訪問したことが載っていました。

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午後、【(株)IHIエアロスペース】を訪問し、岡田取締役や加瀬総務部長等から説明を受け、工場内の見学と懇談をしました。
宇宙や防衛、航空分野で素晴らしい実績をあげている凄い企業だと改めて感じました。富岡市に立地していますが、安中市の社員も多数いるとのこと。身近にこのような企業があることを誇りに思います。
**********

事前にお願いしたとおり、地元の抱える課題について、安中市のトップとして訪問先企業の幹部に伝えてくれたと思いますが、上記の文面を読む限りでは確認できません。情報開示請求で念のため確認しておきたいと思います。

 

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

 

【一太県政】私設秘書をクビにし、一太知事が全幅の信頼を置く首席補佐官を「特別秘書」になぜ抜擢しないのか?

現在県庁6階で秘書課長兼首席補佐官の重責を担っている片貝和晶氏。出典「風の谷」HP

 

■前回の記事で「一太知事は、なぜ国会議員時代からの私設秘書を「特別秘書」に任命しないのでしょうか? この後、考察を重ねてみたいと思います」と締めくくりました。

 

 本項では、ミスを連発して一太知事を悩ませる山本一太事務所の私設秘書よりも、もっと有能な人物を「特別秘書」にすべきであるという観点から、考察を重ねていきます。

 

■今から6年前、一太知事が参議院議員から鞍替えし、それまで下馬評では続投とみられていた大澤正明知事が出馬表明する前に、群馬県知事選挙に立候補を表明し、結局、大澤正明知事が出馬を断念し、山本一太候補が圧倒的な得票数で群馬県知事選を制し、2019年7月21日知事に初当選しました。

 

 就任後まもなく、一太知事は、当時千葉県の森田健作知事の政策アドバイザー制度を見習って、2名のアドバイザーを任命しましたが、同時に1名の首席補佐官も任命しました。

 

 首席補佐官ときくと、米国のホワイトハウス全体のスタッフを統括し、情報や大統領のスケジュールを管理する責任者をイメージしますが、日本の自治体では馴染みのない役職です。

 

■一太知事は、一体どのような人物を「首席補佐官」として抜擢したのでしょうか。当時の報道や記者会見を見てみましょう。

 

**********群馬県HP 2019年8月30日

【8月30日】アドバイザー及び首席補佐官の任命について(人事課)

 本日付けで、下記のとおり任命しました。

         記

1 アドバイザー

任命職/氏名/職業

  • ネットメディア戦略アドバイザー/宇佐美 友章(うさみ ともゆき)/株式会社REDMusic代表取締役プロデューサー

・有限会社未来検索ブラジル 企画部長/プロデューサー

日本工学院八王子専門学校 教育課程編成委員会委員

  • 政策アドバイザー/森原 誠(もりはら まこと)/青山社中株式会社共同代表COO

・株式会社ボストン コンサルティング グループ / アソシエイト・ディレクター

2 首席補佐官

新職/氏名/現職

  • 首席補佐官/片貝 和晶(かたかい かずあき)/総務部財政課次長

 

**********日本経済新聞社2019年8月30日19:02

群馬県、ネットアドバイザーに宇佐美友章氏

 群馬県は30日、SNSなどを通じた県の情報発信に関わる「ネットメディア戦略アドバイザー」に、ミュージックビデオ制作などを手掛けるREDMusic(東京)代表の宇佐美友章氏を任命したと発表した。7月に就任した山本一太知事が立ち上げたSNS戦略チームの活動をサポートし、国内外に向けた県の情報発信を加速させる。

群馬県の「ネットメディア戦略アドバイザー」に就任した宇佐美友章氏(30日、前橋市

 宇佐美氏はインターネットの動画投稿サイト「ニコニコ動画」の番組制作などを手掛ける。今後は県庁の32階に設置が予定される動画配信スタジオの運営にも携わる予定だ。宇佐美氏は30日の記者会見で「日本だけでなく世界に届くようPRをしていきたい」と話した。

 群馬県は同日、政策アドバイザーに青山社中(同)最高執行責任者(COO)の森原誠氏を、首席補佐官に県財政課次長の片貝和晶氏を任命した。

 

**********産経新聞2019年8月30日20:57

ネットアドバイザーら3人任命 山本知事「政策にノウハウ生かす」

 群馬県山本一太知事は30日、政策立案などについて助言する「ネットメディア戦略アドバイザー」と「政策アドバイザー」を、それぞれ任命したと発表した。知事を補佐する課長級の「首席補佐官」を任命したことも明らかにした。

 ネットアドバイザーに就いたのは音楽制作などを手がけるREDMusic代表取締役でプロデューサーの宇佐美友章(ともゆき)氏(55)。山本知事は会見で、「ネットを使って(情報などを)ユーザーに届けるノウハウを持っている」と任命理由を述べた。

 山本知事は会員制交流サイト(SNS)などを駆使し県政の情報発信を強める考えで、9月補正予算案には動画配信スタジオの設置費用を計上する方針だ。スタジオの設計や運営などについて宇佐美氏に助言を求めていく。

 政策アドバイザーには政策シンクタンク、青山社中の共同代表最高執行責任者(COO)の森原誠氏(39)が就いた。山本知事は「県が先進モデルをつくっていくうえで知恵を借りたい」と語った。両アドバイザーは県の非常勤特別職員として勤務する。

 また、首席補佐官には県財政課次長の片貝(かたかい)和晶(かずあき)氏(48)を任命した。

 

*********第4回定例記者会見要旨(8月30日)更新日:2019年8月30日

日時 令和元年8月30日(金曜日)午後2時05分~2時40分

会場 記者会見室

出席者 県:知事、副知事、総務部長ほか

記者:記者クラブ所属記者等 23人

記録作成 広報課(報道係)

令和元年8月30日の記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

https://www.youtube.com/watch?v=CA0rUXiyrS8&feature=youtu.be

 

■知事会見要旨

 まず、冒頭いくつか皆さんにご報告したいと思います。・・・(中略)・・・

 それから今日はですね、皆さんに新しく任命した3人のご紹介をしたいと思います。まずネットメディア戦略アドバイザーに先ほど任命させていただきました宇佐美友章(うさみともゆき)さんです。宇佐美さんはですね、今、音楽プロデューサーをやってるんですが、例えばニコニコ動画の番組制作に携わったり、あるいは六本木ニコファーレっていうニコ動の拠点がありますが、そこを作るプロジェクトに携わったり、あるいは専門学校の経営に携わったり、いろんなことをやってきてるんですけども、私とはずっと長年チームを組んでまして、直滑降ストリームという、この間、高崎に官房長官お呼びしましたけれども、この番組の制作についてもずっとタイアップをしてやってきたということです。

 私は非常に宇佐美さんに注目をしてるのはですね、2000年、皆さん音楽に詳しい方はよくご存じなんですが、丸山茂雄(まるやましげお)さんっていう音楽界で非常によく知られた方がいて、ソニーミュージックエンタテインメントの社長や会長をなさったプレイステーションの生みの親の1人と言われている方の人でですね、全盛期の小室哲哉さんのマネージャーをやってたんですが、この人が2000年の初めに株式会社に・よん・なな・みゅーじっくっていうレコード会社を作ったんですけども、最先端のネット戦略をこの会社が展開したということで、その丸山さんの信頼が一番厚いのが宇佐美さんで、実は丸山さんの後、宇佐美さんが社長に抜擢されたということで、極めてネットを使って物事を訴える、ネットを使ってユーザーに届けるっていう点においてはですね、もう極めてすぐれたノウハウと知恵を持っているということで、今回ネットメディア戦略アドバイザーをお願いしました。補正予算の目玉の一つである、この最上階に動画スタジオ作る、あるいは公開スタジオを作るっていうのもですね、いろいろ知恵を、ニコファーレの経験なんかも生かして、知恵を借りてますので、これからいろんな幅広い形で助けてもらうことになると思います。宇佐美友章さんです。

 それからもう1人は森原誠(もりはらまこと)さん。森原さんはですね、青山社中というシンクタンクで活躍をしています。今、ボストンコンサルティングにも属して、いろいろ活動してるんですけども、加えてこの群馬県の政策アドバイザーをお願いいたしました。実は群馬県議会との縁もあって、私が参議院自民党にいた時に、政策審議会長だった時だったと思いますが、この青山社中と契約をして国会のいろんな質問作りを手伝ってもらってたことがあります。その縁もあって、実は、須藤みどり市長が県連の幹事長だった時に県議団とつないで、群馬県議会も実は青山社中からいろいろ質問する時にアドバイスを受けていたっていう経緯があります。県連会長の時に群馬のブランド力向上プロジェクトっていうのを私が立ち上げたのを覚えていらっしゃる方もおられるかもしれませんが、これも実は相当、森原さんに手伝ってもらいました。これからいろいろ群馬県が先進モデルを作っていく、いろんなコンセプト作りをする中で、私の考えていることをしっかりと字にしてもらう、絵にしてもらう、そういう意味で森原さんの知見をぜひ活用させていただきたいというふうに思ってますし、「自我作古(じがさっこ)」チーム、先進事例研究チームの会議にもぜひ入っていただこうとこんなふうに思ってます。

 それから県庁の職員でありますが、今回、知事直属の首席補佐官に任命をさせていただいた片貝和晶(かたかいかずあき)さん。片貝さんはですね、実は、彼が県庁に入った頃からよく存じ上げてます。筑波の大学院で環境政策を勉強して県庁に入ったと。その後は、若手議員の頃から、いろいろ県庁の今の流れとか、トレンドみたいなものですね、時々教えてもらってました。私が何を一番買ったかっていうと、まず彼は財政にとっても強い。財政畑が長かった。自治省にも1年出向してるんですけれども、財政課でした。山本県政においては、やはり財政は非常に大事なので、この能力を買ったっていうことですね。それから実は先進事例をずいぶん彼は群馬県に導入したんです。一つは例えば、総務事務センター、これも片貝さんの発想だったというふうに記憶をしていますし、さっきも庁議でお話しましたが、群馬県の救急車全てにタブレットを配布して、いろいろと効率化を図るみたいなことも彼のアイディアだった。非常に先進事例を昔からよく研究して、幅広い知識を持ってるっていうことがあります。さらにこれも庁議で話したんですけど、政策プレゼンっていう制度があるんですが、これがなかなか厳しくて、若手職員がいろいろプレゼンするんですけども、なかなか実現したものが少ない。その中で県境の稜線トレイルという、職員プレゼンテーションで生まれた代表的なプロジェクトがあるんですけども、これも片貝さんが考えてプレゼンをして通したっていうことで、こういう能力を買って、今回、首席補佐官になってもらいました。おそらく3人とも一応直属のアドバイザーなんですが、組織の上からいくとですね、宇佐美さんには広報に所属してもらおうと思っておりますし、森原さんは、企画に一応所属してもらうということで、片貝さんは秘書課に所属してもらおうという形にしたいと思います。形式はどうでもいいんですけども、3人からはそういう形で折に触れていろんなアドバイスをもらいたいと。それから片貝さんは40代なんで、40代、あるいは30代の若い職員のいろんな知恵を吸い上げる役割もですね、私の周りでやってもらえたらと、そんなふうに感じております。参謀っていうのが正しいかどうかわかりませんが、外部からいろいろと群馬県政に力を借りる、片貝さんは内部ですけども、こういうフォーメーションでいきたいと思います。1人ずつ簡単にご挨拶をしていただいて、その後、皆さんのご質問を受けたいと思います。

 

(宇佐見ネットメディア戦略アドバイザー)

 ご紹介にあずかりました宇佐美と申します。ネットメディア戦略アドバイザーを拝命いたしました。これまで、特にネットのメディア、音楽系が多いんですけれども、ニコニコ動画YouTubeといったようなところでの、いろんな番組の制作だったり、それからスタジオのプロデュースだったりといったようなことを手がけてまいりました。私のそういったような部分の経験というのが、この群馬のPRに少しでもお役に立てればと思っておりますので、そういったところ、ここにお集まりのメディアの皆さんからのお知恵もぜひお借りしたいなと思っております。少しでも、日本はもちろんですけども、世界に届くようPRを頑張っていきたいというふうに思っておりますのでよろしくお願いいたします。

 

(森原政策アドバイザー)

 政策アドバイザーを拝命いたしました森原と申します。私は国の役所で8年、それから民間のコンサルティングシンクタンクで8年の仕事をしてまいりまして、こういったこの官民両方の見方であるとか、知識といったところを生かして、一つは知事が知事選で掲げておられました公約の推進、またそれを通じてですね、群馬県の県民の皆様の暮らしであったり、経済であったりというところを少しでも前に進める、良くするということができればと、お役に立ちたいというふうに考えておりますので、ぜひ今後ともよろしくお願いいたしたいと思っておる所存でございます。よろしくお願いいたします。

 

(片貝首席補佐官)

 首席補佐官の片貝と申します。よろしくお願いいたします。知事をよく補佐して、県民の皆さまが幸せを感じられるような県政が実現できるように尽くしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

■質疑応答

【アドバイザー及び首席補佐官の任命について】

(記者)

 新しいお三方、非常に注目度が高いもので、片貝さんは職員ということで経歴が出てないでしょうし、残りのお二方もネットに出てても間違えると大変なことになるんで、この会見後にお三方のですね、経歴書を(記者)クラブに配っていただきたい。

(知事)

 それでいいでしょう。それはそうします。

(記者)

 お三方については、片貝さんは職員だから職員の給料だと思うんですが、残りのお二方に報酬は発生するんですよね。

(知事)

 もちろんです。臨時の職員という形で常勤ではなくて。

(記者)

 片貝さんについては、職員の給料だってことでいいと思うんですが、それに手当がつくのかも明らかにしていただきたいですけど、残りのお二方についてはですね、県庁職員という大変な競争率のテストに受かったわけじゃないですし、特別職として議会で可決されて公表された金額があるわけじゃないんで、やはり報酬がですね、いくら発生しているかっていうのは、これはちょっと公表していただいた方がいいかなと思うんですが、いかがでしょうか。

(知事)

 何回、週に来てもらえるかとか、そういうことになると思うんで、今ちょっと確定的なことは言えないですが、だいたい他の自治体とか国のいわゆる参与とかアドバイザーとか、ほとんどそれと同じ水準だと思ってください。それは、これからどのぐらい来てもらえるかとかそういうところで細かい数字が決まってくると思います。

(記者)

 特定しませんけど、どこかの都道府県とかでですね、その種のものが採用されても金額がしばらく公表されずにですね、しばらく経ったらとてつもない金額だとかそんな事例がありましたもんですから、すいませんがよろしくお願いします。

(記者)

 報酬の件について、9月補正の予算に組み込まれるというわけではないんですか。

(知事)

 これは、ちょっと後でもし必要があれば担当課から解説してもらいますけども、補正予算には入れないつもりです。

(記者)

 財源は、お金はどこから出てくるのか。

(知事)

 財源は、ちょっと確認しますけど、今ある財源の中から出すということになります。補正には計上しません。

(記者)

 アドバイザーの方の権限の範囲というのが、ちょっとよく分からなくてですね。例えば部長の皆さんとどういう立ち位置で、どこまでの権限があって、庁議に出るのかとか、そこら辺をもうちょっと説明していただきたいです。

(知事)

 それはもっともな質問だと思いますけど、まず副知事は、しっかり法律で決まってる。(前回の会見で)私の言ったことが、ややちょっと言葉が足りなかったと思うんで、今日言おうと思ってたんですけども、両副知事には両副知事の所掌範囲っていう決まったものがあるので、これはちゃんときちっと踏襲してもらって、その上で確か企画とか人事は共管になってるんで、それはそれとしてあるんですけれども、例えばこちらの副知事の事務に入ってるものであっても、場合によっては2人の知恵を借りて、そこもちょっとフレキシブルにやってこうっていうことなんで、副知事については、だいたい決まってるんですけども、アドバイザーは、そこら辺のところはですね、こういう業務っていうのはまだかちっと決めてないとこもあるんで、今言った流れの中でちょっと走りながら少し考えていきたいというふうに思ってます。

 アドバイザーなんで、これはこの人がやるっていうよりも、その時の流れによっていろいろ変わってくると思うんですが、まず宇佐美さんについて言うと、ネットメディア戦略ですから、これからネットメディアで発信するいろんな事業、例えばスタジオを作るっていうのは、ネットメディアで発信するっていうので、これのいろんな企画とか、あるいはスタジオをこれから作っていく、そういうことにはしっかりとまず中心的に関与してもらうと。その他、例えばいろんな事業についてもこれをどうやって知らせるっていうことが大事なんで、場合によってはこの会議に出てもらった方がいいかどうかっていうのは、それは少し臨機応変に決めていきたいと思います。

 森原さんについては、まず一つは間違いなくやってもらわなければいけないのは、片貝補佐官に統括してもらう「自我作古」のチームにはぜひ知恵を借りたい。すごく幅広い経験もあるし、外国の事例もよく知っているので、ここにちょっと知恵をインプットしてもらいたいっていうことと、例えば外国人の問題でもそうなんですけども、新しいコンセプトを県庁で作るとかいう時にはですね、やはり中心になって、それを絵にしてもらう、字にしてもらうということをやってもらいたいと思うので、これとこれとこれをやりますっていうよりは、今言った大きな流れの中で少し柔軟に助けてもらおうと思っています。

(記者)

 群馬県、もともと群馬県のご出身ではいらっしゃらないと。関わりもあったというお話ありましたけれども、その外部から入ってこられる方と、それから群馬県のもともとの生え抜きの県庁職員の皆さん、そこら辺のバランス感覚みたいなものは、知事がアドバイスを受ける中でご自身としての平衡感覚を保てるというふうにお考えになっていらっしゃいますか。

(知事)

 物事っていうのは、いろんな複眼的な目で見た方がいいと思うんですよ。一つのことを議論するにも、いろんな角度から議論できる人がいた方がいいのが当たり前であって、別にそのアドバイザーは群馬県出身の人でなくてもいいし、むしろ外から見て群馬県のことが分かる人がいいと思ってます。

 多分、今おっしゃった話はね、群馬県の職員の人もいる、例えばこの副知事2人は、まさしく山本体制の骨格ですよね。法律にも定められている本当に骨格なんですけども、例えば今日の、特に2人は外からいろんなアドバイスをしてくれるわけであって、いろんな見方を提供してもらって、今言ったバランス感覚っていうのは、こういうことだと思うんですけども、いろんな意見を聞きたいし、それぞれまた外部から来たとしても県庁の職員の皆さんともよく連携をとってもらいたいと思いますし、船頭を多くしてみたいな感覚を持つ人もいると思いますが、それは全く心配していません。なぜなら最後は私が決める。最後は私が責任を取ると。ここがはっきりしてるので、むしろこれだけのいろんな分野でいろんな知識を持った人たちが集まるっていうことはとっても強力なチームになると思っています。

(記者)

 首席補佐官の立ち位置というか、その権限というか、そこら辺をお伺いしたいのですが。

(知事)

 だからその権限っていうか、そういう定められたルールはないんですけども、何で首席補佐官ていう立場にしたかっていうとですね、やはり首席補佐官っていう名前をつけることによって、トップマネジメントに常に入ってもらうと。これから県知事として重大な決断をする。あるいは県として大きな方針を決めていく。そういう、いわゆるトップマネジメントの会議には必ず入ってもらうと。そのことをしっかり分ってもらうために首席補佐官という言葉にしました。

 立ち位置はもちろん県職員で、しばらくはやっぱり彼がちょっといないと予算が大変だと思うんで、財政課にはしばらく残ってもらいますけれども、財政の仕事もやりながら、特に最初は「自我作古」の話をずっとやってもらいたいと思いますし、私が直接いろんなこういうことをやってほしいっていう特命事項をおそらくやってもらった時に、分野横断で各部局横断で彼に少し動いてもらおうと思ってます。もちろんその時は、さっきも言ったんですけども、2人の副知事ともよく連絡をとりながらやってもらおうと、そう思ってます。

 

**********第5回定例記者会見要旨(9月5日)更新日:2019年9月5日

日時 令和元年9月5日(木曜日)午後15時00分~15時35分

会場 記者会見室

出席者 県:知事、副知事、総務部長ほか

記者:記者クラブ所属記者等 22人

記録作成 広報課(報道係)

令和元年9月5日の記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

https://www.youtube.com/watch?v=Mp20diUGPEY

 

■知事会見要旨

 それでは時間ですので、定例記者会見を始めさせていただきたいと思います。

 今日は主に三つのことについて、皆さんにご報告をしたいと思います。一つはですね、前回の記者会見でも何人かの記者の方からご質問がありましたが、先般、任命をさせていただいたネットメディア戦略アドバイザー、政策アドバイザー、そして首席補佐官に関して、その位置付けとかですね、あるいは報酬、これ少し整理をさせていただいて、また公表させていただきますというふうにお約束を申し上げました。オープンにしろというのは、これはもっともな話なので、そのことをまず最初にご報告をさせていただこうと思います。二つ目はですね、豚コレラ対策緊急総合支援事業の経緯と内容についてお伝えをしたいということと。三つ目はですね、かねてから立ち上げるお約束をしておりましたが、自我作古(じがさっこ)チーム、いよいよ人選も固まりましたので、コンセプトも。これも今日ですね、発表させていただきたいというふうに思います。

 まず最初にアドバイザーの報酬等々についてご報告をさせていただきたいと思います。まず政策アドバイザー森原 誠(もりはら まこと)氏なんですけども、まず業務内容ですけども、知事の推進する重要な政策について知事に進言し、または助言すると、こういうことです。主な項目としては、県政の主要政策の検討、県総合計画の策定、新たな群馬モデルに関する情報発信。そして今日、立ち上げる予定の自我作古チームですね、先進事例の研究、群馬モデルの提案をやってもらうわけですが、このチームの運営、その他ということです。身分は、非常勤の特別職ということで、任期は1年以内。ただし再任を妨げない、ということにさせていただきたいと思います。勤務形態は週当たり1日という勤務を想定させていただきたいと思います。報酬は月額15万円。別途、通勤手当を実費支給するということで、ボーナスはもちろんありません。週当たりの勤務以外にも、リモートでいろんな仕事をしていただくっていうことになると思いますし、メールとか電話などでの相談、あるいは資料作成もやっていただくっていうことなので、報酬は月額で設定させていただきたいと思っています。この報酬額の設定はですね、常勤職員の外部人材招へい時にも用いられる特定任期付職員の給料表、これをベースに算出をさせていただきました。一応、知事直属のアドバイザーということですが、配置先は前回の会見でもご報告を申し上げましたが企画課にさせていただきたいと思います。

 次にネットメディア戦略アドバイザー宇佐美 友章(うさみ ともゆき)さんですけども、業務内容はネットメディア戦略について、知事に進言し、または、助言すると。主な業務の項目としては、県庁全体のネットでの情報発信戦略、旧来のメディア(である)紙媒体・ラジオ・テレビによる情報発信力をネットメディアを使って高めること。

 さらには動画スタジオの設置とその後の運営。加えて、動画スタジオを使った番組の企画と放送。さらに知事のネットチャンネルの企画と運営、その他、ということにさせていただきたいというふうに思います。身分は、非常勤の特別職ということで、森原さんと同じように1年以内。ただし再任を妨げないということにさせていただきたいと思います。勤務形態は週当たり3日間の勤務を想定をさせていただくということで、月額45万円ということで、別途通勤手当は支給をさせていただきたいということでボーナスはありません。月額の支給、報酬額の設定の根拠は政策アドバイザーと同じです。配置は、広報課にさせていただきたいというふうに思っています。

 他県の事例、いろいろあるんですが、職責とか業務内容で異なりますけれども、時給は調べてみたら5000円からだいたい1万1000円ぐらいまでの範囲であります。日額でいうと、だいたい2万円ぐらいから10万円までの例があるということです。

 例えば群馬県の類似例でいくとですね、顧問弁護士、これ行政対象の暴力についていろいろとご相談をさせていただいていますが、週1回だいたい1回当たり2時間の勤務を想定してますけども、月額15万円お支払いしてます。

 それから公認会計士、特別専門監査、農協検査、卸売市場専門検査等々でいうと1日6時間勤務の想定ですが、日額で3万1000円ということになっています。さらに質問が出る前に申し上げておきますが、アドバイザー報酬の予算対応、どの予算ですかっていうご質問もあったので、これもお答えすると、今年度については、臨時的な出費に対応するための予算から支出をさせていただきたいと思います。来年度は、当初予算に必要な額を計上するということで、政策アドバイザーは企画課の予算、ネットメディア戦略アドバイザーは広報課の予算ということです。

 ちなみに(首席補佐官)片貝 和晶(かたかい かずあき)さんについて言うと、県庁の職員なので給与以外に特別な報酬を申し訳ないんですけれども、提供する予定はありません。ということで、また後でご質問があればお受けしたいというふうに思います。

 (中略)

 続けて自我作古チームの説明をさせていただきたいと思います。今、そのメンバーが決まりましたのでここに並んでもらいます。これが皆さん自我作古チームです。自我作古(額縁)これは清水太田市長に書いてもらいました。これは実は行政マンとしても尊敬する清水太田市長のモットーでもあります。皆さん、意味はご存知だと思いますが、これはもともと中国の古典から来てるんですけども、福沢諭吉翁がですね、若い書生にいつも話していた言葉です。簡単に言うと、自ら古(いにしえ)をなすということですね。どういうことかというと、人まねではなくて、自分で創始者になると。すなわち、これは知事として掲げた目標というよりも野望と言っていいかもしれません。群馬県が先駆となったいわゆる政策モデルを作って、それによってある意味、中央も変えていくと、こういう先進的なモデルを発信するという意味で、自我作古というこのチームに名前をつけさせていただきました。

 自我作古チームはですね、先般、任命したばかりの片貝和晶知事首席補佐官にやってもらいますので、片貝さんの方から一言、全員を紹介していただけますか。

 

(片貝首席補佐官)

 チームのリーダーを務めさせていただきます片貝と申します。よろしくお願いいたします。最初にメンバーを紹介させていただきます。こちらから、総合政策室の関根さん、木村さん、橋本さん、萩原さん。こちらが総務課の小野里さん。財政課の鷺坂さん、関さんです。あと今日ですね、不在なんですけども総務課の戸塚さんと政策アドバイザーの森原さんが不在にしておりますけれども、このメンバーで取り組んでまいりますのでよろしくお願いいたします。

 人口が減少していく中で地方自治体の知恵が試される社会になっておりますけれども、自我作古チームの活動が、群馬県政の新たな挑戦のきっかけとなるよう取り組んでまいります。よろしくお願いいたします。

 

 今、言ったとおりなんですけど、ざっとご紹介します。今、片貝補佐官から説明があったこういうチームを作っていきたいということですね。

テーマに応じて、実は必要な職員を随時補充していくと。自我作古チームは、新しい群馬のモデルを発信するっていうことになると、主役の一人になると思うんで、例えばこういうテーマを扱って、こういう政策を作っていきたいという時には、その都度、会見をして発信することになると思います。

 簡単に言うとですね、検討の流れ、まずテーマを選定する。知事協議をやってテーマを決定する。他自治体の先進事例を調査研究する。これも必要があれば、あちこちに視察に行ってほしいと思っています。知事に報告して事業化、検討テーマを決めると。それについて、先進事例を含めてどうやって一歩二歩進んだ群馬モデルができるかということを検討して、予算編成の過程でさらに知事との協議を重ねて事業化をする、発信をすると、こういう流れを考えています。成果イメージは、群馬モデルの発信をすると。これによって効果的・効率的な政策を実現する。そして群馬モデルの確立、発信をすると、こういうことです。自我作古チームの説明は以上でございます。

 ちょっと長くなってしまいましたが皆さんからのご質問をお受けしたいと思います。

 

■質疑応答

【自我作古チームについて】

(記者)

 自我作古チームについてなんですけれども、どういった視点を持って任命されたのかっていうところを教えてください。

(知事)

 それはですね、これは首席補佐官である、このチームの長である片貝補佐官とそれから人事課長等と相談してもらって、最もこの先進事例を発掘するために良い人材を選んでもらったということです。そこはお任せしました。若手中心ですよね。

 

【アドバイザーの設置について】

(記者)

 要望なんですけど、アドバイザー、これ要綱作ったんですよね。これだけ細かいことおっしゃったのは。

(知事)

 要綱というか、方針を作った。今、発表したのが方針。

(記者)

 それは何か県の規則として何か要綱として、何かあるってことではないのですか。

(知事)

 県の要綱というよりも、今までのいろんな例とか、さっき結構きちんと説明したけど、それを踏まえて、今回こういう方針を定めたということを発表したんです。

(記者)

 精査したいんで紙にして出していただきたい。

(知事)

 今、言った中身だったら別に。今だけど全部言ったからね。

(記者)

 あれが全て。

(知事)

 あれが全て。言ったとおりです。ちゃんと今の聞いておられたから。

(記者)

 録音は全部してあるんだけど。

(知事)

 それでいいです。

(記者)

 ルールとか要綱として細かく定めたわけじゃない。

(知事)

 そうではない。方針を決めた。

(記者)

 だけど、他の自治体ではやっているじゃないですか。きちんと定めた方がいいんじゃないんですか。

(知事)

 要綱を作っているかどうかは分からないけれど、今の、その説明としてはこれで十分だと思っています。それは、きちっと、まずその採用する理由もあれば、業務もはっきりしているし、ここまでオープンにしたっていうことでいうと、これで十二分に説明になっていると私は思います。

(記者)

 分かりました。はい。

 (※県では両アドバイザーについて設置要綱を定めています。)

(以上で終了)

**********

 

■当会では、6年前に、県職員でありながら、一太知事に首席補佐官に抜擢された片貝和晶氏のことをもっとよく知りたいと考えて、令和7年1月10日付で以下の内容で公文書開示請求書を一太知事あてに提出しました。

 

*****1/10群馬県公文書開示請求書*****

<開示を請求する公文書の内容又は件名>

 令和元年8月30日(金)午後に行われた第4回定例記者会見において、山本知事が、知事直属の首席補佐官として任命した県職員の片貝和晶氏について、「彼が県庁に入った頃からよく存じ上げている」「筑波の大学院で環境政策を勉強して県庁に入った」「その後は、(自分が)若手議員の頃から、いろいろ県庁の今の流れとか、トレンドみたいなものを時々教えてもらっていた」「彼は財政畑が長かった」「自治省(の財政課)にも1年出向している」「先進事例をずいぶん彼は群馬県に導入した。例えば、総務事務センター、群馬県の救急車全てにタブレットを配布して効率化、職員プレゼンで県境稜線トレイルを提案」などを任命理由に挙げました。ついては、次のことが分かる情報。

①会見後、記者クラブに配布した片貝氏の経歴書

②片貝氏の入庁以降、現在までの異動記録(所属部署、職位、業務概要)

③知事が若手議員だったころから、知事の首席補佐官として任命されるまで、知事と片貝氏との接点の可能性があった機会(時期、頻度など)

④片貝氏が自治省に出向することになった経緯

⑤総務事務センターが先進事例として知事に評価される理由(わけ)

⑥県内全部の救急車にタブレット配布した事業の概要(時期、数量、効果)

⑦片貝氏による県境稜線トレイルの職員プレゼン資料

⑧首席補佐官のポストの職務内容及び根拠(例えば、群馬県職員の職の設置に関する規則に照らした解釈など)

⑨片貝氏は、財政課次長だったと思われるが、令和元年8月30日付で課長級の首席補佐官に任命されたことから、給与、手当にどのように反映されたのか(具体的な金額を含む)

**********

 

■この結果、2025年1月24日付で、開示請求書の③および⑤~⑦については開示されましたが、残りの①②④⑧⑨については、年度末の人事関連業務が多忙という理由で、開示期間が2024年3月10日までの延長が通知され、2025年3月7日付で部分開示決定通知が郵送されてきました。

 

 開示された資料を見ると、片貝氏の数々の提案が実現した実績を示す情報のほか、入庁後から現在に至るまでの同氏の所属部署と職位を記した暦年の県職員録の写し等から、次の情報が分かりました。

 

*****片貝和晶氏の県庁職歴*****

平成 7年 4月 群馬県衛生環境部環境局自然環境課尾瀬保全推進室 主事 篠原和晶

         ※尾瀬保全推進室:尾瀬保全対策、尾瀬保護財団の設立及び財団支援

平成 8年 4月 群馬県衛生環境部環境局自然環境課尾瀬保全推進室企画推進係 主事 篠原和晶

         ※企画推進係:尾瀬保全対策、尾瀬保護財団の支援

平成 9年 4月 群馬県衛生環境部環境局自然環境課尾瀬保全推進室企画推進係 主事 篠原和晶

平成10年 4月 群馬県高崎財務事務所地域振興室振興課 主事 篠原和晶

平成11年 4月 群馬県東京事務所行政第二課 主事 篠原和晶

平成12年 4月 群馬県総務部財政課財政係 篠原和晶⇒片貝和晶

         ※財政課財政係:予算編成経理地方交付税、地方贈与税、財政概要の公表

平成13年 4月 群馬県総務部財政課財政係 主任(事) 片貝和晶

         ※財政課財政係:予算編成経理地方交付税、地方贈与税、財政概要の公表

平成14年 4月 群馬県総務部財政課予算係 主任(事) 片貝和晶

         ※財政課予算係:予算編成経理、県財政運営、知事会、事件議案

平成15年 4月 群馬県総務部総務課予算グループ 主任(事) 片貝和晶

         ※総務課予算グループ:議会、予算、決算、会計、企画調整、管財

平成16年 4月 群馬県総務部総務課総務事務集中化グループ(8/10~ 主任 片貝和晶(総務課行革・評価グループから)

         ※行政改革・行政評価室/行革・評価グループ:地方分権行政改革、行政評価、公共事業事前評価、公社・事業団改革、政策会議

平成17年 4月 群馬県総務部総務事務センター管理グループ 主任(事) 片貝和晶(11/1秘書課へ)

         ※総務事務センター/管理グループ:総務事務システムの開発、運用、管理

平成18年 4月 群馬県総務局秘書課秘書グループ 主任(事) 片貝和晶

         ※秘書グループ:知事・副知事の秘書

平成19年 4月 群馬県総務局秘書課秘書グループ 副主幹(事) 片貝和晶

         ※秘書グループ:知事・副知事の秘書

平成20年 4月 群馬県総務局総務部市町村課地方債・公営企業係 副主幹(事) 片貝和晶

         ※市町村課地方債・公営企業係:地方債、地方公営企業連絡調整、市町村建設事業資金貸付金、地方公営競技、市町村振興協会、市町村土地開発公社第三セクター

平成21年 4月 群馬県利根沼田県民局利根沼田行政事務所企画振興係 副主幹(事) 片貝和晶

         ※利根沼田行政事務所企画振興係:局内総合調整、地域連携推進、地域振興、観光振興、広報・広聴、防犯推進、電気工事業、商工業振興、制度融資、中心市街地活性化

平成22年 4月 群馬県利根沼田県民局利根沼田行政事務所企画振興係 副主幹(事) 片貝和晶

         ※利根沼田行政事務所企画振興係:局内総合調整、地域連携推進、地域振興、観光振興、広報・広聴、防犯推進、電気工事業、商工業振興、制度融資、中心市街地活性化

平成23年 4月 群馬県健康福祉部医務課地域医療係 主幹(事) 片貝和晶

         ※医務課地域医療係:救急・災害・へき地当医療体制整備、ドクターヘリ、各種補助制度の運用、自治医科大学

平成24年 4月 群馬県健康福祉部医務課地域医療係 主幹(事) 片貝和晶

         ※医務課地域医療係:救急・災害・へき地当医療体制整備、ドクターヘリ、各種補助制度の運用、自治医科大学

平成25年 4月 群馬県企業局総務課財政係 財政係長(事) 片貝和晶

         ※企業局財政係:予算編成・管理、予算執行計画、企業債、議会

平成26年 4月 群馬県企業局総務課財政係 財政係長(事) 片貝和晶

         ※企業局財政係:予算編成・管理、予算執行計画、企業債、議会

平成27年 4月 群馬県総務部財政課交付税係 交付税係長(事) 片貝和晶

         ※財政課交付税係:地方交付税交通安全対策特別交付金地方譲与税の算定

平成28年 4月 群馬県総務部財政課予算編成係 補佐(事)(予算編成係長) 片貝和晶

         ※財政課予算編成係:予算編成、事業評価

平成29年 4月 群馬県総務部財政課予算編成係 補佐(事)(予算編成係長) 片貝和晶

         ※財政課予算編成係:予算編成、事業評価

平成30年 4月 群馬県総務部財政課 次長(事) 片貝和晶

平成31年 4月 群馬県総務部財政課 次長(事) 片貝和晶(8/30秘書課へ:9/10まで業務)

         ※後任:補佐(事)(予算編成係長)原孝規(9/11次長へ)

 

   <辞令>片貝和晶

       総務部秘書課首席補佐官(主監)を命ずる

       兼ねて総務部財政課勤務を命ずる

       令和元年8月30日

       群馬県知事 山本一太

   <群馬県職員の職の設置に関する規則>昭和31年10月19日規則第56号)

     (職員の職)

    第三条 法令に定めるものの他、職員の職及び職務内容は、次に掲げるとおりとする。

      定年前再任用短時間勤務職員以外の職員

 

令和 2年 4月 群馬県知事戦略部 首席補佐官 片貝和晶

令和 3年 4月 群馬県知事戦略部 首席補佐官 片貝和晶

令和 4年 4月 群馬県知事戦略部 首席補佐官 片貝和晶

令和 5年 4月 群馬県知事戦略部秘書課 首席補佐官(事) 片貝和晶

令和 6年 4月 群馬県知事戦略部秘書課 課長(事)首席補佐官 片貝和晶

**********

 

■当会が開示請求した情報のうち、とりわけ関心があったのは、「③知事が若手議員だったころから、知事の首席補佐官として任命されるまで、知事と片貝氏との接点の可能性があった機会(時期、頻度など)」ですが、これについては具体的な資料は見当たりませんでした。

 

 そのため、当会は、一太知事の国会議員時代から維持してきた政治団体の収支報告書を調べることにして、群馬県選挙管理委員会に問い合わせたところ、令和元年度まで「自由民主党群馬県参議院選挙区第三支部」の代表を一太知事が務めていることを教えてもらいました。

 

 そこで、さっそく同政治団体の収支報告書を過去に遡って閲覧しようとしましたが、群馬県選挙管理委員会では平成29年、30年、令和1年の3年分しか保存していないことが分かりました。そのため、選管に「どうしたら、それ以前の収支報告書を閲覧できるのでしょうか?」と訊いたところ、いろいろ調べていただき、「平成28年以前の同政治団体の収支報告書は国会図書館で保存されている」と教えてもらいました。さらに「ネットを使って国会図書館にアクセスすれば、閲覧可能なものもある」ということで、さっそく、パソコンからアクセスして検索すると、政治団体自由民主党群馬県参議院選挙区第三支部」の平成25年以降、平成28年までの収支報告書をダウンロードすることができました。

 

■入手した収支報告書の中身を見ると、驚いたことに、片貝和昌氏が山本一太知事(当時は参議院議員)が代表を務める同政治団体の寄附者として、平成25年、26年、28年にそれぞれ2万円ずつ寄附をしていたことが分かりました。

 

<平成25年分>

平成26年分>

 

平成28年分>

 

 なお、平成24年以前の収支報告書については、国会図書館に保存してあるようですが、ネットでダウンロードができないため、写しを入手する場合は、実際に国会図書館を訪れて、必要な手続きをする必要があります。

 

■このように、片貝和晶氏は、山本一太知事(当時は参議院議員)が代表を務める政治団体に寄附をした事実が確認できました。そこで、群馬県選管にこのことを告げたうえで、地方公務員法など、関係法令に照らして、公務員による政治団体への寄附行為は問題ないのかどうか、質しました。

 

 すると、県選管の担当者は、「あくまで一般論であり、個々の事例に対するコメントは差し控えるが、地方公務員法第36条第1項で禁じられているのは、政治団体等の発起人や代表者になったり、勧誘したりすることで、単に自分が団体に入ること、会合に出席すること、党員になること、そして、個人で献金するだけなら、問題はない」と説明してくれました。

 

 しかし、片貝和昌氏は、一太知事の出身地である吾妻郡草津町に程近い吾妻郡中之条町に居住しており、なによりも、群馬県庁に勤務する公務員であり、しかも、上述のとおり2019年(令和元年)8月30日に一太知事に首席補佐官に大抜擢されており、結果的に公務員と公務員特別職との関係性に至ったことを考えると、当会としては、大抜擢した一太知事の見解を聞いておく必要を感じました。

 

 さらに、同政治団体では、寄附者である片貝和晶氏の「職業」について、「会社員」と記載しています。直接ご本人に確認したところ、「自分は以前から山本一太事務所の関係者と親しくしており、私が群馬県職員であることは、皆ご存じのはず」として、「なぜ、私の職業を会社員と書いたのか、事情は分からない。理由を知りたければ、事務所に確認してもらえばよい」とのご見解でした。

 

■このため、当会は、次の公開質問書を作成し、山本一太事務所に提出することにしました。

 

*****5/26公開質問書*****

                          令和7年5月26日

〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町草津464-11

政治団体山本一太事務所 御中

写し:群馬県知事 山本一太

 

            〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号

            市民オンブズマン群馬  代表  小川 賢

            Eメール:ogawakenpg@gmail.com

            TEL: 090-5302-8312(代表・小川)

            FAX: 027-224-6624(事務局)

 

政治団体収支報告書における片貝和昌氏(知事首席補佐官・秘書課長)に係る職業欄の記載及び関連事項について【公開質問】

 

拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 弊団体は、行政およびその関連機関を外部から監視し、当該機関による権限の不当な行使ないしは不行使による一般住民への権利利益侵害、並びに税金を原資とした公的資金の濫費について、調査および救済の勧告を図る活動をしている民間団体です。

 さて、群馬県山本一太知事は4月24日の記者会見で、自身が代表を務める政治団体政治資金収支報告書で、個人献金者の住所欄に、献金者が経営に携わる企業の所在地などを記載した例があったと明らかにし、事実上の企業・団体献金と疑われかねず「監督不行き届きにほかならない」と陳謝しました。貴事務所によると、企業所在地や、献金者の旧住所を記載した例が2021~23年分の収支報告書で計19件あり、金額は計127万円だったとしています。また、山本一太知事は、「これらの記載が実態と異なる可能性がある」として見解を尋ねた共同通信の4月22日付質問状に対して、会見で、「誤記載だったとし、献金者に自身の住所を記入するよう求めたものの、経営する会社の住所を報告された例があったと説明。転居したことを知らなかった例もあったとし「法の趣旨にのっとり、適切に対応したい」と述べました。

 つきましては、山本一太知事が参議院議員時代に、代表者を務めていた自由民主党群馬県参議院選挙区第三支部の収支報告書に関連して、以下の質問があります。

 諸事多忙のところ誠に恐縮ですが、令和7年6月6日(金)午後5時までに必着でご回答を上記連絡先宛に郵送、Eメール或いはFAXでお願いいたします。

 

                記

【質問1】

 平成25年、26年、28年の自由民主党群馬県参議院選挙区第三支部の収支報告書の個人からの寄付者の内訳において、「氏名:片貝和昌」「金額:20,000」「住所:吾妻郡中之条町中之条673-2」「職業:会社員」との記載があります。片貝和昌氏は、山本知事が県知事選で初当選し就任した直後に、次長から首席補佐官として抜擢された人物ですが、なぜいずれも収支報告書には、片貝和昌氏の職業を「公務員」ではなく、「会社員」と記載したのでしょうか。理由を分かりやすくご教示ください。

 

【質問2】

 片貝和昌氏からは、上記の政治団体に対して、平成25、26、28年以外でも寄附がありましたか。あった場合は夫々、いつ、いくらの寄付額でしたか。また、職業欄にはどのような記載がありましたか。

 

【質問3】

 片貝和昌氏からは、山本一太氏の関連する政治団体や後援会などに対して、これまで個人の寄付がありましたか。あった場合は、夫々、どの団体に、いつ、いくらの寄付がありましたか。また、職業欄にはどのような記載がありましたか。

 

【質問4】

 地方公務員法により、公務員は政治的目的の活動が禁じられていますが、選挙の場合、公務員であっても、自身の居住する選挙区以外の選挙の候補者に対する寄附行為は許されていると聞いています。この観点から、片貝和昌氏が、山本一太参議院議員時代に、地元選挙区に住民票があった場合、山本一太氏への寄付行為について、公選法地公法等に照らして、問題ないと判断したと思われますが、その判断の根拠を教えてください。

 

【質問5】

 国会議員が知事や市長等の首長に転出する場合、自身の議員時代の秘書や側近を政策アドバイザーとして起用することが一部で慣例化していると聞きます(例えば、千葉県知事だった森田健作氏、長野県知事だった村井仁氏、大阪市長だった橋本徹氏)。今回、山本一太知事が片貝和昌氏を秘書課長に抜擢し、併せて首席補佐官を委嘱した背景には、そうした「慣例」を意識した経緯があったのでしょうか。詳しく教えてください。

 ちなみに、令和元年8月30日(金)午後に行われた第4回定例記者会見において、山本知事は、知事直属の首席補佐官として任命した県職員の片貝和晶氏について、「彼が県庁に入った頃からよく存じ上げている」「筑波の大学院で環境政策を勉強して県庁に入った」「その後は、(自分が)若手議員の頃から、いろいろ県庁の今の流れとか、トレンドみたいなものを時々教えてもらっていた」「彼は財政畑が長かった」「自治省(の財政課)にも1年出向している」「先進事例をずいぶん彼は群馬県に導入した。例えば、総務事務センター、群馬県の救急車全てにタブレットを配布して効率化、職員プレゼンで県境稜線トレイルを提案」などを任命理由に挙げました。

 

【質問6】

 片貝和昌氏の今後の処遇について、山本一太知事として、現時点でどのようにお考えでしょうか。

                                以上

**********

 

 この際、宛先として「政治団体山本一太事務所」とし、ネットで住所を調べると「群馬県吾妻郡草津町草津464-11」とあったので、そのように記載し、県庁地下1階の郵便局で投函した後、一太知事にも写しを提出しようと、県庁6階の知事室のある秘書課に届けました。

 

 

 ちょうど秘書課の奥の中央の課長席に、ご本人の片貝課長が在籍していたため、直接説明して写しを手渡すことにしました。

 

 応接室に案内されて、山本一太事務所あての公開質問書の写しをお渡しして「さきほどこれを事務所あてに郵送しておきました」と片貝課長に説明したところ、すぐさま片貝課長から2点ご指摘をいただきました。

 

 1点目は、「冒頭の山本一太事務所の住所が違っている」というものです。当会が「ネットで何度も検索しましたが、出てくるのはこれしか見つかりませんでした」と説明したところ、片貝課長から「オンブズマンとあろうものが、調査不足も甚だしい。きちんと確認してから行動しないと、こういうことになりかねない」と厳しくご叱責をいただきました。

ネットで「山本一太事務所」のキーワードで検索すると出て来る吾妻郡草津町の住所地図

 そこで、当会は片貝課長に「ご存知でしたら、事務所の正しい住所を教えていただいてもよろしいでしょうか?」と訊ねたところ、片貝課長はスマホを操作し、当会に「住所はここだ。昔からここにある」と画面を見せていただいたので、それをメモしました。

 

 2点目は、「私の名前が間違っています」というものです。あらためて見直したところ、ご指摘のとおり「片貝和昌」とあり、正しくは「片貝和晶」と記すべきでした。丁重にお詫びしましたが、ここでも「オンブズマンとあろうものが」と厳しいご指摘を賜りました。

 

■片貝秘書課長から、直々に上記の訂正すべき箇所をご指摘いただいたので、帰宅後、あらためて2点の修正点を反映した次の訂正版を作成し、投函しました。

 

*****5/26訂正版公開質問書*****

                          令和7年5月26日

〒371-0846群馬県前橋市元総社町1丁目3-10 NSビル2階

山本一太事務所 御中

写し:群馬県知事 山本一太

 

                〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号

                市民オンブズマン群馬  代表  小川 賢

                Eメール:ogawakenpg@gmail.com

                TEL: 090-5302-8312(代表・小川)

                FAX: 027-224-6624(事務局)

 

政治団体収支報告書における片貝和晶氏(知事首席補佐官・秘書課長)に係る職業欄の記載及び関連事項について【公開質問】

 

拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 弊団体は、行政およびその関連機関を外部から監視し、当該機関による権限の不当な行使ないしは不行使による一般住民への権利利益侵害、並びに税金を原資とした公的資金の濫費について、調査および救済の勧告を図る活動をしている民間団体です。

 さて、群馬県山本一太知事は4月24日の記者会見で、自身が代表を務める政治団体政治資金収支報告書で、個人献金者の住所欄に、献金者が経営に携わる企業の所在地などを記載した例があったと明らかにし、事実上の企業・団体献金と疑われかねず「監督不行き届きにほかならない」と陳謝しました。貴事務所によると、企業所在地や、献金者の旧住所を記載した例が2021~23年分の収支報告書で計19件あり、金額は計127万円だったとしています。また、山本一太知事は、「これらの記載が実態と異なる可能性がある」として見解を尋ねた共同通信の4月22日付質問状に対して、会見で、「誤記載だったとし、献金者に自身の住所を記入するよう求めたものの、経営する会社の住所を報告された例があったと説明。転居したことを知らなかった例もあったとし「法の趣旨にのっとり、適切に対応したい」と述べました。

 つきましては、山本一太知事が参議院議員時代に、代表者を務めていた自由民主党群馬県参議院選挙区第三支部の収支報告書に関連して、以下の質問があります。

 諸事多忙のところ誠に恐縮ですが、令和7年6月6日(金)午後5時までに必着でご回答を上記連絡先宛に郵送、Eメール或いはFAXでお願いいたします。

 

                記

【質問1】

 平成25年、26年、28年の自由民主党群馬県参議院選挙区第三支部の収支報告書の個人からの寄付者の内訳において、「氏名:片貝和晶」「金額:20,000」「住所:吾妻郡中之条町中之条673-2」「職業:会社員」との記載があります。片貝和晶氏は、山本知事が県知事選で初当選し就任した直後に、次長から首席補佐官として抜擢された人物ですが、なぜいずれも収支報告書には、片貝和晶氏の職業を「公務員」ではなく、「会社員」と記載したのでしょうか。理由を分かりやすくご教示ください。

 

【質問2】

 片貝和晶氏からは、上記の政治団体に対して、平成25、26、28年以外でも寄附がありましたか。あった場合は夫々、いつ、いくらの寄付額でしたか。また、職業欄にはどのような記載がありましたか。

 

【質問3】

 片貝和晶氏からは、山本一太氏の関連する政治団体や後援会などに対して、これまで個人の寄付がありましたか。あった場合は、夫々、どの団体に、いつ、いくらの寄付がありましたか。また、職業欄にはどのような記載がありましたか。

 

【質問4】

 地方公務員法により、公務員は政治的目的の活動が禁じられていますが、選挙の場合、公務員であっても、自身の居住する選挙区以外の選挙の候補者に対する寄附行為は許されていると聞いています。この観点から、片貝和晶氏が、山本一太参議院議員時代に、地元選挙区に住民票があった場合、山本一太氏への寄付行為について、公選法地公法等に照らして、問題ないと判断したと思われますが、その判断の根拠を教えてください。

 

【質問5】

 国会議員が知事や市長等の首長に転出する場合、自身の議員時代の秘書や側近を政策アドバイザーとして起用することが一部で慣例化していると聞きます(例えば、千葉県知事だった森田健作氏、長野県知事だった村井仁氏、大阪市長だった橋本徹氏)。今回、山本一太知事が片貝和晶氏を秘書課長に抜擢し、併せて首席補佐官を委嘱した背景には、そうした「慣例」を意識した経緯があったのでしょうか。詳しく教えてください。

 ちなみに、令和元年8月30日(金)午後に行われた第4回定例記者会見において、山本知事は、知事直属の首席補佐官として任命した県職員の片貝和晶氏について、「彼が県庁に入った頃からよく存じ上げている」「筑波の大学院で環境政策を勉強して県庁に入った」「その後は、(自分が)若手議員の頃から、いろいろ県庁の今の流れとか、トレンドみたいなものを時々教えてもらっていた」「彼は財政畑が長かった」「自治省(の財政課)にも1年出向している」「先進事例をずいぶん彼は群馬県に導入した。例えば、総務事務センター、群馬県の救急車全てにタブレットを配布して効率化、職員プレゼンで県境稜線トレイルを提案」などを任命理由に挙げました。

 

【質問6】

 片貝和晶氏の今後の処遇について、山本一太知事として、現時点でどのようにお考えでしょうか。

                               以上

**********

 

山本一太事務所からは、令和7年6月6日の期限日当日に当会事務局あてに、次の回答書をFAXで送信していただきました。

 

******6/6山本一太事務所からの回答FAX*****

2025年6月6日 17時02分  山本一太事務所         NO.3605   P.1

 

市民オンプズマン群馬

代 表  小 川 賢 様

 

 

質問1

担当者が退職しており確認できませんが、単なる事務ミスと考えています。なお、政治資金収支報告書の保存期間である3年を過ぎていますので、訂正は行いません。

 

質問2

資料が残っていないのでわかりません。

 

質問3

ありません。

 

質問4

地方公務員個人による政治団体への寄付行為は法令等で禁じられていません。

 

質問5

適材適所で人事を行っています。

 

質問6

適材適所で人事を行います。

 

 

                      群馬県知事 山本一太事務所

**********

 

■次に、質疑応答が分かりやすいように、項目ごとにQ&Aを対比させてみます。また、各項目について当会の見解も記します。

 

【質問1】

 平成25年、26年、28年の自由民主党群馬県参議院選挙区第三支部の収支報告書の個人からの寄付者の内訳において、「氏名:片貝和晶」「金額:20,000」「住所:吾妻郡中之条町中之条673-2」「職業:会社員」との記載があります。片貝和晶氏は、山本知事が県知事選で初当選し就任した直後に、次長から首席補佐官として抜擢された人物ですが、なぜいずれも収支報告書には、片貝和晶氏の職業を「公務員」ではなく、「会社員」と記載したのでしょうか。理由を分かりやすくご教示ください。

【回答1】

担当者が退職しており確認できませんが、単なる事務ミスと考えています。なお、政治資金収支報告書の保存期間である3年を過ぎていますので、訂正は行いません。

<当会の見解1>

 釈迦に説法ですが、政治資金収支報告書は、政治資金規正法により政治団体の会計責任者等に作成、および。都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣への提出が義務付けられています。収入及び支出の総額、項目毎の金額を記載するほか、一定額以上の寄附を受けたり、支出をした場合などは、寄附をした者の氏名や、支払先の名称等も記載しなければならず、収支報告書を提出しなかったり、虚偽の記載をした場合などは、罰則が科されます。今年4月に「一伸会」の収支報告書で不適切な記載が外部から指摘されたわけですが、以前から、同様の不適切な記載が続いていたことになります。県庁入庁当時から面識があり、以来、純粋な気持ちで一太知事を応援してきた片貝氏ご本人も、首をかしげるほどですが、当時の私設秘書で「自由民主党群馬県参議院選挙区第三支部」の会計責任者だった後藤敦氏(事務所の回答によると、一太知事が首長に鞍替えした際、事務所を退職した)も、当然、片貝和晶氏が「会社員」ではなく「公務員」だったことをご存知だったはずです。また、現在の山本一太事務所の関係者も片貝氏のことは全員よく知っているのですから、「単なる事務ミス」と認識しているだけでは、余りにも片貝氏に失礼です。

 なお、当会では、山本一太事務所が、一太知事と古くから懇意にしている寄附者の片貝氏の職業を「公務員」と記載すると、世間に無用な憶測を生じかねないと慮った結果と分析しています。

 

【質問2】

 片貝和晶氏からは、上記の政治団体に対して、平成25、26、28年以外でも寄附がありましたか。あった場合は夫々、いつ、いくらの寄付額でしたか。また、職業欄にはどのような記載がありましたか。

【回答2】

資料が残っていないのでわかりません。

<当会の見解2>

 片貝氏ご本人は、「たぶん、このあたりに寄附したと思うが、それ以前のことは覚えていない」と語っておられます。しかし、暦年の寄附者のリストは、事務所にとって重要な記録であり、しかも、国会図書館に保存されているのですから、「資料が残っていないのでわかりません」と回答するのは、無責任です。

 

【質問3】

 片貝和晶氏からは、山本一太氏の関連する政治団体や後援会などに対して、これまで個人の寄付がありましたか。あった場合は、夫々、どの団体に、いつ、いくらの寄付がありましたか。また、職業欄にはどのような記載がありましたか。

【回答3】

ありません。

<当会の見解3>

 「ありません」と断言する回答ですので、これを尊重したいと存じます。

 

【質問4】

 地方公務員法により、公務員は政治的目的の活動が禁じられていますが、選挙の場合、公務員であっても、自身の居住する選挙区以外の選挙の候補者に対する寄附行為は許されていると聞いています。この観点から、片貝和晶氏が、山本一太参議院議員時代に、地元選挙区に住民票があった場合、山本一太氏への寄付行為について、公選法地公法等に照らして、問題ないと判断したと思われますが、その判断の根拠を教えてください。

【回答4】

地方公務員個人による政治団体への寄付行為は法令等で禁じられていません。

<当会の見解4>

 確かに群馬県選挙管理委員会からも、「あくまでも一般論だが」と前置きしたうえで、「公務員個人による政治団体への寄付行為は地方公務員法等に違反しない」と教えていただきました。一方で、当会が現職の県職員のかたがたに、今回のトピックスについて話してみた限り、全員が「えっ、そんなことできるんだ?」とか「えっ、そんなことしているんだ?」と一様に驚きの表情や言葉を発していました。やはり、いくら親しい関係であっても、同じ選挙区の被選挙人と公務員としての選挙人の立場から、「李下に冠を正さず」の意識を持つべきではないかと、オンブズマンとしてはコメントさせていただきます。

 

【質問5】

 国会議員が知事や市長等の首長に転出する場合、自身の議員時代の秘書や側近を政策アドバイザーとして起用することが一部で慣例化していると聞きます(例えば、千葉県知事だった森田健作氏、長野県知事だった村井仁氏、大阪市長だった橋本徹氏)。今回、山本一太知事が片貝和晶氏を秘書課長に抜擢し、併せて首席補佐官を委嘱した背景には、そうした「慣例」を意識した経緯があったのでしょうか。詳しく教えてください。

 ちなみに、令和元年8月30日(金)午後に行われた第4回定例記者会見において、山本知事は、知事直属の首席補佐官として任命した県職員の片貝和晶氏について、「彼が県庁に入った頃からよく存じ上げている」「筑波の大学院で環境政策を勉強して県庁に入った」「その後は、(自分が)若手議員の頃から、いろいろ県庁の今の流れとか、トレンドみたいなものを時々教えてもらっていた」「彼は財政畑が長かった」「自治省(の財政課)にも1年出向している」「先進事例をずいぶん彼は群馬県に導入した。例えば、総務事務センター、群馬県の救急車全てにタブレットを配布して効率化、職員プレゼンで県境稜線トレイルを提案」などを任命理由に挙げました。

【回答5】

適材適所で人事を行っています。

<当会の見解5>

 当会として、一太知事が代表を務める事務所への公開質問として、このことが最も主要な質問事項と考えています。それにもかかわらず、事務所として「適材適所で人事を行っています」との抽象的な回答だったので、その意味を反芻しているところです。「適材適所で人事を行っている」と現在進行形で表わされていることから、当会は、この回答を一太知事ご本人の見解と受け止めています。

 

【質問6】

 片貝和晶氏の今後の処遇について、山本一太知事として、現時点でどのようにお考えでしょうか。

【回答6】

適材適所で人事を行います。

<当会の見解6>

 前項の質問に対する事務所側の回答と同様ですが、一太知事は回答6では「適材適所で人事を行います」と未来形で表現しています。ということは、現在、秘書課長兼首席補佐官として執務している片貝氏が、首席補佐官の手当てを支給されないまま、知事の秘書業務に加えて、さらに政策アドバイザー的な追加業務を期待されるあまり、「首席補佐官」の職名を兼務で負わせることは、いくら片貝氏が一太知事を公私ともに熱烈に支援しているとはいえ、片貝氏に対して負担が大き過ぎるのではないでしょうか。適材適所の人事管理からすれば、片貝氏には専任の「特別秘書」になってもらい、一太知事の右腕として、活躍していただくほうが、理にかなうはずです。

**********

 

■以上の観点から、一太知事におかれては、現在秘書課長兼首席補佐官として、常に知事室の隣で勤務してもらっている片貝氏の過重業務負担を軽減させるためにも、兼務を解き、「首席補佐官」のみとするか、あるいは条例制定により「特別秘書」として採用し、事務的なミスを頻発させて一太知事を困らせている現在の山本一太事務所の秘書を全て解任することを、当会として強く要請する次第です。

 

 ちなみに、「首席補佐官」というと、米国の大統領の首席補佐官がイメージされます。この場合の「首席補佐官」の職務内容は非常に広範囲にわたりますが、Wikipediaによると、一般的に首席補佐官は、他のホワイトハウス職員を 監督・統括し、大統領のスケジュールを取り扱い、大統領と訪問者との面会を 調整します。この大統領と訪問者の面会を調整するという職務ゆえに、首席補佐官は「大統領の砦」と呼ばれることがあるのです。

 

 首長である県知事の職は、よく「大統領」と同じだと評されています。父親の跡を継いで国会議員を長く務めた一太知事ですが、やはり国会議員と言えども、あくまでも議員という歯車の一つに過ぎず、目立ちたがり屋と言われる性分もあり、「お山の大将」である知事の職位を選択したことは当然のなりゆきかもしれません。

 

■今回の桐生市新庁舎建設工事をめぐる入札妨害事件で、一太知事の政治母体である群馬県自民党県連が、先月5月15日に発表したばかりの新執行部人事で、県議団長として選任されたばかりの相沢崇文県議が、突然逮捕されるというショッキングな出来事に接し、一太知事が動揺を隠せないのも無理はありません。

 

 なので、こういう時こそ、一太知事におかれましては、有能な人物を「特別秘書」に任命し、執行部の業務を兼務させることなく、文字通り知事を支える「特別秘書」業務に専念させることが、この県政に突然降り掛かった“難局”を無事に乗り切るためにも、急務だと認識すべきではないでしょうか。

 

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】